久しぶりに平日室内楽に行ったわけ

平日室内楽は、1枠たった1時間なので、全楽章できないことも多い。
逆に、難しい楽章は手を付けず、有名なオイシイ楽章だけ遊ぶってことも自在にできるので、お気楽なの。

ただ幹事のオババの方針で、年に一度内輪の発表会があってね。
そこでは全員合奏に必ずアニメソングとか映画音楽をやるのが、あたしはどうしても受け入れられず。
それに、発表会近くの練習は3か月ぐらい同じ曲だけを練習するから、真剣練習ができないあたしにはそれも負担。

発表会が終わるまで休んでいて、やっと今月から通常運転になった。
いや。今月は通常運転を短めにして、ささやかな忘年会が付いてるんだよ。
今まで、この忘年会にも参加できなかった。いつも用事が重なるのでね。やっと、初めて参加できる。

今回、幸い曲数が少なくて、早めに忘年会を始めてくれてうれしい。

あたしが参加させてもらったのは、モーツァルトの初期の弦楽四重奏。
まだあたしがオケに入りたての若いころ、「やりましょう」と声を掛けてくれるオケメンバーがいて、モーツァルトの楽譜をたくさんコピーしてくれたんだ。
せっかくそこまでしてくれたのに実現せず、何十年も楽譜はしまったままだった。

やっと日の目を浴びた楽譜で練習していたら「短すぎるのでもう1曲」なんて追加の連絡が来て、ちょっと慌てた。
四人のうち、これを初めて弾くのはあたし一人だったみたい。
メンバーさんによれば、モーツァルト初期の四重奏は「基本のき」なんだってね。
ひゃー、思ったより苦労したよ。でも、いつもよりなぜかいい音が出せた、と思う。

この曲をエントリーしたのはチェロさん。まだ入会されたばかりで、あたしはこれが初対面でちょっと緊張した。
まだ若いなあ。四十代だろう。「まだ始めたばかりで下手です」というけど、十分十分。「嘘つき～」とまで言ってしまった。
もう、この曲なんか3回めぐらいだっていうし。

よく聞いたら、普段はピアノを弾くんだって。まわりが年寄りばかりだから緊張して控えめなのかな。

そしてお楽しみの忘年会は、みんな飲み物やおつまみを持ち寄ってる！

ピザ、キッシュ、ハモンセラーノやおつまみチーズ、マックフライポテトなどどんどん出てくる。
知らなかった、会費を多めに集めて幹事さんが用意してるんだと思ってたよ。
手ぶらでとても申し訳ないが、誰が何を持ってきたかなんてほとんどみんな頓着しないので助かった。

オババは、クラッカーを広げて何やら白いペーストを塗ったり忙しそう。
「誰か手伝って」というのですぐ手を洗って参加した。
｢素手でいいわよ」と言って貰って、生ハムを剥がし始めたら「裏から剥がすと簡単なのよ」とパックをひっくり返された。
へーー。今度あたしも家で試してみよう。

オババはロゼのスパークリングワインも出してくれたよ。
さっきのチェロさんの紙コップにあたしが注いだら、泡が膨れ上がってちょっとこぼれてしまった。
オババ「どうして」と怒ってる。当然だ。
そしてご自分の紙コップに追加で注いでる。もちろんそれでご機嫌を直してくれたら御の字だ。

そして、先日神奈川室内楽に誘ってくれたフルートさんも来た。
「インフルもう大丈夫ですか」と言ってくれるが、言われる前にあたしが謝らなきゃいけなかったね。うっかりした。
あたしが急遽練習を休んだものだから、その場で余っていた人を入れて別の曲で遊んだそうだ。
ちょっと悪口を書きかけたけど、消す。

フルートさんと反対側のお隣に、さきほどのチェロさんがいる。

目の前の缶ビールを「お注ぎしましょうか」なんて言ってくれるけど、「実はこのあとチェンバロレッスンで、赤い顔して行くわけにいかなくて」とはにかみつつお断り。
「えっ」と驚かれる。
このチェロさん、「415の会」というのに入ってるんだって。
そういえば彼女、さっきチューナーで調弦しようとしたけど「あっこれ415ヘルツだった」とかポロッと言ってたわ。
その会、どこでやっているのか聞いたら、あたしが今年合宿の「即席415の会」で一緒になったT崎さんと一緒だという。
うわー！「弦楽器はせめてバロックボウじゃないと」とか厳しいことを言う人なんだよねー。
話が盛り上がって、あたしはむせてしまった。
咳が止まらない。「しょうがないなー！？」と笑いながら自分でビールの残りを注いだら、チェロさんも笑ってくれた。

そして彼女が「どうぞ」とみんなに配ったのは、小さい肉まんがたくさん。
自分で作って持ってきたんだって！おどろき～。
皮はふくらし粉は使ってないんだろうか、モチモチしてるよ。
醤油の小瓶までラップに巻いて。

宴もたけなわ。挨拶しようと一瞬間合いを計ったが、あたしが立ち上がっても誰も気づかない。
あえて水を差さなくてもいいかなあ。
「ではこれで」と、フルートさんチェロさんにだけこっそり挨拶して、抜けた。

本日のオマケ