第九 初合わせ

第九の楽譜とベートーベン 音楽

市民オケで、定期演奏会が終わったら休む間もなく・・・いや、1週休んだか・・・第九の練習が始まった。

あと2か月で、難曲のアレを仕上げなければならない。

きのうは日曜だけど、夜の練習だったよ。
練習会場も、電車が各駅停車しか停まらないへんぴな駅から10分以上歩くところ。

ちょっと狭くて、椅子を並べるのに苦労した。

あたしが確保した席の隣に来てくれる人がいない。
そういえば、あたしいつも時間ギリギリに来ることが多くて、誰かの隣にあたしが後から座らせてもらうパターンばかりだったんだ。
会場設営に時間がかかったから、珍しくあたしが自分の譜面台を置いて場所を決めたんだった。

指揮者もスタンバイして、練習が始まろうとする直前に会場に着いた仲間がいた。
あたしの隣に来ないで、一番後ろで一人で譜面台を置いてる。

パートリーダーが手招きして、あたしの隣へ移動させようとしたらね。

一応、自分の譜面台をあたしの横に持ってきたんだけど「狭くないですか」と言いだして、畳んでまた後ろに戻っちゃった。

自分の譜面台と楽譜を使いたい気持ちはわかる。
あたしの譜面台を畳んで、迎えようとしてたのにな。

確かに、ちょっと狭かったけど。不可能じゃなかったし。

さびしかった。
指揮者の反応に一緒に笑ったり、速すぎてびっくりさせられたり、難しいねとか、そういう感情を共有したいじゃない。
練習の一番楽しいところが無くなっちゃった。

あたしの後ろの人たちが「速い!」って言ってるのは聞こえたけど、わざわざ振り返って会話するわけにもいかない。

「悲しいとき~」っていう芸をする二人組がむかし好きだった。

あのころペットボトルの「がぶ飲みミルクコーヒー」が大好きでさ。ベンピに即効性があるのよ。
あの芸人が「がぶ飲みしたいとき~」って芸を替えてCMに出てくれた時はうれしかったな。

急にメンタルよわよわになって。
楽しいはずの初見大会なのに、全然力が入らないよ。

「初見」とは言えないか、第九なんてもう5回ぐらいやってるはずだから。
なんとなく指が覚えてくれてるのに任せて、ただ弓を動かしてるだけ。

疲れた。気分転換しなきゃ、無理。

休憩時間に自販機を求めて小銭入れを握りしめて会場を出たけど、建物の中には見当たらなない。

やはり自販機を探しているらしいSさんが外に出ようとしているのを見つけてあたしもついて行った。
建物の向かいに、1台だけ自販機があった。

いなかだから真っ暗だよ。明かりは自販機のみ。
もう飲み物を手にして戻りかけてる団員もいる。

Sさんがコインを投入しているところに、あたしと、もう一人トランペット女性(飯島愛似)も連なる。
「みんなここに集まってくるね!」
ほんと。明かりに群がるハエのように。

うちに着いて思い出したけど、間違ったわ。明かりに群がるのはハエじゃなくて蛾だった。
でも飯島さん「ほんとほんとー」って。いい人だー。
滅多に話さないけど、飯島さんとっても明るくて好きだよ。

Sさんがえらく手間取ってる。
コイン入れてボタン押しても出てこないんだ。

でも、さっきLさん買ってましたよね?
飯島「自販機も人を見てるのかもーw」
Sさん「見られちゃいました。お先に、どうぞ!」と返却レバーを押してる。

順番を譲ってもらったので、続いてあたしがちょっとドキドキしながらボタンを押したら、スコーン!と炭酸水が出て来た。
あ、やっぱり人をちゃんと見てますわ。

Sさんをイジッて、違う、やっと人と話ができてちょっと気分転換になった。

休憩後の練習は、また孤独な時間。

最初からひとりなら、しょうがない。ひとりで楽しむしかない。
でもね、隣に来たくないって拒否されちゃったのがしつこく気になる。
こんなに恨みがましい性格だったっけ、あたし。

晴れない気持ちのまま練習が終わった。
片づけながら、さっき隣に来てくれなかった人に「寂しかったー」と言ってみた。
「最初だから、自分の譜面にかじりついて見ないと弾けなくて。ごめんね」と謝ってくれた。

きっと、そういうと思ったんだ。本当にそうかもしれないけど、違う理由もあったのかもしれないけど。
そんな細かい心のヒダのようのなもの、ほじくり返してもしょうがないね。

あたしも、責めてるわけじゃなくて。ただほんとに寂しかったってだけだから。

きょうのオマケは、出かける直前の昼夜兼用ごはん。


こないだ残した生パスタ「ピチ」の残りと半熟卵で。サラダの中には前日残したラム肉麻婆大根も入ってる。

半熟卵は上半分をカットしたほうが写真が映えるけど、その前に撮影してよかった。
割ってみたらほぼ生だったので。

そして、これを食べたのが4時半。うちに帰って来たのが10時。
お腹空いてたけどそのまま寝たら、今朝の体重1キロ減ってたわ。

いや。食事じゃなくて、初見で脳を使ったからだと思う。

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コメント

  1. うなゆき より:

    アラよはねす先生、繊細ね
    マ、そんな時も有るワン
    楽譜って大切なんですね
    オーケストラのヴァイオリンは大概二人で一つを見てるけど
    自分の楽譜を使えた方は喜んでいるのかな
    デモ書き込みとか見られるのは恥ずかしいのかしらん

    豪華なサラダです
    人参も細く切れてますが一番手前は太いでがんす
    写真を撮る時は盛り付けも気をつけるでがんすヨン

    • よはねす よはねす より:

      はい、いつもいつも能天気というわけではないです、あたしも人間なので。
      あたしは寛容な方だと自分じゃ思っておるのですが、もしかしたら「フフンこの人弾けないでやんの」というオーラが出ているのかも。
      ひとの楽譜を一緒に見るのが原則ですが、同時に自分の楽譜も足元に広げて各自書き込みますよ。書きにくいから「絶対自分の楽譜を使いたい」っていう人もいますが、遠慮しない人だなーとは感じちゃいます。
      そしてニンジンが太いですって?うなゆきさんも繊細なところありますね。これ、スライサーで細切りにしているので今度スライサーに言い聞かせておきますね。で、出かける直前に時間が足りなくなって慌てて写真を撮りました。見破られた。でもきっと、慌ててなくてもあんまり見栄えは気にしない派です。言われても直さない、常にそういう性格なのです。動物占いだと象さんです。

  2. にゃんた より:

    ま、そういう時もあるわね。
    人の気持ちはわかんないもんだし、そういうこともあるあるで。
    ピチ、ほんと太いね。
    伊勢うどんみたい。

    • よはねす よはねす より:

      そうですよね。あたしだってね、人並みに浮き沈みはあるんですよってことで。
      ピチは伊勢うどんと正反対、とっても噛みごたえがありますよ。そしてどっちも好き。