理由はよくわからないけど楽しかった

きのうは、ベートーベン四重奏の練習をしてきた。

実をいうとね。
この練習、あんまり楽しくないの。
ベートーベンが元々好みじゃないからかなあ。

でも、初めてやったベートーベンの「ラズモフスキー第3番」はめちゃめちゃ楽しかったのだから、それが原因じゃないかも。
今やってるこの曲が悪い？それもあるかも。

たぶん、今組んでる4人がみんな真面目で（はい私も含めて）「あそこが悪い」「ここがうまくいかない」って、悪いところばかりに気が行ってしまうからだと思う。

90歳メンバーは「この曲、ほんとは楽しい曲なんだよ？」と言うし。
40代女子も「もっと楽しく弾きましょう！」と、しびれを切らしたように言ってたな。

でも、これに行けばまたブログのネタができる。と自分を奮い立たせて玄関に立った。
前日夜にオケ練から帰ってきたまま、荷物はほとんど入れ替えの必要がない。
・・・いや待てよ。楽譜は入れ替えなきゃ！
危ないところだった。

エレベータで1階に降りたら更に不安になって、ケースの中に楽器が入っているかロビーで改めて確認した。
楽器だって、オケ練のあと出し入れしてないから入ってるはずなんだけどね。

90歳宅に着いて「楽譜を危うく忘れそうになった」と報告し。
「楽譜ならまだいい。ピアノとバイオリンやる人が、本番の日にバイオリンを忘れてきたことがあった」と、どこかで聞いたようなことを。

あ、ここでは書いたことなかったか。
10年前に、オケ練習に行くとき楽譜と譜面台だけ担いで楽器を忘れて行ったことあったんだよ。

「実はわたしも」と、自分の失敗談を披露するの、このごろ楽しくなってきた。
あまりにたくさん大失敗するから慣れちゃったみたい。悪い意味で。

準備してたら突然知らない女性がニコニコして入ってきて「こんにちは、お疲れ様です」と挨拶してきた。
状況が飲み込めなくて「どちら様でしょうか」と聞いたら、90歳の娘さんだって。
驚いてとりあえず無礼を謝った。

娘さんがお帰りになってから、「失礼なこと言っちゃった、どっちが『どちらさま』なのよねえ」と汗を拭きながらお仲間に救いを求めた。
彼女は直前までここでバイオリンを生徒さんに教えていたそうだ。

楽しい気分のまま、「じゃ、始めますか」と弾き出したらね。
楽しいのよ。
1ヵ所、どうしても合わないところがあって「うーん」「うーん」って何度もやり直すんだけど、暗くならない。

寡黙とおもってた60代も、休憩時間にはよくしゃべった。
ひとりひとりに紙の手提げを渡してくれる。
奥様手作りのシュトーレンだって！
パン教室を運営されている奥様が毎年作るので、12月に演奏をご一緒した人にだけ毎年プレゼントするのだと。
うわあ、ラッキー！

シュトーレンの生地にはパンタイプとケーキタイプの2種類あるんだって。
いただいたのは「パン」タイプ。

盛り上がったところで再開した練習も、とてもうまく行った。
いや、実は「どうしても合わないところ」は全員で克服したのだけど、あたしだけ2か所、小節数を数え間違えた。
でも、そこは誰も指摘しない。指摘しなくても全員わかってるし、そういう不注意は練習し直したらできるようになるってものじゃない。
楽しくて、気がゆるんだことはお詫びした。

最後に、90歳がまたあたしのことをほめてくれたよ。
「高齢スターターの割に、よく弾けるね」って。
ありがとうございます。ひとつでもほめていただくと、やる気が出ます。
ほかの二人も笑ってた。

オマケは昨日の夕ご飯。

サントリーさんのシャルドネに合うという、レシピはこちら。
茎だけじゃ足りないので本体も足して。
夕飯ルーチンの味噌汁と大根おろしに合わないのでシャルドネは省略。