とある迎賓館にて楽しい特訓

室内楽の特訓をしてきた。

1曲だけのために3時間。

フルート、バイオリン、ピアノの三重奏という楽譜だけど、これにチェロを加えて演奏するYouTubeが多い。
チェロさんを一度入れて練習してみたけどイヤだったようで抜けられ、三人でやることにした。

バイオリンは旧知の友人だけど、フルートさんはまだ数回しか顔を合わせたことがない。
すごく上手なのに謙虚で、でもひょうきんな表情も見せてくれて、友人に言わせれば天使のように優しい。

フルートさんのご自宅近くに、素敵な練習場所があるとお誘いをいただいた。


待ち合わせは駅の改札、お互いマスクをしてるから、目が合っても仲間なのか自信がない!
でも、改札の外から一生懸命探しているのは一人だけみたい。
勇気を出して、ニコニコしながら両手を振って近づいたら、、合ってたー。よかったー。

友人もやって来て、三人で路線バスに乗って約10分。
ちなみに、駅は二子玉川。一度だけ行ったことがあるけどたぶん40年以上前。
ものすごい大都会で、びっくりしてしまった。
友人の甥御さんがここの楽天にお勤めだそうで「こんなところだったんですねー」と嬉しそう。

着いた場所は打って変わって、まるで箱根に旅行に来たかのような深い緑の中。
緑を抜けたら、すんごい豪邸ばっかりの住宅地だった。


目的の練習場所は、Webでは「松本迎賓館」という名前だけど、看板は「音楽迎賓館」。あら?
よーく見たら、小さく「松本記念」いう字が前に付いてた。
知ってる人じゃなきゃ行けないと思う。

ベーゼンドルファー
ポジティブオルガン

練習室はいくつかあるんだけど、ピアノが使えるのは一番大きな部屋。
木の香りがするし、ステンドグラスだらけの窓が大きい。
チェンバロにパイプオルガンまであるし、ピアノはぬぁんと泣く子も黙るベーゼンドルファー。
いうことないっす。

いや、こんな高級機種触るの初めてで。
最初のうちは思ったような音が出ない。
部屋の広さがいつもと違いすぎるから、反響されて返ってくる音が聴きなれないんだ。

友人たちも「聞こえないからもっとガンガン弾いて」という。
あたしも聞こえないから強めに弾いてたつもりだったけど。
でも、弾いてるうちにだんだん仲良くなってきたような。
ニュアンスまで聞き取れるようになってきた。

2時間ぐらい弾きまくって、録音して(実はスマホで録音したのこれが初めて)。
あたしもフルートさんも、録音したのに再生できない。同類がいるってうれしいねえ。何も解決しないけど。
でも、二人とも自力で頑張ってなんとか再生はできたよ。

練習に少し疲れて、フルートさん推しの「カール・リヒター」聴いてみましょうか、とスマホを鳴らしてくれた。
リヒターは指揮者。フルートはオーレル・ニコレ。
友人は、自分との余りの違いに「恥ずかしくなっちゃった」なんて言ってたな。

もう一度自分たちで通してやってみて、問題点がうまく通るようになってきた。
まだ練習時間は1時間ぐらい残っている。
この素敵なホールを1曲だけで終わらすのはもったいない。

来るときのバスの中でね、バイオリンさんが「こんなの持ってきたー」と楽譜を1冊取り出したのよ。
フルートとバイオリンで奏でる曲集、ピアノ伴奏つき。

そしたらさ、フルートさんも「わたしも」ってバッグから取り出した楽譜が、バイオリンさんのと全く同じだった。
えーっ!公共のバスの中なのに爆笑しちゃったよ。

せっかく重たい楽譜をはるばる持って来てくれたんだから、使わなきゃ。
っていうか、実はこういう名曲集みたいなのがあたしと友人共通の大好物なの。

フルートさんが「これやりましょ」と選んでくれたのは、エルガー「愛の挨拶」。
これならバイオリンの友人とやったことあるよ。
もちろん、フルートが入るのでピアノ伴奏はそれとは違うんだけど、大丈夫。

フルートさんから「初見なのに結構弾けるじゃない」ってほめてくれて、どぎまぎ。
「あ、こんな有名な曲なら何とか」なんて恥じらってみせたけど内心はうれしくてうれしくて。

もっとやりたい。
続いてフルートさんが「これ好きなの」と出した希望は、たぶん連続ドラマで使われたらしい大島ミチル作曲の何か。
ごめん、タイトル忘れた。
初見大好き!と張り切って楽譜を見たら、♯が5つもついてる。
ちょこちょこっと最初の和音をいくつか鳴らしてみたけど、、だめだー。ごめんなさい、まったく知らない曲は弾けません!

じゃあこれはどう、とバイオリンさんが「クリスマスキャロルメドレー」を提案してくれた。
荒野の果てに、から始まり、途中三拍子の曲に変わるところであたしが曲をつかめなくて中断したけど、そこから最後までは通せた。

民謡、童謡メドレーなんかもあったね。
三人で老人ホームに弾きに行ってアルバイトできそう、なんてバイオリンさんは少し本気も混じってるな。

しかし真面目なあたしたちは、また最後に課題曲を通して弾いて、いい気持ちで練習を終えたのであった。

片付けしてたら、隣の小部屋にもまたグランドピアノが置いてある。
すごいなーと言ってたらこのピアノ、ブーニンが弾いてたピアノなんだって。

え?あの、ショパンコンクール優勝で日本中が沸いたスタニスラフ・ブーニン?

このホールの近所にお住まいだそうですよ奥様。
ブーニンファンの奥様方が今後、この辺りに押し寄せたりして。

どうか奥様方「よはねすって人が言いふらしてたので」とはおバラシになりませんように。

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コメント

  1. にゃんた より:

    へー、二子玉にそんなとこあったんだね。ぼくにとってはお家から渋谷まで走る時のただの経由地だったのであまりよく知らない

    とても楽しそうです。良かったね。

    • よはねす より:

      あたしの方がたぶんもっと知らない。自慢じゃないけど中央林間と区別ついてなかったですから。やっぱり迎賓館とかブーニンに興味を示すのは、女性シニアのようです(笑)