わかりやすく「発表会」と書いたけど、実のところ先生のミニリサイタルに弟子たちが前座で弾いたって感じかな。
でも先生、ちゃんと趣向を考えてくれて。
わざわざハート形に切った紙にローマ数字で番号を書いて金色のヒモを付けて、くじ引きして出演順を決めたの。
名前と、ひとこと自己紹介を言ってから順番にリハーサルした。
トップ奏者は「まだ習い始めてちょうど一年」と言ってたから、あたしと同時に始めたんだな。
あたしも2冊目で使った、バッハの楽譜を胸に抱いてる。
自分の自己紹介のときにも「一年経ったところで」と言おうかと思ったけど、あたしは3冊目の楽譜だから、先に進んでること自慢してるみたいになっちゃうな。
チェンバロ歴は伏せて、「大好きなラモーの曲集に入ることができてうれしいです」とだけ言っといた。
リハーサルだから「ひとり3分まで」と言われたので、7分かかるところ繰り返しを省いて収めた。
けっこう失敗して、しかめ面したり眉を吊り上げたり。でもリハだから、リハだから。
10人ぐらいの生徒が弾き終わったら、引き続き今度は本番。
トップの人、スマホを一生懸命セットしてる。録音してるんだって。
あたしのも録音しましょうか、って3回も聞いてくれたのに、あたしは「いえいえ、とても恐ろしい」といって断ってしまった。
ほんとに恐ろしいんだよ、自分の演奏を聴くのって。
ある室内楽の会では、発表会後自動的にすべての録音データが全員に送られてくるの。
最初は珍しくて聞いてみたけど、イヤな気持ちにしかならない。
舞台上では気持ちいいのに、客観的に聞くとあまりのヘタさに驚愕するんだ。
舞台上で「失敗した」と思ったやつなんか、ほんとに恐ろしくて一度も聞けてない。
でも、きのうの発表会の本番ではけっこううまく行ったかな。
リハで失敗したところは気を付けたし、イネガル奏法も繰り返し部分にだけ付けてみた。
いつもの教室で使ってるチェンバロと違って鍵盤が二段もあるので、その分音も重厚に出すことができるの。
大きくて、装飾もきらびやかなすてきな楽器だったよ。
写真は、リハーサル前に楽器製作者さんが調律してるところ。
前座たちの演奏が終わったら、2時まで休憩。昼ご飯を求めて原宿をさまよう。
このホール、室内楽の発表会を見に来たことが今まで2回か3回あるところ。
知ってるから大丈夫、と思ったのに迷っちゃった。
ラフォーレ原宿が見つかれば方向感覚がわかるのに、駅から出たとき見つからなかったんだよな。
いつもの出口が工事中、違う出口から出たせいもあるけど、ラフォーレってこんなに小さかったっけ。
そして、日曜日、とにかく外国人も含めて観光客の多いこと。
探す飲食店すべて大行列で、もう昼ご飯あきらめた。
ポツンと雨が頭にかかる。まずい。家を出てすぐ傘を忘れてことに気づいたけど、取りに戻らなかったんだ。
ラフォーレ原宿で雨宿りしたけど全然止まない。
ああ、もう2時過ぎちゃった。2時半から先生のお友達のピアノ演奏が始まっちゃう。
ホールに戻るには交差点を渡らなくちゃ。ライダースジャケットを頭にかぶって、バシャバシャと走って横断。
雨だけじゃなくて、雹まで大量に降ってる!写真撮るどころじゃない。
ホール入口に入って、スカートの裾を絞ったらジャーッと水が出た。
何回絞っても気持ちよーく水が出る。
厚手だけどウールじゃなくてポリエステルだから、よかった。シワにはならなそう。
そして、雨はスカート前面で受けたようだ。おしりはほとんど濡れてない。
いっしょに入口で開演を待ってたお仲間の女性がとても心配してくださった。
絞り切って、そろそろ大丈夫かなと客席についたら、その隣に小物をおいて確保していた主は先ほどの女性だった。
「ハンカチを寄付してあげたいぐらい」と、ご自分のフェイラーのハンカチを出してくださるが固辞した。
あたしの使ってるタオルハンカチは小さいけど、予備のきれいなハンカチとマスクはホラ、持ってますので。
きのうの唯一の失敗は、演奏じゃなくて傘を忘れたことだったな。
友情出演のピアノのあと、先生のチェンバロ演奏が始まるころにはスカートの見た目はすっかり元通りになったけど。
体がすっかり冷えて、寒くなってしまった。普段あんなに暑がりのあたしなのに。
濡れるって、こんなにも体温を奪うんだな。
長くなりそうなので、きょうはここまで。続きは明日書きます。
コメント
あー、あのヒョウが降ってたって日ね。
大丈夫?風邪引いてない。
先生の前座で弾く微笑ましい姿、想像して読んでたのに、ビショビショで鑑賞じゃそっちの方が気になっちゃうよ。
ありがとうございます。ほんとに、今回ばかりは風邪引くかと本気で心配になりましたが、なんとか大丈夫でした。
先生の前に「余興」と言いながらピアノ演奏があったので、その間に乾いてきて良かったです。