N井さんからは、数ヶ月前からお誘いを受けていた。
ブログを日記代わりにしてるからはっきりわかる。5月の初めだった。
いよいよきのうが当日。
片道1時間20分ほどかかるけど、駅からは徒歩4分。
いくら方向音痴のあたしでもさすがに迷わないだろうと思っていたが、やっぱり迷って10分歩いちゃった。
Googleマップで見覚えがある家並み、あーここだここだと思ったらすべての通りがみんな同じような家構えで。
10時20分、やっと表札を発見、ピンポン♪。ドキドキ。
玄関扉から和服美人が登場。ひゃー!!
以前「普段は和服で過ごしたい」とは聞いていたので、いつかその姿を見てみたいとは思っていたよ。
ほんとに見せてくれたー。
着物は地味な単色で、帯も地味ながら大きく椿が描かれてる。
お宅の中に入ったら、まー本だらけ。楽器もやたらたくさん、バイオリンは二つも出しっぱなし、わ、バロックボウもある。
電子ピアノには大きなゴブラン織りかなにかのカバーがかけてあってそのほかマンドリンみたいなケースも。
その合間にCDがあちこちに積まれ、「今年の抱負」の手書きやら、聖書の一節その他印刷物が所狭しと貼られ。
二階でお仕事中というダンナ様がキッチンにいらしたようなので、ご挨拶し。
お紅茶をすてきなカップに注いでもらって、クッキーでまず一息。
展示物についてN井さんと喋ってたら、軽く30分は過ぎてしまった。
予定では、まず1時間N井さんのバイオリンとあたしのピアノの二重奏を練習する。
そのあとオーボエのY子さんが来たら、三重奏を始める。
あたしが道に迷ったものだからさらに時間がないでしょ。
Y子さんには既に、あと30分遅らせてもらうよう連絡してあるんだって。
予定どおり11時半にY子さん到着。あら、ダンナ様に車で送って貰ったのね。
このあと3時まで練習したら、おうちコンサート。そのとき、ダンナ様も聴きに来てくれるんだって。
わ、どうしよう。
お土産にどら焼きを持っていったのだけど、N井さんのダンナ様の分も合わせて4つしか買ってない。
N井さんは「ダイジョブダイジョブ」と微笑んでくれるけど。
Y子さんは以前、N井さんに連れられてあたしの発表会に聴きに来てくれたんだ。
その時顔だけは合わせてた。これが2回目なのに「初めまして」なんて、すごく緊張して恐縮されてる。
オーボエが下手なので、と何度も言われるのだけど。
やだー。習い始めてたった5年というから、そうかと思ったらだまされた。ちゃんと美しい音色じゃん。
5年でここまで来られたら、すごいと思う。
N井さんもあたしも、三年前に合宿に初参加して出会ったんだよね。
それで、Y子さんも来年の合宿に誘っている。
これなら大手を振って参加できますよ!と励ますも「いえいえ、最初は聴くだけにします」だって。
一通り予定の曲の練習が済んだので、楽しいランチ。
電話では「簡単に冷凍パスタとかでごめんなさい」と言ってたのに、カレーを作ってくれてたよ。
それも、家庭菜園で採れたグリンピースとそら豆と落花生の豆カレーだって。
え、家庭菜園のカレーといえば玉ねぎ人参じゃないの?と思ったら、それらも、さらにナスとサツマイモまで入ってた。
ごはんは、玄米100%。米がいいのか炊飯器がいいのか、プチプチがほとんどなくふっくら炊けて、おいしいの。
ごはんもカレーもお代わりしちゃった。
でもね、かわいそうにY子さんは自分で持ってきた蒸しパンか何かしか食べない。
お腹いっぱいだと、楽器が吹けなくなるんだって。
そういえばオーケストラの管楽器の人でも、そういう人いたなあ。なんてかわいそうなんだ。
ランチのあと、三重奏をおさらいしてたら、予定の3時を少し過ぎてしまった。
ちなみに練習していたのはバッハの、オーボエとヴァイオリンのための協奏曲。
元は独奏楽器プラス弦楽の伴奏。伴奏をピアノ一人でできるよう、編曲したものを使った。N井さんの電子ピアノはチェンバロの音色が出せるから、すごくうれしかった。
このピアノでチェンバロの音色を使ったのは初めてだって。この機種でよかった、とみんなも喜んだよ。
ランチのあと、三重奏をおさらいしてたら、予定の3時を少し過ぎてしまった。
玄関のピンポンが鳴ったような気がしたのだけど、二人ともまったく気づかず音楽が止まらない。
気になりながらも2分ほど過ぎ、誰かが失敗して(あたしだったかな?)止まったので玄関を開けてみたら。
やっぱりY子さんのダンナ様が待ってらした。
Y子さんが登場したとき、外には楽器の音は全く聞こえなかったと言ってたよ。
ダンナ様、玄関が開かなくて心細かっただろうなあ。
リビングは吹き抜けで、最初から二重窓だったのだけど、購入後天窓も二重窓にリフォームしたんだって。
なんともうらやましい環境。
Y子さんご夫婦は普通のマンションで、しかも楽器禁止とか。
防音室を購入して、お部屋に置いたんだって。
みんな、熱心だよねえ。
お客様が揃ったので、3時のお茶を。
お菓子は、栗羊羹と栗まんじゅうが二つずつ。ジャンケンで好きなのを選ぶ。
・・・・お菓子を持って、リビングの隣の部屋に持って行くN井さんを目で追ったら、そこがなんと茶室で。
思わず写真を撮らせてもらう。


あ、お手伝いするよと声をかけたら「ではお茶碗を選んで」と言われ。
案内された棚の扉を開けたら大量のお茶道具が。
ほとんど、本格的に茶道を教えるお姉様から譲られたものだという。
でも、ここまであるならN井さんもお免状持ってるんじゃない?
やっぱり取ってるって。
茶室で三人、正座させられる。
へー、お座布団は使わないのねー。
あたしが正客だって。亭主のN井さんに一番近い位置。
二番目、三番目のお客はこぶしを畳について、亭主ににじり寄ってお茶を受け取るの。
かけ軸やお花、お庭のつくばいやベンチ(なんか呼び名があったけど忘れた)を説明してもらったり。
お湯の沸く音や庭の小鳥の声が聞こえるほど、しーんと静まりかえって。
N井さんのゆっくりした動作を見つめていると、右脳が働いてる気がしたよ。
亭主から「どうぞ足は崩して」と言われたので即座に横座りしたけど、Y子夫ぎみは正座を崩さず。すべて終わって立ち上がるとき、痺れてとってもふらふらしてた。かわいそう、真面目な方だ。
長くなったので、今日はこのへんで。
  
  
  
  
コメント
茶室のある家〜
憧れますよ
畳の部屋でゴロゴロと昼寝したい
で、起きたら、ほっぺたに畳の跡がついてるの。
静寂のひと時、いいなぁ〜
そして、直ぐに正座を崩すよはねす先生に親近感です♪
ほっぺに畳の跡・・・忘れてましたよ、懐かしい
畳のへりから18目下がって座るって初めて教えてもらいました
手を目一杯広げて、親指と小指の間が13目とか14目って覚えておくんですって。
そうだ、朝、黒いタイツの小指にちょこっと穴が開いてたんだけど履き直す時間がなくてね
「穴あいてんだけど隠すわ」と笑いながら座ったらY子さんが小声で「ダイジョブダイジョブ」って言ってくれた
どうかな、もっと親近感湧いてくれたか、引かれちゃったらどうしましょ