1日1種目三回戦　part3

先日の市民オケは、楽器当番だったので早めに行かなくてはならなかった。

朝から楽器を背負って行けば、時間は1時間ほど節約できるけど、夕飯を外食する必要も出る。
あちこち移動するのに楽器は邪魔だし重たいし。
いったん自宅に帰ってビール飲んで、靴もサンダルからスニーカーに履き替えて楽器背負って、30分でまた家を出た。

あたしより先に、団長もコンマスも来ている。
責任が重いから遅刻しないようにしてるのかと思ってたけど、それだけじゃないな。
二人とも車で来るから、渋滞に備えて早めに来てるんだろう。

コンマスが弓専用ケースを開けて、仲間に見せている。
直前に自宅で練習していたら、突然ポッキリ折れちゃったんだって！
ぶつけたわけでもないので、長年使った末の疲労骨折みたいなものらしい。

もちろんコンマスたるもの、スペアの弓もあるけれど。
メインが折れたのはかなりの痛手。
実は今までにたくさん持っていたのだけど、整理を進めて今2本しか残ってないんだって。

団内にいるもう一人のコンマスは、音楽教室を主宰してるので楽器商と付き合いがある。
その人に以前相談したら、ろっぴゃく万円の弓を紹介されたんだって。

え。本体でもびっくりのお値段なのに、弓だけで？
弓作家の名前も言ってたけど、あたしには花の名前だか料理の名前だか全然わかんないよ。

ひとしきりぼやいたあと、あたしに向かってコンマスがいきなり謝る。
「先週はごめんねえ。あそこ、突然言われたら全く弾けなくて」
ああ、あれ。あれはカワイソーと思いましたよ！

指揮者から、ファーストバイオリンが難しい箇所を「N田さん一人で弾いてみて」と言われて。
コンマスN田さん、弾こうとしたけど全然弾けなかったんだ。

自宅で弾いてみたらいつものように普通に弾けたんだって。
あの時、その部分だけ取り出したらできなかった。

そこへ、指揮者もやってきた。
コンマスが指揮者にも謝る。
「先生、こないだはすみませんでした」

あたしはてっきり、コンマスが弾けてないのを見抜いて意地悪で弾かせたのかと思ってた。
違ったんだ。「みなさん、このように弾いてくださいね、と言おうとしたのだけど、仕方なくてコンマスでもこんなに難しいのだから皆さんよくさらってくださいね、と言うしかなかった」
あたしは横から指揮者に「おうちでは普通に弾けたそうです」って言ってあげたけど、誰もリアクションなかったな。

そうこうしてるうちに、楽器トラックが着いた。
おしゃべりをやめて駆けつけて、下ろされたティンパニを階段で3階まで運ぶ。
手が真っ赤で、息も絶え絶え。もう今日の練習できないんじゃないかってほど疲れる。
いつもシンバルとか小物しか持たない人いるよなー。ずるいのか、わけでもあるのか。

あたしのお隣さんは、めちゃくちゃ上手い人。
先週は彼が休み、その前はあたしが休んだので3週間ぶりに並んで弾いた。
あたしが休んだ時の注意事項や変更があった箇所を、あたしの楽譜に書き写してくれる。
あら、この人指が細いんだわ。皮膚もなめらか。でも爪はやたら深爪。今切って来たのかな。

上手い人と並ぶと、音楽の表情がくっきり伝わってくるから、とても楽しいよ。
いつも静かに弾く人だけど、もう本番が近いからかなあ、たくさん動いてくれた。

本日のオマケ

なす、ズッキーニ、プチトマトなど夏野菜が届いたのと、2週間前の長ねぎが残っていたのでまとめて坦々スープ。

いただきものの細うどんで、ししとう・ちりめん醤のピリ辛まぜ麵。

調味料の量がよくわからず、勘で白だしを使ったら多すぎた。

じゃこの半分ぐらい、取り除いてやっと食べたよ。せっかくのおいしい麺に、申し訳なかった。