余は如何にして仕事を辞めしか

はああ。幸せ。

最近、好きなことしかしてない。

図書館から借りた本を読んで、楽器の練習して、
お菓子とビールみたいな,いい加減ご飯食べて。

夜中は眠れないタチだけど、昼間コンサートでも行く用事がなければ家で昼寝すればいい。これがまた、気持ちいいんだ。

久しぶりに平穏だ、なぜだろうと考えたら。
天気が悪いから、洗濯と、掃除と、入浴をサボり続けてたからだ、と気づいた。

どうも、この三つは嫌いとまではいかないんだけど、なければないに越したことはない。
その分の余った時間で、音楽のことを考えていられる。疲れたら本を読めばいい。

勤めていた時の習慣で、洗濯は週一度、土曜日だけと決めてる。
決めないと、何日でも同じタオル使い続けてしまいそう。

今日（土曜）は雨だから洗濯をサボったけど、明日は晴れ間があるらしいから洗濯は明日に回した。
あしたは忙しいなあ。洗濯したら早めの昼ご飯食べてオーケストラの練習に行く。
帰ってきたらすぐ夕ご飯。きっと汗だくだから、風呂に入るでしょ、そしたらもう何にもやる時間残ってないよ。
ブログぐらい書く時間あるかな。

仕事は、嫌いじゃなかった。ただの事務員だから、辛いような仕事は与えられない。
イヤな奴からのイジメは無視する。そうしても、ほかの人はみんなあたしの味方だから平気だった。
それで給料もらえるんだもの、恵まれてたな。

ただね、残業もないのに、仕事から帰ってきたらもう楽器練習する時間残ってないんだ。
これが唯一、辛かった。
そのために東京に引っ越して、通勤時間を節約してその分だけ練習できるようになった。

しかし、それまで通勤時間は読書に充ててたんでね。
今度は本を読む時間がなくなっちゃった。

せっかく会社の近くに引っ越したから、定年延長するか迷ったよ。
お金は、いくらでもあった方がいい。お金大好き。
でも、60歳以降の延長雇用は給料ガタ落ちですよ、ウチの会社も。

少しのお金をもらいながら、毎日「時間ない～時間ない～」と眉間にシワ寄せて生きるか。
お金ちょっと減るけど、好きなことに時間を使うか。

そんな時、更年期症状でもあるんだろう、体中が痺れたり痛かったりで楽器が弾けなくなっちゃった。
整形外科、カイロプラクティック、いろいろ行ったけどなかなか原因がわからなくて。
1年は我慢しながら弾いてたけどほんとにムリになって、2年ぐらい休んだかな。

やっと病名がついて、高いクスリを使ったらすうっと腫れやこわばりが引いて、弾けるようになったの。
もう、遠慮したり迷ったりしてる時間ない。
生きてるうちに、やりたいことやっとかなきゃ。

会社がまたちょうど経営具合が悪くなってね、退職金割り増ししてくれるというので渡りに船。
万々歳で辞めました。
今も、調子が悪い時は指が曲げにくい時もあるけど。
オーケストラなど3時間ぐらいの練習に参加したら、そのあと手が使い物にならないけど。

時々、「もっと早く辞めるべきだったかなあ」と思うこともある。
それぐらい、今が幸せってことだね。
でも、割り増しのお金がもらえるまで頑張ったから、もういいじゃん。

仲良しの同僚たちは、あたしが辞めることが理解できないみたいだったけど。
給料が減っても、ゼロよりはいいからと言ってね。
中には、あたしよりアクティブに遊ぶ人もいるけど、土日だけでいいんだって。

あたしは、仕事がゼロになったのに、ヒマな時間なんてないよ。
定年前後についての本はどれも「ヒマ」を恐れることばかり書いてあって脅かされたけど。
せいぜい、昼寝しようと思えばできるって程度のヒマならできた。

ほんとは、もっと時間が欲しい。いまだに時間に追われてる。
よっぽど、何事も準備が悪くてのろいんだろうなあ。
仕事は遅い方じゃなかったんだけどなあ。

他の部署の仲良し同僚から時々内線電話で質問が来て、答えるんだけどさ。
「わざわざ電話するより、あれ調べたら？」って言ったら
「よはねすに聞くと即答してくれるからその方が早い」って舌を出すんだよ。
縁を切りたくなったわ。

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