怒涛の演奏会祭り

所属する市民オケがいよいよ、演奏会本番を迎えた。

前日は美容院に行ってから、夜に「ゲネプロ」という名の練習があった。
何の略なんだか、実はいまだにわからない。最初に聞いたときはカッコいい呼び方だと思ったけど。
だいたい、すべての曲を通して練習するのがいつものパターンだけど、今回は危ないところだけ抜き出して練習した。

いつも指揮者先生をガッカリさせてしまうところ、みんな用心して演奏できたと思う。
でも、先生は我々のレベルに合わせて、崩壊しない程度の速度を守ってくれただけのような気がした。
前日に崩壊させちゃうと、本番でさらに緊張して大失敗しかねないからさ。

ああ、団員の悪口書きたい。でも、基本的にこのブログは幸せ自慢を書きたいと思ってるので我慢しておく。

演奏会プログラムは、このタイミングで団員に渡されるんだ。
「本日の出演者」一覧を見て、今まで名前がわからなかったりあやふやだった人を確認できる。
ああ、こないだ手がけいれんしちゃったおじさんの名前がないわ。
あれから練習に来てないなと思ったけど、本番出ないことにしたのか。かわいそうに。

練習直前にキオスクで買った特大おにぎり1個を休憩時間にかじり、9時15分に練習終了。
地元駅に着いたら、思い出した。
この日は月に一度の「お菓子割引デー」。まだ10時半、そのスーパー11時閉店だから間に合う!
楽器も、この日は特別、演奏会場に置いて帰ってよかったから手ぶら同然。
お菓子と、特売のキムチやヨーグルトを見つけてホクホクで家に着き、ブログ書きは断念して寝た。

脳の回転数が全然落ちないから眠りが浅い。あきらめて、6時に寝床を出た。
三日前から睡眠アプリを飲んでるのに、ほとんど効かなかった。
もう少し前から飲み始めるべきだったな。

朝9時集合、ホールの催事ポスターや、今回使う珍しい楽器など写真をバシバシ撮った。
ホールの特徴や曲目とか書くと仲間にバレるから、詳しく書けないのが残念。

午前のリハーサルも、なかなかうまく行った。
本当は個人的には失敗がたくさんあったはずなんだけど、もうこの期に及んで気にしちゃいけないのよ。
指揮者も大満足、というか心からホッとした、って笑顔で練習を終えてくれた。

昼休憩になり、弁当を楽屋に買ってくるか迷ったけど、神経を落ち着けたく駅前ベーカリーで一人ランチしたよ。
カフェオレがびっくりするほどたっぷりで、うれしかった。サイズ指定なしだったの。
セルフで注ぐレモン水もあって、写真じゃ当然わからないけどめちゃくちゃレモンが濃くて、これもびっくりした。

クロワッサン・オ・ダマンドとチキン卵ごぼう

楽屋に戻って、床に脚を投げ出して仲間とおしゃべり。
「あの人と、あの人も今回出ないんだねー」などと言ってたらそのパートリーダーさんが教えてくれた。
「△さんは、退団されました」
息をのんだ。今回休むのは仕方ないかもしれないけど、まさか、退団。
「メールで、『本番中にけいれんが起きたら皆さんに迷惑がかかるから』と。『このオケにいられて幸せでした』とも」
思わずジワったよ。
とても温和だけど飄々としたユーモアがあって、すてきな人だった。
まるで死んじゃったように悲しかった。

おしゃべりしてたらもう開演直前。
楽屋がシンとして初めて気づき、あわてて楽器ケースをひっつかんで舞台袖へ。
もうコンサートマスターが歩きまわって、チューニングを始めている。
楽器を急いでセットし、コンマスに駆け寄る。
フルートさんもやってきて、いっしょにチューニング。

市長さんも忙しい中聴きにきてくれて、でも後半は聴かないで帰られるので、この舞台裏を廻って団員に挨拶してくれた。
この市で働く友達は「給料上げてください」と言ったそうだ。市長さすが「安すぎるのは聞いています」だって。
あたしも市長にお願いしたいことがあったけど、言えなかった。同じ願いを、団員だけじゃなく大勢から聞いているはずだしな。
ああ、書きたいけど書けない。

予ベルが2回鳴ったら、本番。
このベルのメロディはホールによって違うんだよね。
ここのメロディ覚えておいて、何かの機会に真似して弾いたら仲間内でウケるかも、って一生懸命に耳を澄ませた。

1曲目、すべてがうまく行った。
最後の最後、盛り上がるところは、練習中「これぐらい速くしてもできそうですね」と言った、最高速度になった。
ウチのオケだけじゃないかもしれないけど、本番で急に速くなることは当たり前のようにある。

指揮者が最初に舞台から下りるでしょ。
そのあと照明が落ちて、一旦休憩、団員がバラバラと袖に戻ったら指揮者がみんなをそこで待っててくれた。
「いやーすごいテンポでしたね!びっくりしましたね」って、団員同士で言ってるのかと思ったら先生が言ってるんだもん。
お茶目な先生だ。

休憩中スマホ見たら、妹からLINEが入ってたよ。
彼女の家からこのホールは遠いので滅多に呼ばないんだけど、今回は特別演奏会なんで来てもらった。
どこが特別かは、言えない。

前から4列目に座ってる、とわかったので、2曲目が始まる前にきょろきょろしちゃった。
楽譜用メガネでなければはっきりわかるはずだけど、度を落としてあるからぼんやり、あれかなーという程度しかわからない。
妹はクラシックはほとんど聴かない。でも楽器には興味があるみたいだ。
小学生のころはフルートのおもちゃを買ってもらってたし、結婚後はサックスやセットドラムなどいろいろ遊んでる。
最近はあたしの弦楽器にまで手を出してきたので、内心あたしゃうれしくて仕方がない。

2曲めも大成功、禁止されてるはずの「ブラボー」までもらっちゃった。
アンコールもド派手な曲、あたしも大好きな曲で短いのにすごく難しい。
指揮者の指導も、アンコールなのに手抜き一切なしで随分時間をかけて練習したよ。
こちらも、スカーッと終わり、こんなに成功した演奏会も珍しい。

舞台袖で楽器をしまってたら、隣のパートの仲良しさんが並んで片づけてた。
「よはねすさんの熱量がすごくて、こっちまで伝わってきた」と言われて。
急に、のどが詰まって、声が出なくなった。
「うん、思い切り弾けて本当によかった」と声を絞り出した。
涙は出ないんだけど、こういう感動のしかたもあるんだな。
声を掛けてくれなかったら、自分でも気づかなかったと思うよ。
最初から全部覚えているほど大好きな曲、そりゃあもう全力出したともさ!

楽屋に戻ったら、懐かしい元団員が数名来てた。
あの、けいれん起こしちゃったおじさんも来てくれてた。
「演奏素晴らしかったですよ」と言ってくれて、あたしまで彼の不在が無念でたまらない。
症状が落ち着いたら、ぜひまた入団してください。

今回も、打ち上げは無し。
いつも打ち上げの場で、普段あまりできない雑談をたっぷりしてコミュニケーションを取るのに。
だから舞台袖で交わした雑談がとても貴重だった。

一番の仲良しとは、代わりにLINEで二人だけのうちあげ。
悪口で盛り上がってしまったけど楽しかった。

いつになったら、打ち上げできる世に戻るんだろうね。
待ち遠しいよ。

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コメント

  1. にゃんた より:

    コンサートの成功、おめでとうございます。
    嬉しさが伝わってくるよ。
    よかったね。
    ホールと珍しい楽器の写真プリーズ(^^
    いいベーカリーも見つかったようで。
    良いこと沢山。

    • よはねす より:

      いや、申し訳ありません。ホールの写真一部だけでも上げたかったのですが、ほんとにバレるの怖いんです。またかなり特徴のあるホールでしてね。悪口、今日は我慢しましたが、そのうち書いてしまうかもしれない。