ストピ弾いてきた

昭和話

引き続き、予定がない。本を借りに行くのと、ゴミ出しぐらいだな。

天気もいい。そうだ、こういう時にこそストリートピアノが弾けるか、行ってみよう。
さほど遠くない駅に最近設置されたのに気づいたの。

後日見に行ったら、朝10時から夕18時までしか触っちゃいけないことになってた。
そのときは平日朝10時、もう先客がいて、あたしと同世代ぐらいの男性が弾いてた。
待ってる人こそいなかったけど、待ち行列用のベルトパーテーションが用意してあった。
プレッシャーかけるの嫌いだし、そうでなくても鑑賞させていただくほどの曲も弾いてない(失礼)ので回れ右で退散。
でも、うしろにしゃがんでずっと聞いているおじさんもいたよ。
1曲弾くごとに拍手してあげてた。

あたしが今回現地に着いたのは11時ぐらい。
よしよし、誰もいない。
急に思いついたから、歩きながら「今楽譜なしで弾ける曲なにかあったっけ」と考えてた。
エリーゼのためになら大丈夫、いつでも弾ける。
中学3年、習ってたときの最後の発表会で弾いたシベリウスはまだ覚えてるかなあ。

ヤマハのアップライト、新品ではないけど、うちのよりはぴかぴかだ。
後ろを通るお掃除のおばちゃんが映ってみえる。
とりあえず、シベリウスの「孤独な松の木」をゆっくり弾き始める。
中学生当時、この発表会が終わったら習うのやめると決めていたの。
発表会に出るのは嫌いだけど、最後だから記念だと思って出た。
与えられたのはシベリウス2曲、習ってなかったら誰も知らないような静かな曲で、がっかりした。
最後なんだから、もっとド派手な曲がよかったなあ。

でも、中学生には理解できなかったこの曲が、大人になったらだんだん良さがわかるようになってきた。
ラジオでも、たまには耳にするようになった。
プロがさらっと弾いてしまうのが残念で。
昔習ったように、どうしてもっと感情込めて弾けないかなあ!
しかし、いくら感情込めて弾いても、お掃除中のおばちゃんが足を止めてくれるほどではなかった。

次、エリーゼのためにを弾こうとしたんだけど。
なぜか半音下にずれて指が勝手に弾き出したのは、ショパンのワルツ。
ああ、これ好きだったなあ。指が覚えてくれている。作品69の1。
残念ながら展開部までは指が進まず、すっ飛ばして終わりを弾いた。

次こそエリーゼ。この曲が3拍子だって気づいたのは、わりと最近でね。
何十年も、拍子感わけわからず弾いてた。
で、3拍子をうんと強調して弾いてみたかったの。
中間部はこれまたうんと感情込めて、情念たっぷりおどろおどろしく。

「制限時間ひとり10分」って書いてあったけど、誰も待ってない。もういっちょ。
湯山昭作曲、その名も「ジャズ」っていうの。
昔、NHK教育テレビで「ピアノのおけいこ」って番組があってさ。ほかの番組が全部カラー化したのに、この番組だけずうっとモノクロ放送だったよ。
そのテキストを1冊だけ持ってる、自分で買ったのか親に頼んだのかは忘れた。


日本の曲、現代音楽、とにかくなかなか他で見たことない珍しい曲がいっぱい入ってる。
湯山昭さんより、その娘の湯山玲子さんのほうが一般には有名かしら。

ジャズが好きになったのは、たぶんこの曲の影響。
子供にもわかりやすいジャズの和音を使って、リズムもそれほど複雑じゃないけど、昭和中期の子供には新鮮な音楽だった。
弾き終わって、さ、これで帰ろ。と立ち上がったら、後ろからパチパチパチっと拍手が起きた。
飛び上がってびっくりしたけど、振り向いたら同世代アラカンぐらいのご夫婦らしいお二人がニコニコしてこちらを見てる。
あ、ありがとうございます!

ダンナさんが奥さんに「いいねえ」って言ってるのが聞こえた。
「いい曲だね」っていう意味か「弾けていいね」なのか「聞けてよかったね」なのかわからないけど、うん、なんでもいいよ。うれしいよ聞いてくれて。

誰もいないと思って弾いてたから、度胸はほとんどつかなかったけど。
今度は、もうちょびっと練習してから弾きに行くね。

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コメント

  1. にゃんた より:

    わー、カッコいい。
    いーねー、ピアノ弾けるって。
    楽器出来る人は尊敬してしまうな。

    予定ない日はストリートピアノを弾いてもいい日って名前になるね

    • よはねす より:

      いやあ、ねこ好きにゃんたさんなら、ねこ踏んじゃったを5分練習すれば弾けますって。
      え、踏めないからだめ?
      そうですね、予定がなくて天気のいい日はストピの日。練習しとかなきゃ。