演奏会本番、終演後。
打ち上げ会場の予約時間まで間があるので、ホールのロビーでダラダラと歓談。
冬に退団しちゃった、元運営委員の顔が見える。
彼女は退団の理由を「資格取得勉強、家事に注力のため」なんて言ってたけど。
あんなに熱心だった人が、そんなことでやめるなんて見え透いてる。
彼女が団の収益改善や規約改善に奮闘しているやり方に、厳しくケチをつける役員が一部いるの。
メンタル強いはずの彼女がメタメタにやられたのは間違いない。
今回、みんなの前に姿を現したのも、いつかは復帰したいからに違いないんだよ。
ひとり、「資格は取れたのか」なんて質問してる人がいて。
取りたい資格は実は何種類もあって、なんて本当なんだろうけど誤魔化しているようにも取れる。
その場にいた元コンマスは「オレも聞きたかったけど聞けなかったことを」なんて、笑わせてくれる。
その場から少し離れて、元コンマスがあたしに、、何て言ったんだっけ。
ショックが大きすぎて言葉は思い出せないんだけど、要するに「ボクも今日が最後、これで終わりにするから」と。
意味を分かりたくなくて、しばらく彼を睨んじゃったよ。
「きのう言おうかと思ったけど、言えなくてねー」
彼にも、理由はいくつかある。眼が悪くなったとか。
でも、一番の理由は、団の雰囲気がおかしくなってきたこと。
楽しむために来ているはずなのに、ひどく辛くなることがある。
4月に退団した元団長もとても明るい人で、いざこざがあると影で動いて問題解決してくれて。
団の雰囲気を作ってくれたあの人もやめ、この人もやめ。
元コンマスは、オケはやめるけど、団内の上手い人を誘って室内楽は続けるそうだ。
バロックが好きだから、オケではできないバッハなどの小さい曲も将来有志でやりたいねって。
彼は、打ち上げには出ないって。
団長と同じように、挨拶など無しで、そうっと消えたいみたい。
だからあたしも、ここで泣くわけにはいかない。彼、とてもいいムードメーカーだったんだよな。惜しい人が、またいなくなる。
これからも、音楽やめないでね、と互いに言い合った。
打ち上げ会場にて
打ち上げ会場が、やっと開く時間になった。
今回は焼き鳥屋だ。
テーブルが小さく分かれてしまう。
なんとなく、弦は弦、管は管で固まるよね。
あたしはクラリネットの仲良しさんと一緒に入店したけど、先に席についてたコンミスとそのダンナ様の四人がけテーブルに入った。
乾杯まで待てずに、隣のテーブルは始めてる。「これは乾杯の練習」
じゃ、あたしたちも練習しましょっか。
ほんの一口でも、喉が潤った。
コンミスたちも、多分知ってるよなー、と元コンマスの件を聞いてみた。
「多分」どころじゃなかった。ずいぶん前から、相談はされてたんだって。
それだけで、ショックの追い打ちだった。
ずいぶん引き留めたんだけど、意志は固かったそうで。
コンミスのダンナ様も弦のパートリーダーをしてるんだ。
そういうエライ人とは、普段あまり雑談をする機会がない。
あんまり、会話がはずまない。
そこへ指揮者が各テーブルを回ってくれることになってね。
四人で、指揮者を接待したというか。
今回の指揮者もお若くて、三十代前半。こんなシニアオケ、やりづらいだろうなあ。
先生、たくさんのオケを指導されてると思いますが、ウチのオケって、年代的には一番上の方ですか!?
なんて無理矢理話題にしたら、先生困っちゃって。
「そうですねー、まあ、割と上の方ではあるかもしれません」
コンミスやダンナさんも、頑張っていろいろ話題を出してくれるけど。
先生が他のテーブルに移られたあと、「指揮者も営業活動大変だね」と仲間内で言い合ったよ。
ダンナさんもあたしに気を遣って「そもそもウチのオケに入ろうと思ったきっかけは」なんて聞いてくれる。
自分の話を聞いてもらうのはうれしいね。
すべて終わったあとで、彼になにも質問しなかったことに気づいた。
穏やかな人だから何を聞いたっていいのに、なぜか彼に興味を持ったことがないなあ。
いつもあたしは、人に気を遣わせるタイプだ。
本日のオマケ


きのうのオヤツ自慢。水無月1個だけ買うのがいやで、もうひとつ練り切りも一緒に包んでもらった。賞味期限は1日過ぎたけど、全然問題ないと思う。
テーブルの下の楽譜は、次回やる曲。大量にプリントしてきたのでゆうべ夜なべして製本した。

そしてきのうは7月1日、今年の半夏生。タコを食べるのは大阪の風習なんだってね。福井ではサバを食べるなんて、きのう調べるまで知らなかったわ。
タコはふつうに刺し身で食べるつもりだったけど、カラーパプリカときゅうりが見切り品だったので、みんないっしょにマリネしてパスタにしたよ。
元レシピはアスパラ。緑を補うために、きゅうりを使った。セロリもたっぷり入ってるよ。
こういう洋食のときの納豆は、タレをバルサミコ酢にする。



コメント
そうなのよ
たった一人の攻撃的な人の為に周りが理不尽な思いをするのよね〜
一見、正しい事を言ってるだけにタチが悪くてさ
相手に伝えてなんぼ
答えて貰ってなんぼ と声に出して言ってみたいよ
美しき和菓子
こういうの食べると背筋が伸びるよね
マ、滅多に食べないけどさ
そう、たった一人のために何人も迷惑しますね。攻撃がすさまじいから誰も言い返せなくて。
伝えてなんぼ、答えてもらってなんぼ・・・名言ですね。うなゆきさんの言葉?
夏越しの祓にお食事がついてるのはびっくりですよ。そういうものなの?
せっかくの珍しい行事に、空気を乱す人っているんですね。まあ興味ないのに無理に迎合するのも疲れますけど、そういう相席になるとは思ってなかったのかもしれませんね。
練り切り、見た目が一番楽しいですね。普段は遠目から鑑賞させていただくだけだけで、あたしも滅多に買いませんよー。だから、自慢させてもらいました。
うなゆきさんの記事を読んで、ああ、この人は知らない人と話ができないタイプで、それが自分以外の3人が盛り上がってるんでイラっとしたのかな、と思いました。こういう、1人だけ取り残された人にも上手に話を振るタイプの人もいるんですが。
しかし、オケの方、攻撃的な1人がやめてくれたらすべて解決なのにね、おっと、アマチュアオケ殺人事件とかになっちゃったりして。
なるほどですね。じゅんさんは、その人の気持ちがわかる人なんですね。
あたしも40歳ぐらいまでは、世間話はもちろん、道を尋ねることもできませんでした。しかし、オバチャンパワーとは恐ろしいもの。指揮者先生相手に世間話を振れるようになりました。まだ修行不足で、盛り上げることができなかったのはしょうがない。
攻撃的な人1名のほかに、特定の人に突っかかる仲の悪い人も困りものです。あと、先生にまで反抗するアホタレ・・・おっと、だんだん増えてきちゃった。「そして誰もいなくなった」にならないようにせねば!