見積もりの甘さで中失敗

先日のオケ練は、楽器運搬当番だった。
練習室に荷物を置いて、駐車場まで降りたら呼び止められた。

何事も完璧な会計係さん、お隣のパートで時々トップも務める美女。

決して高飛車な振る舞いはしない良い人で、よく気配りをされる。
申しわけないのだけど、彼女から声を掛けられるといつもビクッとしてしまう。

「今度の演奏会の、楽器レンタルのことなんだけど。あ、今大丈夫？」
もし楽器トラックが来たら運搬を手伝うのだけど、まだ大丈夫だろう。

あたしは、オケの予算係。
今回の楽器レンタル料予算は10万円として、総会で承認された。
ティンパニは通常2台か3台、多くても4台。
それが今回は8台も使う、特殊な曲なの。

今度の演奏会は土曜日。
うちのオケのあと、会場地元のアマオケが続いて夜にリハーサルをする。
そっちのオケが持ってる楽器を使わせてくれるそうだ。
もちろん、いくらかのお礼は必要だけど、レンタルよりずっと安いだろうし、運搬しなくて済む。

それは助かるけど、リハーサルの日にもレンタルは別途必要。

それが20万円もかかりそうという情報で。
会計係さんは、「これだけかかりました」と言われ、「はいそうですか」と予算の2倍を払うわけにいかないと言う。
せめて事前に役員会にかけて、承認してもらいたいと。

あたしが、ティンパニのレンタルが必要なことを知らなかったのでは、という疑惑がかかっているようだ。
うん、知ってたよ。打楽器坊やのママに「4台必要」って聞いたもん。
でも、それが10万て予算は、あたしがどこからひねり出したんだろう。
思い出せないから、後で調べて返事をすることにした。

確か、ネットで検索したんだよな。
すぐに出てきた業者だと、単価12000円から22000円ぐらい。
高いのを選んでも4台で88000円、と思ったんだろうなその時のあたしは。

リハーサルと本番と、2日分かかることを恐らく忘れてた。
そして、運搬料が別途かかることを完璧に気づいてなかった。
前回の演奏会場は都内だから安く済んだが、次回はぎりぎり県内。
そこで、けっこう差が出る。

会計係さんは、運良く演奏委員長とご夫婦なの。
演奏委員長が、そのお隣アマオケから「貸していただける」と情報をもらって、レンタル料の予算確認をしてくれたみたい。
彼によれば、あたしが検索で見つけた会社だと20万かかるということだった。

うわー。大失敗。会計係さんに気を揉ませて、申し訳ない。
役員会への報告は彼女のほうが上手に言ってくれると思うけど、それじゃあたしがあんまり責任逃れだ。
あたしの予算見積もりが甘すぎたことを、役員会で懺悔しなきゃいけないだろう。

まだ役員会の日程は発表になってないけど、おそらくあたしが出席できない日になりそう。
もしその日になっちゃったら、すごく申しわけないけど会計係さんから説明してもらえるか、とつけ加えて彼女にメールしたよ。

首を洗って待つ、みたいな気分で返信を待つ。
来た。
「練習時のティンパニは借りずにやりくりすることも検討中なので、役員会担当者への連絡はもう少しお待ちください」

ふう。
あたしの失敗を、演奏委員長がカバーしてくれようとしてるのかなあ。
負担をかけるなあ。
それで済ませてくれたら、あたしは大失敗ではなく中失敗ぐらいになるかしらん。

もしもあたしが逆の立場で、会計係だとしたら「はいそうですか」って20万ポンと出しちゃうと思う。

こんなあたしが、予算係でいいのか？
どう見ても、向いてないでしょう。
いっそのこと、「よはねすには任せられない」とみんなが思って、来期からは予算係から下ろしてくれたらいいのだ。

本日のオマケ

食欲が戻らない。昼はいつもより控えめなサラダのみ。この夕飯は、野菜のパン粉焼き。たんぱく質は納豆だけだ。

野菜は、赤玉ねぎ・青ナス・甘長唐辛子・ごぼう。パン粉にはにんにく・アンチョビ・ケッパー・パセリ・おろしたチーズを混ぜてあるよ。