展覧会って、朝より午後が混むよね。
いや、それは昔の話。
今は感染予防として予約制にして入場規制をしている。
それでも、午前中の方がより空いてるだろうと、10-11時の間に入場するっていう時間帯で予約した。
もっと早い時間帯もあったけど、それまでにブログを書き終わらない危険性が大きいからね。
全国的に晴れらしいが、東京は曇り空で寒い。
それでも、上野公園は元気な外国の方が大勢押し寄せて。
外国人の集団を掻き分け掻き分け歩いてるうちに、まるでハトの群れをよけてるような気持ちになったよ。
目当てのエゴン・シーレ展は東京都美術館、公園の一番奥のほう。
ひたすらまっすぐ歩いてたら、一人の白髪の女性から声を掛けられた。
「東京都美術館へ行きたいのですが、この方向で合ってますでしょうか」
あら!あたしもちょうどそこへ行くんです。よかったらご一緒しましょう。
しかしあたしの思い込んでいた公園の「一番奥」は、どうみても違う名前の館名が遠くからでもはっきり見える。
女性もここまできて、違うと思って引き返そうとしていたそうだ。
しょうがないので、違うとわかっていたけど案内地図看板まで仕方なく進んだ。
看板を見て、やっと思い出した。
なぜかあたしが行きたい展覧会はこの東京都美術館で開催されることが多いのに、久しぶりすぎて近くまで行ってやっと思い出した
ご婦人には、遠回りを強いてしまった。大変申し訳なかった。
あたしは速足で歩く癖があるので、少し速度を落として合わせたつもりだけど大丈夫だったかな。
エゴンシーレですか、と聞いたら「嫁が池坊をやってるので展示を見に来た」とのこと。
まあ、優しいお姑さん!と言ったら「普通ですよ」とやや憮然とした口調。
生け花の展覧会って、開催期間中毎日のように活け換えてるんだってね。
ずっと雨続きだったから、お嫁さんも通うのが大変だったろう。
池坊って、ちょっと難しそうですよね。あたしは草月しかやったことないです。
「わたしも草月でした」
あら!草月いいですよね。といってもアタシのやってたの40年も前ですけど笑。
「わたしなんて70年近く前ですよ」
え、ええっ。てことは、、小学校に入る前からされてたのかしらん、と思ったけど口にはしなかった。
てか、そのお年の割にすたすたよく歩けるなあ。
世田谷のご自宅から1時間半もかけて来られたそうだ。
今日は天気も良くなって、よかったですね。桜もまだ今日なら見ごろが続いてますし。
「うちの近所に桜はいっぱいあるから、それはいいんです」
あら、失礼。そういえば世田谷美術館は素晴らしい公園の中にあるのでしたね。
「上野の美術館も以前はよく来ていたんですが、なんだかすっかりわからなくなってしまって。エゴンシーレ、わたしも好きですよ、今日行ってみようかしら」
あ、でも今予約制なんですよ。インターネットから日時指定しなきゃならないんです。
「あら、もうそういうの全然ダメで。今度おヨメさんに頼んでみるワ」
ぜひ、それをお勧めします。
あたしも、終わったら池坊見てみようかな。
あ、東京都美術館の看板があった!でもめちゃくちゃ小さい。東京都、なに遠慮してるんだろ。
「もっと大きな看板出して欲しいですよね、こんど投書しようかしら。誰かに聞きたいと思っても、誰もいなくて」
そう、9割が外国のかたですよねえ。
「本当に、怖くて。電車の中でも外国人に挟まれてしまって、大声で右から左から」
ああ、外国の人、声大きいですよねえ。
あー、ここだここだ。あ、外階段ならぬ外エスカレータで地下に降りるんだ。これも忘れてた。
一瞬迷ったけど、確かカップルなら男性が下側にいて降りるのがマナーだったような。
ご婦人が「どうぞお先へ」と言ってくれたので、先にエスカレータに乗った。
もしご婦人が落ちるようなことがあったら、あたしが支えなきゃ。
「今日は、いい方にお会いできてよかったです、助かりました。どうぞ、(展覧会へ)いらしてください」
いえいえ、あたしも間違えてましたから、ご一緒できてよかったですー。では、失礼いたします。
普段ね、ボランティアって嫌いなのよ。なんか偽善を感じてしまうの。
でも、こういう偶然の出会いならば、役に立てたら素直にうれしいよね。
しかし、「予約のない方はこちら」って案内があった。
え。予約なしじゃ入れないって、ご婦人にウソついちゃった!どうしよう。
よく見たら、「すいていれば入れる」って但し書きがあったけどね。
それが、入ってみたらあんまり空いてないの。ゆっくりは見られなかった。
身長190センチぐらいある若者が絵の真ん前で立ち尽くしてるから、その絵は誰からも見えないぐらい。
背が高い人は後ろから見てほしいなあ。
長くなるから、続きは明日にするね。
コメント
おー、今日の日記はかっこいいぞ。
音楽だけではなくて絵画もお花も嗜まれるのね。
いいお家のお嬢様なのね。
であったご婦人も素敵。
世田谷の方。
サザエさんのお隣の伊佐坂先生の奥様みたいな感じかな。
あれ、おとなりは浜さんだっけ?
絵は描けないけど、見るというだけでカッコいいから見てるだけ。お花は劣等感の裏返し、何もできない貧民じゃ恥ずかしいと思ってたところ会社で格安サークルがあるからちょこっと習ったことがあるだけ。でもやっててよかった、ご婦人ともにゃんたさんとも話の種にはなるから。
いささか先生の奥様って出番あったっけかな。中学生あたりから見なくなっちゃったからなあ。お隣とは思ったことないです、でも浜さんて名前は全く覚えがない。三河屋さんの方が親しみがある庶民でございまあす。