ある日のオケ練

ほんと、手際が悪くって。

オケの練習に行くのに、荷物は揃えてあるのにやっぱりギリッギリで、予定の電車に乗れた。
炎天下で12分歩いたから、もう、ここで疲れてる。
電車に乗り込むなり、ペットボトルの水をひと口飲む。

450mlっていう中途半端なペットボトルがたまたまあったので、水を詰めて冷凍しといたの。
500mlだと、飲み切れなくてムダに荷物が重くなる。350mlだと足りないかも。

練習会場に着いたら全く溶けてなくて飲めないってことがあったので、夜寝る前に冷蔵庫に移したら、昼にはちょうど半分ぐらい溶けてていい感じ。

しかし、この日の会場は結構新しいようだ。冷房がよく効いて、お隣の女性はカーディガンを出して羽織ってる。
せっかくの冷たい水は、特に飲みたくならなかった。荷物が重たいから飲んで減らしたけど。
汗かきなんで、椅子に敷くタオルも持って行ったけど使わなかった。

今までの練習場は、なんだったんだ。
入団当時30年以上前は、冷房装置もなくて、蚊取り線香を焚いてて最初はびっくりしたよ。
さすがにその会場は取り壊しになって、冷房付の施設しかなくなった。
そうでなきゃ、7月8月の練習なんでできるわけないね。

昔話をついでにするとね。
関東なのにアメちゃんおばさんが何人かいて、必ずひと袋のアメちゃんを持って来て、周囲に配ってくれるの。
あ、昔だけじゃなくて、今でも続いてる。
あたしはほんとはアメいらないんだけどね。
ありがとうございます、って受け取ってポッケに入れて、溜まったら職場に置いたり。

この日の練習は、当番制で一番前に座らなきゃいけなかった。
練習記号、「Y」から。と指揮者から言われて弾きだす。
お隣も、もちろん一番前に座ってる。
ところが、Yが探せないのか、弾きだしたと思ったら楽器を下ろして、楽譜のあちこちに目を走らせてる。

一番前の人が弾かないと、後ろが困る。
お隣さんの楽譜の、今やってるところをそっと指したらすぐに弾き始めてくれてほっとした。

休憩時間になって、お隣さんをチラッと見たら「Vと見間違えた」とのことで。
あ、そっかそっか。
この方、耳は素晴らしくいいけど目が若干弱いんだよね。かわいそう。

そういえばこないだの調律師さんも、とっても目が悪いのが一目瞭然でわかっちゃうぐらい。
メガネはかけてないんだけどね。
ピアノの置き場所の照明を付けてあげたら「助かります!」ってとっても喜ばれた。
ピアノの部品がひとつだけ動きが悪いから、有償で交換しますか、って聞かれて。
見せてもらったら、木でできた部品がささくれ立ってるの。

こんなんなってちゃ、そりゃ引っかかりますよね。と言ったら初めてささくれに気が付いたみたい。
領収書を書くときだけ、分厚いレンズのめがね掛けてた。
目が悪い分、耳が発達するのか。耳が働かせすぎて目が退化しちゃったのか。

話をオケに戻す。
休憩後、ビゼー作曲「アルルの女」に取り掛かった。
クラシック知らない人でも、この中の「メヌエット」は絶対とこかで聞いたことがあるはず。
フルート大活躍、伴奏はほとんどハープだけ。
ハープはうちのオケの団員にはいないので、普段の練習は代理として弦楽器がピチカート(ギターみたいにはじく)で付ける。

練習記号Bの部分を指揮者から指摘されて、弦楽器だけが弾いてみる。
「では、皆さんでⅮから」と指揮者が言うので、みんな目を白黒させる。

指揮者すぐ気が付く。
「僕なんか変なこと言いました?」
一番前に座ってるので、あたしが「デーですか」と聞いたら
「間違えました、べーです。ベートーベン、べー。あ、失礼、ビゼーB」

こないだ、このブログで「Bはベートーベンと言って確認する」と書いたので、必要以上に可笑しくなってマスクの上から手で押さえて笑いをこらえた。

Bを「ビー」っていうとⅮと間違いやすいんだよね。
「ベー」ってドイツ語で発音してくれたほうが聞き取りやすいの。
だから「ベー」で始まる「ベートーベン」がよく使われるんだと思う。

またまた、休憩時間。
その終わり、練習開始前の連絡として団長さんが立ち上がる。
何十年と使っていた発表会ホールが、とうとう取り壊しになるのは決まっていた。
新しく建てるのは、市の案では辺ぴな場所で、大きさも三分の一ぐらいに小さくなっちゃう。

署名運動して大勢が反対してたんだけど、市(と、権利者)が飲んでくれた。
今と同じ場所で、客席数をさらに増やして再建すると決まったそうだ。
うれしい!拍手した。

でも、新ホールが出来上がるのは8年後ぐらいだって。
「おれたち、その頃まで生きてねーよ」というつぶやきが一斉に湧いて。
まー冗談半分とは言え、死にはしないけど引退する人がパラパラ出てきたもんなー。
みんな、頑張ってそれまでは持ちこたえてくれ。あ、あたしも同じか。

練習後、お隣さんが突然ステッカーをひらひらさせる。
「これ、欲しい人いる?」

あっ。あたしが入団した時、みんなが楽器ケースに貼っててうらやましかった、団の名前のシールだ!
「おれもそろそろ長くないから、終活の片付けしてたら出てきたんだ」

く、ください!これ入団した時から欲しかったんですぅ。

「よはねすさん、いつ入ったの」
・・・さんじゅうさんねん前。

ステッカーを、どういう経緯でこしらえたのか知りたかったんだけど、聞きそびれてしまった。

死なないうちに、聞いておかなきゃ。

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コメント

  1. にゃんた より:

    ぼくは相当に目が悪くてメガネはずっとかけてるんだけど、やっぱ女性はできればあまりかけたくないものなのかな。
    かけたり、外したりも大変ね。
    そういえば、最近遠視というか老眼が入ってきたようで、近場のものはメガネかけてると辛いことがある。
    スマホでKindle読むときは、外してないと読めないね。
    お仕事ではプログラムよく書いてたのだけど、見直すときはメガネ外して画面に目がくっついてたね。普通にかくだけだと手が覚えてるから問題ないんだけど。

    ステッカー、よかったね(^^)

    • よはねす より:

      すごいなー。プログラムを手が覚えちゃうんですかー。
      そういえば老眼系の話もこの練習の時にあったんだけど、書くの忘れたー。
      ちなみに、目の悪い調律師さんは若い男性でした。ファッションを気にしてでも、老眼でもない。たぶん、お気の毒だけどほぼ視覚障害だと思いました。