「やさしい訴え」と「プルチネルラ」

きのうも順調に食料の買い出しに2回も行って。
やっと、ひと安心。落ち着いて本も読めた、楽器練習もできた。

次の予約者が待ってる本をぜんぶ読み終わって、やっと遠慮なく自分のペースでゆっくり読める。
こんなこと滅多にない。何年に一度かの現象だ。

読みたかったのは、小川洋子著「やさしい訴え」。
あたしは小説は読まない主義だけど、これは特別。
よく売れた本だから知ってる人も多いと思うけど、チェンバロが出てくるからね。

先日のチェンバロ発表会の打ち上げで、「この本がきっかけでチェンバロを始めた」という人がいたの。
それまでも、チェンバロが出てくることは知ってたんだけど、「小説なら読まない」って食わず嫌い。

でも、発表会を終えて次に自分で選んだ曲がジャン・フィリップ・ラモー作曲「やさしい訴え」なんだ。
曲も有名、わりと簡単に弾けるから。

曲の解釈に役立つかしらん、と若干期待して、本も読み始めたよ。ゆうべ、半分ほど読んだ。

チェンバロの曲名がたくさん出てくるのがありがたい。
先生も生徒も、有名な曲はすぐ習い終わってしまって、新たな課題曲を見つけることが課題なんだって。

「チェンバロによるアリア集 シフォーチの別れ」ってのが、まったく聞いたことのないタイトルだ。
誰の作曲だろう。Google先生でさえわからなかった。
小説だからなあ。この曲名も創作なのかもしれない。

と思ったら!LINEのAIチャットくんが即答してくれた。ペルゴレージだって。
あたしの愛読書(何度も書いてる『貯金通帳』ではなく)クラシック音楽作品名辞典でさっそく探したけど、ペルゴレージのチェンバロ曲なんて1曲も載ってないよ。

ところが!マイクロソフトBingがいいと聞いたのでそれで検索したら、その演奏のCDがすぐに見つかった。
しかし、作曲者はパーセルになってる。
辞典でパーセルの項を見たら、ちゃんと「セフォーチの別れ」っていうハープシコード曲が載ってたよ。
あ、ハープシコードっていうのはチェンバロの英語表記ね。パーセルはイギリス人だからね。

BingはCDだけじゃなく、ブログも見つけてくれた。
あたしと同様、小川洋子「やさしい訴え」を読んで気になってCDを発注したとのこと。
そのブログでは文庫本で82ページに出てくるそうなんだけど、あたしが借りた単行本では74ページ。1976年刊だから、本の画像がなくて残念。仕方ないから、文庫本の画像をアイキャッチに載せとくね。

で、ちょっと意地悪を思いついた。LINEのAIチャットくんに「パーセルが作曲したというCDがあるが」と聞いてみたよ。

CDが間違ってるって。どっから来るの、その自信。

一応、AIをかばっておこうか。
辞典でも、ペルゴレージの頁は相当怪しい。「おそらくペルゴレージの作ではない」だとか「ペルゴレージの作が疑問」って曲がどっさりなんだ。
ストラビンスキーのバレエ音楽「プルチネルラ」は、ペルゴレージのチェンバロ曲をオーケストラに編曲・改作したことになっている。

2分5秒辺りから耳に馴染みやすい音楽が出てくるよ。

たぶん、ストラビンスキーの作曲当時はペルゴレージの作とされていたんだろう。
ところが本当はドメニコ・ガッロが作曲したのにペルゴレージ作と名を騙って出版したんだって。
無名より有名な作曲者のほうが売れるからね。

あたしの辞典でもプルチネッラはペルゴレージが原曲、と書いてあるよ。この辞典古いからね。

で、ガッロの作品の楽譜を探してみた。
おもしろいんだけど、五十音検索の「カ」で探すと出てこないの。
アルファベット「G」で探したらやっとGalloが出て来たよ。

バイオリン2本と通奏低音(ピアノかチェンバロ)の3人で演奏できる。いいじゃん、これ来月の室内楽に提案してみよう。
探したら、同じ曲で通奏低音にチェロを使ってある版もあった。
へー、とダウンロードしかけたらびっくり、作曲者名がペルゴレージになってた!
ペルゴレージでずっと出版されてたんだね。もうごちゃごちゃ。

残念なのは、プルチネッラでなじみの深い曲のうち、たった1曲しかこのダウンロード楽譜にはついてなかったこと。
Gallo作曲ソナタ1番、全3楽章のうち第一楽章だけがプルチネッラで使われてる。
第二、第三楽章は知らない曲だからつまんない。
いや、もしおもしろい曲ならストラビンスキーだって使ったはずだよね。
あのプルチネルラの他のおもしろい曲たちも、どこかでダウンロードできないかなあ。

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コメント

  1. にゃんた より:

    次の予約がないとさみしいんじゃない?(^^)
    kindleみたら、あった。有料だけど。
    でも、大人の三角関係には興味ないな。

    チェンバロとハープシコードって同じなのね。ハープシコードならきいたことある。

    • よはねす よはねす より:

      いや、ご心配には及びません。息つくヒマもなく、次の予約本が2冊も順番が来てしまいました。明日、雨が上がったら受け取りに行きます。
      三角関係の話だったんですねー。あたしも、そういう苦しい話はいやです。専らチェンバロ曲情報を楽しんでます。
      そう、チェンバロは英語でハープシコード、フランス語でクラブサン。ややこしいです。