室内オケの、前回の練習で、ひどく不愉快な思いをしたの。
電車が止まった影響で人数が少ししかいなかったせいもあって、指揮者からあたしが個人攻撃されてさ。
管楽器ならば、個人への指摘は当たり前なんだけど。
二十代からずっと親しんできたオーケストラはかなり大規模で、弦楽器への注意はパート全体に向けたものしかない。
その状況に慣れきって、甘やかされてたのかねえ。
あたしがその場でわかりやすく不機嫌になったのを後日カズちゃんから指摘されたな。
別に非難でも慰めでもない、ただ事実に触れただけだけどね。
以前にも、指揮者が「大きい音を出すにはなるべく弓を駒に近づけて弾くのだ」と言われたことがある。
二回目にはあたしも穏やかに反論したのだけど、大好きなファゴットおじさまから「黙って聞き流しときゃいいんだ」と後ろから独り言めかして言われたりして。
で、前回は「言われるだろうな」と思ってたから、最初から駒の近くで弾いていたのに、言われた。
ああ、これは、音を聞いて指示してるんじゃない。練習に来る前から「今日はこれを指導してあげよう」って予定してるんだな。
しかも、はっきりとあたしひとりの顔を見つめながら言うんだ。
パートトップさんがいなかったから仕方ないっちゃ仕方ないけどさ。
あたしの後ろのカンカン君(って、あたしより少し年上だけど)には全く注意を払ってない。
で、皆さん、駒の近くで弾くとどうなるか、知ってる?
「大きい音」というより、「刺激的な音」になるんだよ。
指揮者や作曲者が、刺激的な音を求めているならばもちろんいいんだ。
でもこの箇所は、そうじゃない。指揮者も「それでもっと美しい音で、歌うように」などと言われる。
どうしたらいいんだ、って顔をしたら「ビブラートをかけなさい」だと。
思い切り大きくユラユラとビブラートを掛け、刺激的なキーキーする音を大きく出したら管のみなさんから失笑が起きた。
カンカンも後ろから、「駒の近くでいい音なんて、聞いたことがない」って加勢してくれたよ。
でも、カンカンって常にマスクしてて滑舌が悪いのと、内容も分かりづらい言い方が多くてね。
彼が何を言っても、ほぼみんな無視するの。
あたしがあまりに憮然としていたら、練習後に指揮者が話しかけてきた。
「もしかしたら、ボクが間違ったことを言ったかもしれない。少し、考えてきます」
はい、と憮然としたままうなずいた、のが前回ね。
今回の練習でも、その箇所で頑張ってキーキー弾いたら、指揮者の発言があった。
「前回ボクは駒の近くで弾くようにと言ったけど、あれは間違いだった。
実はボクの息子はチェロが専門で、彼に聞いたら『駒の近くで弾くのは、音質を強くする時である。美しい音が欲しいときは、むしろ駒から離れた場所を弾くのだ』と言われた」
あたしは、内心「今ごろわかったか」とは思ったのだけど、「あら息子さんチェリストなの!」っていうニコニコ顔を作ったよ。
普段は思ってることがぜーんぶ顔に出るあたしだけど、ごまかせたかなあ。
そしたら、カンカンが珍しく大きな声を出した。
「だからボクこないだ言ったじゃない、それは違うよって」
一応、みんな耳は傾けるけど、やっぱり無視、無反応。
でも、ま、あたしの機嫌はやっと直った。
あのままだったら、もうここの活動を続けるのは辛かったよ。
休憩時間になって、あたしが席を離れたら遠くで指揮者とあたしのお隣のトップさんが話してる声が聞こえてきた。
なんか、あたしのこと言ってるみたい。
トップさんが「うん、リズムはしっかり弾いてくれてる」というところだけ聞き取れた。
トップさんはすごく上手。音程はいつも完璧。
でも、楽譜のリズムだけ、よく読み間違うんだ。
普通はパート員はトップに合わせるものだけど、あたしは間違いとわかってたらそのまま弾くことができない。
逆らって、正しいリズムでいつも弾いちゃう。
そんなあたしだもんだから、機嫌を損ねるとよはねす辞めちゃうかも、なんて話してるのかなあ。
こんな扱いづらいあたしだけど、なにしろ人数が少なすぎるものだから、辞めないでもらいたいんじゃないかな。
休憩が終わって、次の曲ではオーボエさんのD子さんがつかまった。
管楽器は一人ずつ違うことを吹いてるから、個人攻撃になってしまうのは仕方ない。
しかし、その指摘の仕方がねえ。
「ここはこうやればいいと思ってるでしょ」と、笑いを含みながら指摘される。
でもD子さん、ちっとも反抗的じゃないの。
「ううん、思ってない。こうだからこうした」って、少し悲しげなドラ声(それが地声なの)で素直に言うだけ。
ああ。感じてることって、顔もだけど、声に出るよなあ。
あたしも、感情が楽器の音にはっきり表れたことだろう。
練習が全部終わったら、D子さんがニコニコしてあたしのところにやってきた。
「はいっ」と渡してくれたのは、ジップで密閉されたビニールに入ってる鳥の羽根!
ああっ!ありがとう!!いいのぉ?
D子さん、一瞬で遠くに行っちゃった。
どうしよう。確かに、くれると言われてたけど、お礼を何も用意してないよ。
次回、またチョコボールぐらいでごまかして良いのかなあ。
もうちょっとなにか・・・どうも、こういうお礼の気持ちの表し方が苦手だ。
本日のオマケ

レタス類は高いけど、キャベツが安いね。
スピリチュアル系雑誌「ゆほびか」の古い号の特集「フライパンキャベツ」で紹介されていた「キャベツと厚揚げのチャンプルー」を作ってみた。料理研究家藤井恵さんのレシピだよ。
チャンプルーの定義って、なんだ。豆腐を炒めたら何でもチャンプルーな気がするけど、削りぶしも必須だったかな。あたしは原則として削りぶしを持ってないので、白だしでかつお風味だけ付けた。あとは沖縄コショウと言われるロングペッパーも、レシピにはないけどかなり多めに振った。
ガラス器に入れたのは、青ナスのオリーブ油炒め。
本には「トロナスのグリル」というレシピ名で紹介されているけど、グリルじゃなくフライパンでソテーするだけだよ。

ソテーして、厚めにスライスしたにんにくを挟んでオイルを掛けて・・・冷暗所で半日おいたらできあがり・・・って、作り始めてから気づいたから。オイルを掛けて30分後ぐらいに食べたけど、すんごくおいしかった!
青ナスって、加熱するとトロトロになるのねえ。そして1個が大きい。1個で二日は食べられるし、パンにのせたり小さく切ってパスタの具にしてもいいんだって。


コメント
ウフフン、他人の不幸は蜜の味って言うけどさ
よそ様の揉め事も、オモロイでござる
でも、きちんと謝った指揮者に一票ですよ
和ちゃんさんも大人や〜
あ、ニコニコ顔のよはねす先生には、0.3票でござる
なんやかんやで楽しそうな会や
ブログネタも提供してくれるしネ!
あいやーあたしには0.3票かー。ま、そんなもんでしょう。指揮者は「ボクが間違っていた」と認めたのはいいけど、謝りの言葉はなかったぞ。でも指揮者たるもの、そこまで卑下しちゃいけないのかな。
ほぼ愚痴なんですけど、オモシロイと言ってくださってホッとしてますよ。あんまり感じ悪くない程度に、これからも愚痴を吐かせてくださいませ。