「初めまして」は平和だった

交流、交際

まだ、その発表会の企画があるという噂すら出てないのに。

S井さんが、特大フライングをして、曲目とメンバーを決めた。
その初回練習が、きのうあったのよ。

S井さんが名簿から1本釣りで釣り上げたのは、I井さん。
お住まいも年齢もあたしと近い女性。
S井さんは、わざわざあたしたちの住まいに近いスタジオを探してくれた。

余裕をみても、あたしが玄関を出て30分以内に着く。
S井さんは、キーボードやスタンド一式を遠くから電車で運んで来てくれる。
いつもなら彼は集合時間の30分前に着いて、ひとりで組み立てている、はずなのに。
10分前に着いたけど、あたしが一番乗りだった。

おかしいな。でも、スタジオの人がちゃんと入れてくれたんだからあたし間違ってないよな。
ひとりで、備え付けのクラビノーバで練習していたら、予定時間1分すぎに「ピンポーン♪」が聞こえた。

あれま。現れたのは女性ひとり。
うふ。I井さんですね。初めまして。
彼女も緊張をにじませつつも穏やかな笑顔で挨拶してくれる。
メールの印象を裏切らない、知的な印象の方で、ホッとする。

いつもならS井さん早く来ているんですが、、と言いかけたらI井さんと同時に来てるって。
ああ、大荷物を引っ張り上げるので時間掛かってるのね。

このスタジオの道案内が、「駅すぐの公園を通り抜け、右に進んだらスグ」というの。

公園、あったけどね、公園にはあっちこっちに階段があって、全部曲がりくねって先が見えない!
あたしは珍しく勘が当たって、一度で公園を抜けられたけど。

お二人とも公園は通らず、Googleマップで普通の道を調べたそうだ。
遠回りだけど、それが正解だな。

スタジオは半地下。きれい、三人なら十分な広さ。五人までなら使えるな。

お二人を待っている間に、ひとりでクラビノーバで練習したら、まあ全然弾けないので参った。
明らかに練習不足だ。
S井さんはクラビノーバの鍵盤を押してみて、「重いでしょ」という。
あ、確かにものすごく重い。練習不足だけが原因じゃないんだ。ちょっと救われたよ。

S井さんのキーボードで合わせたら、やっぱりボロボロに間違ったけどね。
お二人の楽器の音の陰に少しは隠れられた、つもりだけど弾けてないことが自分にはよーくわかるよね。

我々の属している室内楽団体は、年に数回会報誌を出してる。

そこで、みんなの活動が読める。誰がどこで、なんの曲で発表会に出たか全部載る。

でもね、I井さんの名前をあたしは一度も見たことがないんだ。S井さんも、たぶん同じ。
しかしつい先日、「ブラームスの会」の発表会をS井さんが聞きに行ったら。
その会の、今までの20年分ぐらいの発表会の歴史の展示があったんだってさ。

そこにI井さんの名前があり。それが2013年だった。
I井さんはその時、ブラームスの弦楽四重奏で参加したのだけど、あまりに弾けないのでガッカリしてずっと遠ざかってたんだって。
でも、退会だけはせず年月がすぎ、最近ある例会に時々参加を始めたとのこと。

「ある例会」は「初心者OK」をウリにしてる。あたしも試してみようかと思ったことはあるけど、試さないうちにほかの会が忙しくなっちゃった。
I井さん、謙虚な人だ。実はほんの少し心配だったけど、これだけ弾けるなら十分だよ。腕前は、あたしと同じぐらいかもしれない。

いきなりのお誘いメールでびっくりしたでしょう、と聞いたら「でもうれしかった」そうだ。
それならよかった。

発表会用の曲を1回通して、休憩。

いつもS井さんの独擅場。年齢ネタトークがお得意。
なぜ年齢にこだわるか、を話してくれた。

我々1962年生まれは、物心ついたらテレビがあった。
「白黒だけどね」と言ったらI井さんもうなずいてくれた。
あ、I井さんは1年違い、1961年生まれだけどそれぐらいなら問題なし。

テレビから流れてくる音楽は、劇中音楽もCMも全部音程は正しい。
それまで、電波に乗らない音楽、民謡とかちんどん屋とか・・・・しか聞かずに育った世代は音程がぴったり合わなくても気にしないでいられる。
というような要旨。

なるほどねえ。
てっきり、昔見た番組の話で盛り上がれるから同年代がいいのかと思ってたわ。

たっぷりおしゃべりで休憩して、もう1回練習を・・・と思ったら、今度は別の曲がやりたいと。

そう、発表会のヘンデルと他に、遊びでテレマンもやってみましょう、とS井さんが楽譜を配ってたんだった。
S井さんが編曲してくれた楽譜はチェンバロ用と書いてあるけど、これをオルガンでやってくれという。

電子キーボードだから、パイプオルガンの音もスイッチポンで出せる。
あーー。これ確かに、チェンバロよりオルガン向きだ。
低音がオクターブで延々と鳴り続ける。
オルガン曲を、俄然弾いてみたくなった。

2本のオーボエと通奏低音の為のトリオソナタ

「オルガン、いいですね!」と叫んだらS井さんも「いいでしょっ!?」っと目に力を入れてくれた。
こちらの方が、さっきのヘンデルより弾きやすい。
と思ったら、S井さんが自分でも弾けるように編曲したんだって。だからかー!!

ヘンデルはS井さんじゃない人が既に編曲をネットに上げてて、誰でも使えるようになってるんでね。
S井さんは「もうひとつ、もっと簡単な編曲もあった」と言う。
探してみなきゃ。

で、またおしゃべりを挟んで、もう一度ヘンデル。
ああ、今度はだいぶ弾けるようになってる。
同じ曲をやってる感じがしない。・・・つまり曲を覚えるほど練習できてないってことだな。

ふう。まあ、初回練習はこんな感じね。

やっぱり、本番までに3回は練習機会を取らないと、音楽の表面をなでるだけになっちゃう。
もっと深いところまで味わいたい。
と、S井氏がいうのにあたしも共感。

本番、何月でしたっけ。って聞いちゃった。まだ何も情報がないのに始めちゃった、ってことも忘れてたよ。あたしの脳がかなり危ない、ってことお二人にも感づかれたかな。

そして、このあとは三人で会食がてらの打ち合わせと情報交換だって。
確かに、I井さんの参加が確定した直後に言われてたわ。
1か月経ったら、もうすっかり忘れてた。でも、歓迎。

S井さんが店開拓・予約電話からタクシー呼びからメニュー決定まで、すべてやってくれた。
我々女性はぼけーと見てるだけ。

ま、そういうわけで、本日のオマケはなしです。

ちなみに、窯焼きピザのイタリアン。
全部、おいしかったよん。

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コメント

  1. じゅん より:

    そのスタジオ、私が長年住んでいたところの近くですね。たぶん。

    • よはねす よはねす より:

      おっ。そうでしたかー。駅から、公園を通ればほんとにすぐ近くですね。隠してるわけじゃないので書きますと、須藤公園。
      そういえばI井さん、博物館がお好きなので上野まで自転車で行けるこの地(の隣ぐらいですが)に居を構えたと言ってました。
      じゅんさんも、お仕事に便利だったのかなと思いましたです。