とっても久しぶりに、長電話した。
音楽合宿で知り合ったN井さんが突然「お時間のあるときにお電話してもいいですか」とショートメールをくれたんだ。
不思議な人。LINEも普通のメールもしないで、ショートメールを使うんだよ。
ちょうど、楽器練習を始めたけど気が乗らずダラダラしていたところだったから、すぐこっちから電話をかけた。
N井さんの電話はかけ放題だそうで、かけ直してくれた。ありがたい。
用件はわかってた。
もうすぐ、彼女の合唱の発表会なんだ。
今月の予定を手帳に書き込んで、その日の電車の時刻まで調べてこないだ書き込んだばかりだった。
「今月でしょ。行こうと思ってたよ」と言ったら、とても喜んでくれた。
入場は有料だけど、チケットは出してくれるって。
ちょっと迷ったけど、これもありがたくいただくことにした。
もし逆の立場で、うちのオケに彼女が来てくれるなら絶対あたしもそうするからね。
で、あたしのオケ活動についても聞かれたんだけどね。
残念ながら、うちの演奏会の日は別の予定が入っているそうだ。
彼女は残念そうだったけど、あたしはホッとしたんだ。
だって、けっこう彼女のおうち遠いのよ。慣れない場所に来て貰うのが申し訳なくてね。
あたしは、彼女のおうちの近くにはなじみがあるの。
中学生ぐらいまでは、その近くのプールにしょっちゅう通ったものだったわ。
そんな思い出話から始まり。
お互いの音楽活動の話と、今年の合宿の話と、今度の合唱曲にまつわる本の話と。
その曲は、ブラームス「ドイツ・レクイエム」。
いやぁ、名曲らしいんだけどね、いくらブラームスが好きったって、そう簡単に聴きこなせる曲じゃないんだよ。
普通の人なら、きっと眠ると思う。あたしも寝る。
たった1節だけ、覚えたメロディがあって。そこだけふっと意識を取り戻す。
いかんいかん、こんなことではブラームス様に申しわけが。
と目に力を入れるのだけど、そのあとはやっぱりどうしてもまぶたが下りてくる。
でもN井さんは、昨年の合宿の時からその分厚い楽譜を持ってきて、新幹線の中で読んでたんだよ。
ハマってしまって、それまで入っていたアンサンブル団体は退団してしまったんだと。
そこまで惚れ込めるだけで、あたしは尊敬しちゃうよ。
彼女のダンナ様がまた、いつも彼女を応援してくれるそうでね。
「《ドイツ・レクイエム》への道」という分厚い本を買ってくれたんだって。
それはそれは詳しく、楽譜もたくさん挿入して解説してるんだそうだ。
読みたい!図書館で探してみたら、あった。303ページもあって、3900円!
ダンナさんも、きっといい人なんだろうなー。
昨年夏、彼女のアンサンブル演奏会を聴きに行ったときね。
ラプソディ・イン・ブルーを弾いたピアニストさん(プロ)と、アマチュアのチェリストさんとの三人で、ピアノトリオで遊んでいるんだそうだ。
うらやましい!あたしがピアノトリオで弾けるような曲は滅多にないんだ。難しいんだよ大体どれも。
今、メンデルスゾーンを練習してるんだって。これはもう、たまらないいい曲でさー。
メンデルスゾーンのトリオ、略してメントリ。
そのほか、ベートーベンの「大公」トリオは有名だけど、アレンスキーなんて名前しか知らない作曲家のトリオもあるそうで。
ショスタコも、っていうから「そんな曲もあるの」って聞いたら「え、一緒に合宿でやりました」と言われてしまった。
ああ!!そうだった。あれはチェロが入ってないから頭になかったわ。あのときあたしはピアノを弾いたんだよね。
そして、思いがけないことに。
「よはねすさん、よかったら今度ウチにいらっしゃいません?楽器持って」だって!
ええっ、いいのぉ?ヨダレ出そう!
彼女のおうちは一戸建て。ピアノもあるんだって。あれー?ピアノは弾けないって言ってた気がするんだけど。
ただし、今度のドイツレクイエムが終わってから。できたら季節の良いときに、って。
じゃ、夏の合宿より後ね。
どんな曲をやりましょうか。
二人しかいないけど、ショスタコのトリオもやりましょう。
ベートーベンのソナタ「春」の1楽章だけとか。
何曜日がいいですか、なんて具体的な話まで進みそうになったけど。
まだ、オケの予定が7月以降は立たないんだ。
じゃあ、合宿で合ったときに詰めましょうね。
合宿でやりたい曲は、まだあたしはノーアイデア。N井さんはもう決まっているそうだ。
バッハのオーボエとバイオリンのための協奏曲。
あーこれまたいい曲。このピアノなら練習したことあるよ。
N井さんは「わたしバロックしか弾けないから」と言う。
なんか誤解している。あたしだってバロック好きだよ。チェンバロ習うぐらいだから。
合宿ではピアノじゃなく、原曲どおり弦楽合奏が伴奏する。あたしもその曲に参加希望出すわ。
「え、いいの?ホントに?」と大げさに喜んでくれた。
なんだかんだ、1時間も電話しちゃった。
昔から、電話はすごく苦手だったの。特に長電話になっちゃうと、切りぎわがわからなくてね。
でも、きのうはとっても自然に「ではまずドイツレクイエムを頑張ってね」と、うまく切れたよ。
そして、さっそくあたしはベートーベン「春」の楽譜を引っ張り出して、練習を始めた。
本日のオマケ


きのうは一日雨だったので、すぐそこの美容院以外どこにも行かず、あるものだけで。
スナップエンドウと新玉ねぎのサラダ、元レシピはコーンを混ぜる。あたしはもっとボリュームを出したかったので、厚揚げを入れてみたよ。
後ろのブロッコリーの鉢もサラダだ。しかも新玉ねぎに加え紫玉ねぎの酢漬け。あるものだけって、少ーし無理があるね。
美容師さんも大体あたしの髪をやったあとにお買い物に行くのだけど、きのうばかりは絶対に行かないって言ってた。「あるもので何とかなるんですよね」って、二人で言い合ったのだけど。



コメント
まだ、一楽章が終わった所だけど、どこが良いか分からず
でも、二楽章は、穏やかでチョット波乱を予感させ、今日の陽気にピッタリ
今、三楽章の初めも明るくて良きです
でもさ、最近のレディは演奏以外にも容姿の項目があるの?
と思う位、お綺麗です
ピアノの女性なんて、その細い腕で大丈夫?って心配になるくらい
ドレスも美しい
うん、ビジュアルも大切ですね♪
あらっ、あたしと感想が違う。1と2がすごくよくて、3は聞かなくていいって書こうか迷ったのですよ。4もいいのだけど。1の冒頭、チェロに泣かされるんだけどなあ。もっといい演奏を見つけたらまたシツコク紹介しますぜ。
ほんと、このピアニストどなた?ってあたしも思って、お名前確認しちゃいました。バイオリニストは有名だけど、あとのお二人は寡聞にして存じ上げず。でも、才色兼備でうらやましい限りですね。
私もこの曲大好きです。PCのせいか、チェロの音が聞こえにくい感じですが、ちゃんとしたステレオで聞くと最初のチェロの音にぞくぞくしますね。第1と第2はメロディラインが美しくて、まさに甘美な旋律。後半も好きです。