ハピバto me

おでかけ

先日、あたしの誕生日だったのね。
あたしは自分のことが大好きで。クリスマスより夏休みより、なんたって自分の誕生日が一番うれしい。
さすがに還暦を越えてからはあんまりうれしくなくなってきたけど。

63歳というのは、あたしにとって少し特別な年齢。
だって、とうとう年金がもらえるんだもん。うれしさが少し増した。

実際に入金されるようになったら、ブログの副タイトル「プレ年金生活」の旗を降ろさなきゃいけないか。
でもそれは、厚生年金の老齢特別支給の部分。
65歳になるまでは受給するけど、そのあとは繰り下げして、またしばらく無収入に戻るつもりだよ。

あたしと妹は、それぞれの誕生日の記念に二人でお出かけすることにしている。

今年あたしがリクエストしたのは、「いわさきちひろ美術館」に行くこと。

あたしは小学校、いや幼稚園のころからお絵かきが苦手。
図工の時間は毎週悩んだわ。
父は油絵が趣味で、お絵かきが大好きだったのにあたしにはひとかけらも遺伝しなかったな。
学校では水彩画と決まっている。水彩画だから父のように描けないのかな、なんて考えたこともあった。

が、あるときいわさきちひろの水彩画を見て、驚いた。
同じ水彩絵の具なのに、なんだこれは。どうしてあたしはこういう絵が描けないんだ。

かなり経ってから、彼女の絵の具は小学生のとは違う種類の「透明水彩絵の具」だと学校で教わって、謎は解けた。
でも、いわさきちひろの絵への憧れは消えなかった。

彼女の美術館があるらしいと知ったけど、安曇野まで行くほど強烈な憧れでもない。
練馬でさえ、億劫だ。
しかし、半世紀以上気になってるので、ついに行ってみることにしたの。うん、練馬のほうに。

妹とお出かけするならば、お食事がつきもの。
お食事がメインのことのほうが多いな。
今回、駅前のイタリアンレストランを妹が予約してくれてね。

まあ、その前の道のりが珍道中で、それが一番強烈に楽しかったかも。

待ち合わせはJRのホームだけど、何号車かまでは決めてなかったから、ホーム上を端から端まで走ってやっと巡り会えたり。
いやー、東京のJRホームって、なんであんなに長いんだ。
あたしたち田舎者は無駄に振り回される。

何度も乗り換えたが、最後の路線は進行方向が逆だった。
一駅先で乗り直し、レストランの予約時間ぎりぎりに間に合った。

美術館はその日、学芸員さんのトークがあったんだよ。
「1970年に何があったか、わかりますか」と問われ、あたしは「大阪万博」と答えたんだけど。
それもあるけれど、正解はベトナム戦争が始まったんだと。
赤っ恥~。
いわさきちひろって、ほのぼのした子どもを描くイメージしか持ってなかったの。
この美術館は全体で、反戦を強く強く訴えるところだったのね。

そして、ちひろさんの絵が思ったよりずっと少ない。
ほかの人の、戦争の悲惨さを描いた絵が大部分だったのは思ったのとかなり違ってたよ。
もちろんあたしだって戦争は大反対だけどさ、もっと美しい絵をたくさん見せてほしかったな。

帰り道、あたしはまた電車を乗り換え乗り換え妹と同行するつもりだったけど。

途中の駅から都バスで、我が家まで1本でたどり着くのがわかって、妹もいっしょにうちに来ることになったよ。

ランチをたっぷり食べたので、うちでは軽く飲んでつまむ程度。
スピネットの実物を妹が見るのは初めて。突然ベートーベンのトルコ行進曲なんか弾き出したのには驚いた。
ハ長調に編曲されたやつだけどね。
バイエル終了程度までどうにか習ったあとはほぼ弾いてなかったのに。

で、スピネットのフタを開けたり閉じたりして、外への音漏れを確認できた。
こればかりは一人では確認しようもないから、助かったよ。

本日のオマケ

メニューはQRコードから読むやつで、いろいろ個人情報を登録しなきゃいけない。そして、食べたいあれもこれもみんなsold out。

別のテーブルの七十代と思われるご夫婦、大丈夫かしらん。

結局、店員さんに口頭でお願いしたらsoldoutメニューの中にも作れるものがあった。そして、すべてすばらしく美味しかったよ。

乾杯のスパークリングワインは写真なかったー。

おいしかったな、と会計を頼もうと思ったら妹がそわそわ。なんと、予約時にプレートを頼んでくれたんだって。

せっかくサプライズにしようとしたのに店員さんが全く気を遣わない人で。仕方なく妹が小声で「プレートを」と言って、やっと持ってきてくれた。

でも、「写真撮りましょうか」と言ってくれて、ツーショットをきちんと撮ってくれた。

顔出しできないのが残念だ。あたしって假屋崎省吾だったのね、というのが写真を見た感想。彼は同い年と勝手に思い込んでいたが、今ググったら4つも上だった。そしてここ石神井が生まれ故郷なんだってね。細い細い縁を感じたわ。

オマケのオマケ

我が家での飲み直し。いっしょにスーパーに寄って、缶ビール1本とこれだけ買ってきた。

このあと、妹は遠慮してたけど義理甥からいただいたワインも開栓したよ。もうお腹いっぱい。この後は何も口にせず、寝た。幸せな一日であった。

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コメント

  1. じゅん より:

    お誕生日おめでとうございます!

    石神井って西武新宿線ですよね。文京区に住んでたときは東西線で高田馬場に出て乗り換えたけど。。。JR使った覚えない。
    ベトナム戦争に関する本を翻訳したことあるけど、始まりが1970年とは書いてなかったなあ。その前からもう始まってたことになってた。まあ、始まりも終わりもぐだぐだでしたけどね。
    絵は身近にやってる人がいると、かえって描けなくなるのかもしれませんね。私はまわりに絵を描く人いなかったので、自分の好きなように描いてましたね。

    • よはねす よはねす より:

      妹と待ち合わせる都合で、高田馬場までJRを使いました~。
      じゅんさん、翻訳家でらしたんですね。すごいなー。1970年は、アメリカがベトナムの内乱に介入した年だそうです。それが大悲劇の始まり、という意味のようですね。

      絵は、好きなようにと言われても描きたい題材がなくていつも困ってました。それこそ幼稚園の頃から。仕方なく、お友達の絵を横目で見て、空に赤い太陽、地面を茶色で塗って緑の草とチューリップ、女の子というワンパターンしか描いたことなかったです。つまんなかったー。