ピアノとチェンバロ 奏法の違い

先週チェンバロのレッスンを受けて、言われたことは。
「オーバーアクション」だって。そっかー。

子供の頃、ピアノを弾きながら体を前後にゆらす人を見て嫌悪感が強くあったんだよなあ。
なんで、あんなに動かないと弾けないんだろう。
揺らしたって、うまく弾けるわけじゃないのに。

NHK教育テレビの「ピアノのおけいこ」でレッスンを受けている子供たち、ほとんどみんな体を良く動かしてる。
カメラが、椅子の真上から見下ろすように撮るので、ふらふらくねくねしてるのが見え過ぎて気持ち悪い。

・・・・・・と思っていたのは、やはりあたしが子供で、わかっちゃいなかったから。
「ここぞ!」って強調したいとき、やっぱり体はそっちに傾いちゃう。それが、むしろ自然だった。

モーツァルト以前の古い音楽は、オーケストラを指揮するのはピアニストやチェンバリストのことも多かった。
ピアノやチェンバロを弾きながら、片手でオーケストラを動かす。
またはピアノの出番がないところで椅子から立ち上がって腕を振ったり。
ピアノから両手が離せないときは、弾きながら首を振って拍子をとる。

室内楽で、フルートバイオリンチェロにピアノが付いてる曲を練習しているとき、「ピアノもっと強く弾いて」と何度も言われた。
ピアノを頼りに、ほかの楽器を弾いたり吹いたりしているらしい。
じゃあ、ってんで、立ち上がりこそしないけれど、腕と一緒に首をたくさん振って合図した。

そしたらね、「オーバーアクションしてくれると助かるぅ」って言われたよ。
そうだろうそうだろう。ほとんど、気持ちは指揮者だったからね。

しかし、もちろんピアノもチェンバロも、ソロで弾くときに合図はいらない。
いや、ピアノは鍵盤へのタッチで音楽の表情を変えられるから、いっしょに頭もくっついて動かしてもいいんだが。

チェンバロは、なるべく手を動かしちゃいけないんだって。
強く弾いたから強い音が出る、っていう楽器じゃないから。
手は上下には動かさず、なるべく左右水平に動かすだけ。

これが案外難しい。
先生から「オーバーアクションですよ」と何度も指摘されてしまった。
強調したいときは、力強く打鍵するのではなく、指先だけ動かして響きを良く聞くこと。

東海林太郎(しょうじ・たろう)っていう歌手がいたよね。
直立不動でマイクに向かうけど、歌として決しておかしくなかったじゃん。
(でもちょっと笑われてたかな。)

教えてもらったとおり、「強く」叩かず「しっかり」押すと、美しい音色が出てびっくりした。
触り方で音色に違いはない、と思い込んでいたのはなぜだろう。
ピアノならいろんな音色が出るのは当たり前と思っていたのに。

先生からも「そうです、今いい音が出たでしょう」と言われた。
半年習って、またひとつチェンバロの美しさを覚えたのであった。

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コメント

  1. にゃんた より:

    まだまだ色々発見があるって楽しいことだね。
    東海林太郎^^;
    上海帰りのリル…は違うか。
    明月赤城山!
    ♫男ごこーろーに

    • よはねす より:

      もう!にゃんたさんにはかなわないです。こんなマニアックな投稿にまでコメントくださるばかりか、、上海帰りのリルも知らないし(今YouTubeで見たら面白かった(#^.^#)東海林太郎であたしが知ってるのは赤城の子守唄だけ。にゃんたんもシニアカテゴリに立派に入れますね(^▽^;)