優しい先生を怒らせちゃった

音楽

きのう、チェンバロのレッスン中にね。
先生からいつものように「先週よりは良くなっています」って言われてね。
それは、期待とはちょっと違う反応だった。

練習したい、しなきゃいけない曲はたくさんあるけど、チェンバロの練習だけは楽しいからほぼ毎日やってる。
今日こそ、この曲にマルをもらって、次の曲も見てもらいたい、と思ってたんだ。

「どこを直したいと思いますか、どう弾きたいですか」と聞かれるのもいつものこと。
細かい音符のところで、指がもたついて転んじゃう。
すごく意識してれば弾けるけど、うっかりしてると必ず変なリズムになっちゃう。

しかし先生は、その箇所ではなく、オクターブとか三度でミスタッチする方が気になった。
「もしかして、練習不足かな?」と聞かれて、困ったよ。
そんなはずはない、と自分では思ってるけど、まだまだ足りないってことだよな。

そう言えばよかったのかな。
黙ってたから、暗に「わたしは練習不足です」と認めたようなことになったのか。

練習のしかたが悪いのは見抜かれて、教えていただいた。
できない部分を取り出して、そこだけできるまで繰り返す。
ただ通して弾くだけじゃ、うまくならない。

あとは、曲想もいくつか。
長いフレーズを、あたしが盛り上がるように弾くところ、先生は逆に収れんさせなさいとおっしゃる。
そこでちょっとびっくりしたもんで、「ええ、そうですかねえ」と言ってしまったら、先生の堪忍袋の緒が切れたみたい。
「じゃ、もういい、よはねすさんがやりたいようにやって」という言い方だったと思う。
言われたように、あたしの解釈でもう一度弾いてみたが。

いつもなら「そういう解釈もありだと思いますがわたしは」と、よく言われるんだけど。
そういえば、この先生に習い始めたころはそんなこと先生に向かって言えなかったかなあ。
というか、「自分がやりたい音楽」ってものを持ってないから。
そのころも、先生が曲想を全部伝えてその通りに弾かせるのは「最悪じゃないですか」って先生おっしゃってたよ。

曲がうまくいかないので、また通奏低音を復習しましょう、と話題を変えられた。
きのうは、その教科書は持って行かなかったんだよね。
全部、先生があたしに必要と思われる内容を考えて、都度あたしに与えてくださるのが当たり前と思ってたけど。

先生が、ある有名なチェンバロ奏者に習いに行ったときは、全部自分でレッスンの構成を考えて持っていったそうだ。
そうかあ。演奏活動や音楽番組の司会、そのほかとても忙しい先生は、一人ひとり弟子のレッスン内容まで考える余裕はないんだな。

あたしの先生だって、演奏活動いっぱいしてるよ。
チェンバロだけじゃなく、ピアノも教えてるそうだ。
・・・あたしが「また通奏低音を教えてください」と、タイミングをみて言わなきゃいけないんだろうか。
時折、新しい曲を仲間に紹介されると自分で数字譜を弾いてみて「ああ、まだ忘れてないな」と自己満足してるけど。

あ、そうだ。元はといえば、ラモーを習ってるときに、鍵盤を強く押し込む癖が抜けなくて、その対策としてスカルラッティを与えられたんだった。
その1曲めがすごくよくできてほめてもらって、次から次にスカルラッティをやる気でいた。
でもきのうのスカルラッティの曲も、悪いタッチの癖が出てしまって。
そのほかにも、同じ注意点を十回も言われてるのにどうしても直らないなあ。

タッチが直ったら、ラモーに戻っていいんだろうに、もうすっかりそんな都合を忘れてる。
自分が、ラモーを美しく弾きたくて習いに行ってたはずなのにね。

で、時間がきて、先生からスカルラッティのテキストを手渡されて。
同時にレッスン料値上げのお知らせのプリントも付けられ。
思わす「えーー」と言ってしまったが、後でよく読んだらたった300円上がるだけだった。しかも来年から。

なぜ、そのタイミングで言われたのだろう。
「よはねすさん、最初はすなおに言うことを聞いてくださったのに」
先生が教えてくださることを、このごろはあたしが否定するようになった、という。

ものすごくびっくりした。
そんなつもり、全くない。心から尊敬しているし、優しく教えてくださっているのも感謝している。
先生みたいに弾けるようになりたい、っていつも思ってる。
なのに、そんなふうに先生に感じさせていたなんて。
申し訳なくて、じわっとくる。
泣いていると思われたくないから、すすらない涙が鼻から落ちそうになり、ハンカチで押さえる。

「泣かせちゃって、ごめんなさいね」と先生も優しく言ってくださるけど、止まらない。

最後まで一部始終録音してあるけど、聴き直すの辛いなあ。
レッスン時間、15分も延長したよ。
次の生徒さん、部屋の外で待ってたけど、不審に思っただろうなあ。

本日のオマケ

こんな気分で、お酒を飲んじゃいけないかもしれないなあ。
これで飲むお酒はヤケ酒になってしまわないか?
でも、せめて気分回復の薬になってくれたら。

前日開栓したワインの続きをば。

切って並べるだけ、料理とはいえないズッキーニのカルパッチョは大好き。

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コメント

  1. じゅん より:

    実は長年「先生」をやっているので、分野は違うけど、わかる部分があって、
    先生ばかりが質問していて、よはねすさんは質問してない?
    どうして収斂した方がいいのですか、とか、そこはどうやったらうまくなるんですか、とか、質問しないと。
    先生が質問するのは、よはねすさんがどこが困ってるのかわからないから。でも、よはねすさんは自分の知りたい答えを得るための質問のしかたがわからない、これ、あるあるなんです。質問のしかたがわからないのが生徒、私の場合、これに気づくのに、先生始めてから10年は必要でした。
    今の曲にOKをもらって次の曲に行きたい、ほんとはラモーがやりたい、というのをかなえてもらえないのが不満なら、先生をかえるしかないです。先生もなんとなく、それに気づいているような気がします。
    今の先生はたぶん、今の曲を極限まで高めたいんだと思う。そういうタイプの先生。でも、趣味なんだからこの程度で次に行ってあげよう、と思う先生もいるでしょう。

    • よはねす よはねす より:

      とても参考になります。確かに、質問の仕方がわからないですね。大体、自分が弾けていないところに気づいてもいなかったし。

      ラモーがやりたかったのは事実ですけど、そのために与えられたスカルラッティが思いのほか楽しかったので、ラモーのことを今は忘れていました。
      ずっと今の先生について行きたいけど、困らせてしまってあたしも辛いけど先生もお辛いんでしょうか。じゅんさんなら、その辺りの機微がおわかりになるのでしょうね。

      先生は「もっとできるはず」と、よくおっしゃいます。あたしも、先生みたいにうまく弾けるようになりたい。でも、同じ事を何度も注意されても直らない。
      練習時間が足りないのか、やり方が悪いのか。
      悪い癖を直すためにスカルラッティを与えてもらったのに、結局同じ。「どうして収れんしたほうがいいのか」と聞いてしまっていいんですか。確かに、それを聞かずに逆らってしまってましたね。逆らいたいときには、理由を聞いてみることにしますね。ご助言、どうもありがとうございます。