チェンバロの、新しい教則本を買って、初めてレッスンに持って行ったのよ。
練習してきたページを開こうとしてパラパラめくったら、たまたま特徴的な音符が目に入ったのよね。
一瞬で「あの曲だ!」ってわかって、思わず先生に見せたよ。
あー、この曲、有名ですよね。こんな曲も入ってたんだ、と思って。
ひと目見た先生もまた一瞬で、激しく反応。
珍しく「あははははは、あははは」と笑いが止まらない。いつもはとてもおしとやかで優しい先生なのに。
えっ、そんなにおかしいですか、って思わず聞いちゃった。こんな曲。
CMが入るけど許してね。これより13年後の演奏はもっと画像も綺麗でCMも入らないけど、こっちの方が演奏に勢いがあるよ。
先生が大学院生のころ、学内で夜の演奏会に何度か出なくてはいけなくて。
スカルラッティのソナタを何曲か用意し、当日その中から何番を弾け、って指定されるんだって。
これも練習していったけれど、幸い(?)違う曲を弾かされた。
って、それだけの話なんだけどさ。
なんで爆笑したのかは謎だった。でも、確かにすさまじい曲でしょ。
先生は、あたしが「これが弾きたい」と言い出す恐怖からあんなに笑ったのかもしれない。
あたしが知ってる数少ないスカルラッティだけど、さすがにあたしはこれを習う勇気はないよ。
演奏会じゃないけど、チェンバロのコンクールがあるのは知っている。
山梨で、国際古楽コンクールとかいう名前なんだよね。
それは二年に一度の開催で、今年はまさに今行われてる。
あ、チェンバロと旋律楽器を交互に行うとのことだから、チェンバロ部門が二年に一度なのかな。
ごめん、理解不足でそれはわからない。
先生が、なぜそれをあたしに教えてくれたのかがよくわからない。
興味があれば聞いてきたら?ってことかな。
興味はあるよ、先生も入賞したことがあるし、インスタでフォローしてるセミプロさんも出場したりと、情報はいろいろ入ってくる。
山梨だったら、中央線で行けるんですか。
「一番ラクなのは新宿から特急『あずさ』に乗るのがおすすめですね」
ああ。旅行したこと、ほとんどないからな。もう、それだけでハードル上がりまくり。
「日帰りでも行ったことありますよ」と先生はおっしゃるけど。
とにかく、少なくとも今年は行けないわ。気持ちの準備だけでも1か月はかかるな。
とすると、行くとしたら二年後かな。
レッスンでは、弾き方や音楽の作りではなく、体の姿勢を注意されたよ。
1曲弾き終わって、開口一番「よはねすさんにはのびしろがあります」って言われた。
言葉を素直に受け取るならば、普通はこれはほめ言葉なんだろうね。
例えば、コンクールで技術は荒削りだけど音楽性に期待が持てる、という人にそんな言葉が使われることがある。
でもわかってる。これは、あたしの欠点を指摘する言葉。何を言われるんだろう、って緊張したよ。
難しいところとか、曲調に緊張感があるところとかであたしは肩と背中にぎゅっと力が入っちゃう。
「それは、指によくないです」と先生がおっしゃる。
先生はいつも、言葉を選ぶのにとっても気を遣ってる。
数学や国語の先生なら、間違いを指摘するのに気を遣う必要はないだろうね。
でも、音楽や美術を教えるって、言葉の選び方は難しいよね。
どうしたって、欠点の指摘になっちゃうもん。ああ、長所を伸ばす指導法もあるか。
で、先生は「あなたの欠点は」と言いたいときに「のびしろがある」という言い方を会得された!
数ヶ月前から、何度か言われるようになったよ。
先生、優しい。でもあたしも学習した。「のびしろがある」イコール「欠点がある」、ってね。
さて、あたしは。
曲に緊張感を持たせたいとき、鍵盤にのめり込むような姿勢を取ってしまうのをやめて、そのほかの方法でどうやって緊張感を表すか。
先生が手本を弾いてくれると、実に美しく優雅、典雅なのにきちんと緊張はついてる。これは、緊張ではなく端正って呼ぶのかなあ。
あたしのは荒々しいもんな。
バロック時代のお姫様が荒々しいはずがない。
アルゲリッチだって、荒々しい曲を決して肩肘張らずスルスルっと弾きこなすもんなあ。
本日のオマケ


ブロッコリーを、クタクタに茹で過ぎちゃった。にんにくとナッツと、オリーブオイルで和えた。
きゅうり半本はスライサーで細切りにして、水切りヨーグルトとニンニクとオイルと混ぜてジャジキに。
余ったきゅうりはバーニャカウダに。キャベツも手でちぎって。10年以上前に同僚たちと飲み屋で食べたバーニャカウダはびっくりするほど美味しかったなあ。青の洞窟も全然かなわない。
これじゃあお腹いっぱいにならない。シメに、簡単なパスタを追加。


キャベツとパスタを一緒に茹でて、ツナ缶を混ぜただけ。
ゆうべ開けたワインはオーストラリア産、ラフィングバードだって。肉のハナマサで見つけて、きっと笑いカワセミだなと思ったので即買い。
大昔、あたしが小学六年か中学一年のころ短波放送を受信するのが流行したんだよね。ラジオオーストラリアは日本語放送を流してくれて、そのオープニングが笑いカワセミの鳴き声だったよね。
日本のカワセミは青くて美しいけど、笑いカワセミはなんだか怖い顔をしてる。

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