極めたい人、極めたくない人

音楽

常々、ブラームスが好きだードヴォルザークが好きだーと言ってるから。
バッハ命のメイからしたら、あたしがバロックには興味が無いように思われている。
ほかの仲間からも、そうだな。オケでも室内楽でも、そもそもバロックの話題になることが少ない。

今回の合宿で1曲エントリーしたのはバロック音楽の「マルチェッロのオーボエ協奏曲」。
「へーバロックも好きなの?」という反応をされるのは心外だけど、ちょっと面白くもある。
だからチェンバロ習ってるんじゃない、というとやっと皆さんハッと「あ、そうか」と気づいてくれる。

今回のオーボエ協奏曲で、あたしは通奏低音(伴奏の中でも一番小さく低い音)のチェンバロが弾きたい。
主役はあたしじゃなく、オーボエさんだよね当然。
昨年オーボエ四重奏をエントリーした時も、この人が吹いてくれた。同い年の、楽しい男性だよ。

四重奏ならば、何も問題はなかった。

今回、チェンバロと合わせるためにこの人が難しい要望を出したようで。

オーケストラのチューニングでは全員がオーボエの音程に合わせなければいけない。
オーボエは、そもそもリードが442ヘルツしか出せない状態で売られているってどこかで読んだ。ほんとかいな。

なので、合宿で使うチェンバロは440ヘルツで調律されているのがオーボエにとっては我慢ならない。
あたしは2ヘルツの違いなんか聞き取れないから、どーでもいーと思っているんだよ。
オーボエさんが440ヘルツと442ヘルツを同時に鳴らして、「こんなにうねりが出る」という録音をメールに添付した。
チェンバロ持ち主さんが困って幹事団に相談しているうち、オーボエさんがヒートアップしてきちゃって。

どうなったか結論がシェアされないまま当日を迎えて。
エントリー者のあたしが進行役をするのが本当なんだろうけど、音楽の主役はオーボエ。
ってことで、彼が進んで進行役をしてくれて、助かったよ。

何もかも終わったあとで、あのチェンバロは彼の願いどおり442に調律されていたと知った。

ところで、幹事が設定してくれたスケジュール以外に、短時間の自由枠もあって。

「バロック楽器を持っている人は持ち寄って、415ヘルツで演奏しませんか」という人がいたの。
興味を持つ人は少しいたけど、参加したい人はメイを含んでほんの数人。
あたしはモダン楽器しかないけど、調弦だけ415に下げて参加させてもらったんだ。
メイは弓だけはバロックボウを持っている。

で、とっても和やかにいい雰囲気で楽しく終わったのだけど。
「調弦が心配で参加しなかったが来年はやりたい」ってメーリングリストに入れた人がいたのね。
それに乗っかって、あたしが「来年は鍵盤も415に切り替えてもらって使わせてもらえたらいいな」という意味のことを書いたら。
オーボエくんから個人的に、「よはねすさんは勘違いをされているようなので」というメールが来た。

「今回、チェンバロは無理を言って442に調律してもらった。
すると、ワンタッチ機構を使っても417にしか変更できないんですよ。
今回幹事さんが悩まれたのはその部分であり、415で演奏したいなら電子チェンバロを」ってね。

すれ違うなあ。
415を提案してくれた人はどう思っているか知らないけど、あたしは415でも417でもどっちでもいいと思ってる。
そう言ったら、勘違いではなく「本質は理解してるとわかり安心しました」って言ってもらった。

で、一件落着かと思ったらまた違った。

あの美しいバロックバイオリンを持ち込んでくださった方が、
「415でも442でも、様式を整えることが重要、モダン楽器ではだめだ、少なくともガット弦を張ってバロック弓を使わなければ」
とメーリングリストに入れられて。
鍵盤は415の電子楽器で十分だって。ようわからん。
「弦楽器は、調弦を替えるよりそこにあるバロック楽器を使うほうが便利で簡単です」
というのは、この方が何台もバロック楽器をお持ちで持ってきてくださったから実現したのよ。
大変ありがたく使わせてもらったから、何も文句など言えた義理ではない。

凝ったことしようとすると、上には上がいるもんだね。
言わずにいられないだろうね、知識がたくさんある人は。
でも、主催してくれたあの人、悩まないかちょっと心配。
彼女は吹奏型電子楽器を持っててね、去年はそれでファゴットの音色で通奏低音を吹いてたんだよ。
だから電子楽器に抵抗はないかも。
あたしだって、電子チェンバロを買いたいと思ってた時期も長かったから。
旅先でのほんのひとときに、電子チェンバロで遊んでもじゅうぶん、と思ったほうが良さそうだな。

とは言っても。
あー、めんどくせー!!

本日のオマケ

変わった模様のついたズッキーニがありまして。厚揚げとひき肉で炒める、というレシピを見て厚揚げを買ってきたが、ひき肉を買うの忘れた。

肉の代わり・・・考えたら、きのこのレトルトがうちにあった。味付けまで任せられちゃう。

なんだかよくわからない味になった。

しまったなー。せっかくお酒が飲める日だったから、ズッキーニはカルパッチョにしておけばよかったな。坦々あじは、このお酒とちょっと合わなかった。

にほんブログ村 クラシックブログへ にほんブログ村 シニア日記ブログ 女性シニアへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 一人暮らしへ

コメント

  1. じゅん より:

    今は機械で周波数測れるけど、昔はどうしてたんでしょうね?
    昔の人の方が絶対音感少なかったんじゃないかと思うんだけど。
    うねりとかも自分の耳でわかる人ってどれくらいいるのか。。。
    でも、オーディオ機器とか少し凝るタイプなんで、わかるところはあるんですが。

    • よはねす よはねす より:

      そうですねえ。機械がなかったころ、バロック時代はその時によってけっこういろんなピッチで演奏していたと聞いたことがありますよ。
      うねりは、オーボエさんから「ほーらね」と送ってくれた動画ではハッキリわかります。
      https://www.youtube.com/shorts/ppSwCpPoacQ
      でも、こうやって音をのばせば唸るけど、実際の演奏では唸るほど伸ばす場合は弦が自然と合わせちゃうと思うんですよね。

      オーディオお好きですか。あたしも若いころはアンプは山水でチューナーはケンウッドとかやってましたけど、大きな音はどうせ出せないので、もうやめちゃいました。
      じゅんさん宅は戸建てでしょう、いいなあ。

      • じゅん より:

        うねりってこういうものでしたか。納得。
        私はスピーカーは買わずに高いヘッドフォンを買います。

        • よはねす よはねす より:

          そういえば小学校高学年のとき、ステレオセットにヘッドフォンがオマケで付いてきました。もちろん親が買ったものですよ。圧迫感で頭に付けていられなかったのはあたしの頭が大きいせいだと思ってました。高いものなら長時間聴けるのかもしれませんね。
          イヤホンも、いっときパッドを変えてみたりしましたがどれも全く耳に合わず。それは20年も前のこと。今は進化してるんでしょうねえ。

  2. うなゆき より:

    ああ〜 全く分らん
    イヤ、言ってる事は分かるけどサ
    理科の実験じゃあるまいし…
    でもさ、コンサート前のラの音合わせ、深い意味があるんだなぁ
    オーボエの、音
    コンサートマスターが立って鳴り響かせる音
    アレを聞く時が一番、心トキメク時間でござるヨン

    • よはねす よはねす より:

      ごめんなさい!これがわかる人少ないと思うし、あたしもうまく説明できないとわかってはいるんですが。
      だいたいね、オーボエ吹く人は神経質って決まってるんですよ。そうなるわな、こんな楽器を扱ってたら。
      で、このブログ読んでくれてる人はわかるでしょうけど、ものすごく大雑把。
      そんな対局の個性が集まって合奏するのは面白いけど、どっちの立場も大変だあ。

      ね、あの開始の合図の音。緊張、高まりますよね。
      聴く立場ならワクワクなんだけど、奏する側は血圧上がる時間なのです。