超有名指揮者の初指導と、譜めくりその後

こないだの日曜。室内楽練習のあと妹とデートし、さらにそのあと臨時オーケストラ練習へ向かった。
本当なら従来オケの練習もあったのだけど、それは優先順位で負けということにしておく。

だって、この夜の臨時オケは本指揮者初登場なんだよ。
こんなところで発表しちゃっていいかわからないけど、おん年82歳、秋山和慶大先生である。
こんな有名な方に棒を振ってもらいたい。たぶんこれを逃したら、一生こんなチャンスないと思う。
だから諸々の障害を振り払って、参加希望を出したんだ。

18時集合18時半練習開始なのに、みんなまじめに18時前に集まってる。

あたしはかぼちゃプリンでは心細かったので、駅前ドトールでレタスドッグを食べて時間調整。

初回練習では暫定ながらトップサイドに座ることを指定され、後ろの方々に迷惑をかけてしまった。
今回はぜひとも後方に座らせていただきたい。
思案顔でその辺に座ったら、前回見ていない顔の男の子がニコニコと挨拶してくる。
そうか、座席表に一人分（未定）って書いてあったのが、決まったんだな。

ほかのメンバーが「この人Ｔ音大だそうですよ」と教えてくれて、トップサイドの譲り合いが終わった。
「順番だから」とか言っちゃって、トップサイドをみんなでお願いしたら素直に座ってくれた。

そして、期待の御大登場。
ネットで見る写真よりも、実物のほうがお若く見える。
銀行頭取と言ったら誰もが信じてしまいそうな端正なお顔立ちに、ピンクのシャツがイメージどおり。
白髪（はくはつ）は美しい純白にウェーブがきれいにかかって。

イラスト全く似てなくてごめん。ご本人の写真を使うわけにはいかないので。

練習は、期待どおりおもしろかった。
日陰の存在わがパートに注意するときはトップ一人の顔を見つめながら。
トップのせいじゃない、我々後ろ部隊が全面的に悪い。トップさんに申し訳ないので必死に注意を守る。

管楽器の女の子が一人、つかまってしまった。どうしても正しいリズムが吹けない。
こればかりは個人に注意するしかない。
先生、辛抱強く10回ぐらい、できるまで繰り返させたわ。

女の子、よく泣かなかったなあ。「すみません」も言わず「なんでこんなことができないんだ」と独り言を入れながら、食いしばって食らい付いてた。

昔、入社2年めぐらいの女子が先輩に「こうするんだよ」と教わったとき「はい。はい。」と憮然としながらうなずいてたと思ったら、最後泣き出してしまった、ってことがあった。
今まで「これが正しい」と思ってたことが違っていて、ショックだったらしい。
そんなことを思い出してしまったわー。

休憩時間に少しさらっていたら、お隣の女子がなんだか話しかけたそうにしてる。
なあに？と横を向いたら
「実はわたし、左の聴力が弱くて。時々こうしますが、気にしないでください」
と思い切り首をかしげて、普通左のところ、右耳を楽器に近づけてる。
「あらー、そうなの。・・・偉い」

何が偉いのか自分でもよくわからないけど、励ましたかった。

練習が全て終わったら、反対側の男子が立ち上がって、トップサイドに座ってくれた男子に拍手を送った。
追随してあたしも拍手した。でも、なんだかちょっぴり悔しい。

そりゃあさ、先週あたしが数々の失敗したから、今回は頼もしかったでしょうよ。
でも、今回はあたしもうまくいったもん。
いや、トップ二人がしっかりしてたおかげなのかな。

予定では21時に練習終了だったけど、先生お元気だな。
まったく疲れも見せず、15分も過ぎて主催者からストップがかかるまで練習を続けた。

その、終了前に、あたしにメールが届いた。
あれっ。このアドレスの通知がスマートウォッチに来たの、初めてじゃない？
昼間譜めくりを断られた人からだった。

「帰宅後楽譜を確認したら、戻りやカットがなく、順番通りめくるだけなら何とかなりそうですので、私でよければ引き受けます」
うわあ、やっぱり優しいわこの人。
でも、残念、くり返しで「最初へ戻る」がある上、A4コピーだから通常の楽譜より小さいんだよ。
暖かい申し出に感謝しつつ、引き続きほかの人も探すことにした。

そしたらね。

「発表会までの貴重な時間を、他の方に打診したりすることに使うのはもったいないので、
よっしゃ、OK、まかせとけ、私にめくらせてください(^_^)v」

って。かっこいー。なんとも男前（あ、女性ですがホメてます）なお返事をいただいた。
うう、女神様。ありがとうございます。と返信。
あとは、たとえめくりが失敗してもいいように、さらに暗譜を頑張るぞー。