バイオリンの会で再会

きのうはバイオリン発表会を聴きに行って来たよ。

室内楽仲間の中で、「我こそは」というバイオリニストがソロの腕を披露する会。
すばらしい腕前ぞろいなので、できるだけ行くことにしている。

1曲め、時々あたしにも声を掛けてくれてカルテットを組むOさんはプロ、バイオリンの先生をしてるんだ。
バッハの無伴奏パルティータ1番。
これをぜひ聴きたかったのに、12時開演にちょっと間に合わなかった。

受付のゆうこりんから「楽章の合間に入ってください」と言われ、内扉の手前で合間を待ったけど、合間かと思えば合間じゃなかったりして入れない。
あたしの後からも遅れて来た人たちが増えてきた。
「今、合間じゃない？」と声を掛けられ勇気をだして内扉を開け、薄暗い客席に数人、Gのようにササッと走り込む。

Oさんは激情型、聴くだけでも面白いけど見てても面白い。
音が天井に向かってふわっとのぼるのが、あたしにも見えるけど彼女も見上げる。
バイオリンの歌に、合いの手のリズムを入れたくなる箇所では、自分で靴の爪先を床にダンダン！と踏み鳴らし。

盛大な拍手にニッコリ笑い退場するOさんに、あたしも小さく「ブラボー」と言いながら拍手を送った。
と、Oさんの向こうに見覚えある人が。
昨年の合宿で仲良くなったN井さんだ！
またまたＧのように彼女の隣に走り込み。
「N井さん？よはねすです」と声を掛けたら、一瞬の間を置いて笑顔が広がった。

彼女、けっこう遠い所に住んでる。成田の先ぐらい。
この発表会はいつもここ原宿で開催されるんだ。まさかここで会えるとは。
演奏者が交代する5分間休みのたびに、ずっと喋りっぱなし。

2曲めが始まって、ちょっとだけ困ったのは、前の席の人の背が高くて演奏者がほとんど見えなかったの。
平土間なんでね。まあ、バイオリニストは立って演奏するから、歩き回ってくれる人なら時々は見える。

いつもなら、演奏についてたっぷり書くところだけど。
今日はプログラム紹介だけにしておくわ。

2曲め3曲めのモーツァルトは、そんなに難しい曲ではない。でも上手い人が緊張感を持って弾くと聴きごたえあるわ。
もちろん元々名曲でもあるんだけど。
4曲めグリーグ、5曲めブラームスはプロが非常によく演奏会で取り上げる難曲。
どちらも、プロ並みに上手な人で、こんな演奏をタダで聴かせてもらっていいのかしらと思うほどだよ。

このあと2時間ほど休憩、後半で有名な曲（≒あたしが知ってる曲）は6番と10番だけ。
聴かないで帰るつもり。
でも遠くからきたN井さんは全部聴きたい。当然だ。
お昼ごはんを一緒に食べることにしたよ。

このホールはあたしは何度も来てるし、チェンバロの発表会も一度ここでやった。
ランチはどこも行列が激しくて、なかなか入れないのは知ってる。
モスバーガーやドトールまでも行列なのは、あたしも想定外だった。
3人ぐらいしか並んでなかった「洋麵屋五右衛門」に入ったよ。ここもチェーン店だけど、ドトールよりは並ぶ価値があると思う。

実は、この2週間ぐらい、彼女の名前が思い出そうとしても出てこなかったんだ。
なぜかとっても気になるので、重たい紙束をどけてやっと昨年の合宿パンフレットを引っ張り出して確認したところだった。
あー、確認しておいてよかった。
今年の合宿どうします、とか、お仕事の話とか、もういくら話しても話しても終わらなくて、出て来たスパゲティを前にして全く箸が進まないぐらいだったよ。
あ、ちなみにこのスパゲティ屋はなぜかフォークでなく箸で食べさせるんだよね。
箸が苦手なあたしは普段は避けてるけど、きのうは仕方なかった。

このバイオリン発表会がタダで聴けて、だとか、彼女が入ってるオケの演奏会のチラシを見たら「入場無料」だから行けるわ、とか、なんでなんだろうついお金のことばっかり連続して口から出てしまう。
恥ずかしくて仕方ないけど、N井さんは「親近感あります」とか優しいことを言ってくれる。

一番衝撃だったのは、年齢。
あたしより5歳以上は若いと思っていたのに、同学年だった。
彼女の仕事は成年後見人だという。あたしは子供がいないので、成年後見人を利用するべきか考え始めたところだったのだけど。
まさか同学年の人に後見人になってもらう相談をするなんてねえ、って大笑いした。

彼女も、あたしのこと年上だと思ってた。あー、やっぱり仕事をしてる方が、ストレスを抱えているようだけど実は若くいられるんだよな、と改めて思ったよ。

東京に慣れない彼女をホールまでご案内して、お別れした。

最寄り駅についたらカミナリが鳴り始めたよ。彼女大丈夫だったかなあ。

あと1本早い電車だったら傘要らなかったかも。晴雨兼用傘持ってたし、靴も雨天対応スニーカー履いてってよかった。

本日のオマケ

4時近くまで食べ続けたので、夜になってもまるでお腹が空かない。でも疲れたからビールが飲みたいな。

ビールだけじゃ罪悪感があるので、ちょこっと足して。

無添加サラミにカマンベールチーズ。柿ピーは迷った末、食べてしまった。ビールお代わりは思いとどまった。