ボロディンやりたくて小細工した

平日室内楽では、11月に小さな発表会の予定がある。

ここでやりたい曲として、シューベルトのある曲をエントリーしたんだけどね。

幹事のオババから、意外な連絡が来た。

「よはねすさん、以前ボロディンの2番をやりたいとおっしゃっていましたよね。
発表会で、川谷さんからボロディンのリクエストが来ています。
シューベルトのほうがよければそれで組み合わせますが、一応お知らせまで」

そう。ボロディンの弦楽四重奏、ずっとやりたいと思ってたから、この会で2回リクエスト出したことがあるの。
でも1回めは「メンバー不足」とのことで採用されず。
2回めに出したときは「あの曲はとても難しいのでかなり練習が必要、わたしは来月手一杯、もしやりたいならどこそこの会に参加したらどうですか」って、見事に断られちゃった。

代替案まで出してくれたので、オババにはお礼を言っといた。
しかし、よその会に参加する余裕は、今はないなあ。

だけどね。以前、組み合わせ表の中でこの曲の第1楽章だけ、みたことあるのよ。
あたしもここに参加したかったなーと思ったから、覚えてる。
その時、オババもメンバーだった。そうか、ここで苦労したのね。
もう一人覚えてるメンバーが、川谷拓三酷似のバイオリンさん。

川谷さんと、先月別の曲で一緒になったときにね。
時間が余って、音楽の話をいっぱいできたの。

その時、彼にグチってみたんだ。
「ボロディンをやりたくて2回エントリーしたんですが、『この曲は難しすぎる』と断られちゃった」

川谷さん微笑みながらも意外そう。「あれえ？そうかなあ。前、ここでやったことありますよ」

ええ、そんな気がしたんですけどねえ。と、伏し目がちに答えたら
「じゃ、また今度わたしがエントリー出してみようか」と言ってくださった。

あらあ。いいんですかあ。採用されるかわかりませんけど、期待しないで待ってます。
殊勝なフリ。演技してみた。

川谷さんの力がスゴイのか。
このごろ、上手なメンバーも入って来たしなあ。
オババは、きっとあの上手な人を組み合わせてくれる気がする。
発表が楽しみだ。

実のところね。
この会ではボロディン期待できないな、と思ったから、今月の全国室内楽協会主催合宿で申し込んで。
見事採用されて、ほかのメンバーと全楽章演奏できることには決まってるんだ。

でも、大好きな曲、いろんな人と、何回やったってうれしいもんね。

合宿でもやったことがオババの耳に入ったら、機嫌損ねるかな。
でも今回平日の会でエントリーしたのあたしじゃないしぃ。