ちょっと墓参りへ

こないだの、父の命日には用事があって行けなかったので、今日墓参りに行ってきた。

あしたからずっと天気が悪いらしいので、急に思い立って行くことにした。

電車で、かなり乗りでがあるから道中の本を用意しなきゃ。
近くの図書館に仕入れに行って、もろもろ持ち物を用意して、さあ行きましょう。
と思ったら、家の鍵がない。

さっき図書館から帰ってきて、どこに置いた?
どうしてもないので、あとでゆっくり探すことにした。
スペアキーにキーホルダーを付けた。鍵が小さいままだと絶対に失くすからね。

予定より20分遅れて玄関を出ようとしたら、ちゃんとあるべき場所に鍵が入ってた。
3回ぐらい確かめなかったっけ?
つまんないことで力を使ってしまうのはもう慣れっこだけど、なんか人生損してるよな。

現地コンビニで、墓前に供える缶ビールとおつまみを買う。
父も酒は好きだったね。量はたくさんじゃないけど、何でも飲んだな。
しかし、ワインだけは飲まなかった。
父の他界はちょうど50年前なんだけど、そのころワインと言ったら赤玉ポートワインしかなかったでしょ。
それから間もなく、父の同僚が(これまたお酒大好き)「ちょっと面白い酒を見つけまして」と持って来てくれたのはマテウスロゼだった。
ハクション大魔王が出てくる壺みたいな形で、下半分に藁だか蔓だか巻いてあって。
カッコイイと思ったな、子供心に。

あたしが覚えているのは、夜にテレビで野球を見ながら父がビールに枝豆、そして棒サラミを自分でスライスしながらつまんでたこと。
コンビニで、そんなことを思い出してたら「あらびきスライスサラミ」に「むき枝豆あらびき黒胡椒」なんて見つけた。

素晴らしいお天気

一応、墓前にお供えして、拝んで。
コンビニで自分用に買った弁当や持ってきたマフィンを食い散らかし、
えへへ。お父さん、いただきます。
ビールとおつまみに手を出す。

サラミは、そうそうこの味。50年経っても味は変わらないね。
しかし、枝豆は。
わー。ニンニクとコショウで、油炒めしてあるよ。
おとーさん、昔枝豆をこんな味つけして食べたことなかったですね。

で、ビールは当時、たぶんキリンじゃなかったかと思うのだけど。
少なくともスーパードライではないな。
ごめん。あたしが好きだから、これにさせてもらった。

ちょうど50年だというのに、こんな安いお花でお経も上げずにごめんねー。
まあ一応仏教徒のつもりだけど、あんまりお経の有難さはわかってないんだ。
五十回忌は去年だったようだけど、去年さえ墓参りしかしなかったもんね。

そうそうお父さん、今日、会社から最後の郵便が来てましたよ。
源泉徴収票。
お父さんのおかげでこの会社に入れました。
仕事も楽しかった。ありがとうございます。
お父さんの知っている同僚はもちろん一人も残ってないけどね。
この郵便で、この会社とも完全に縁が切れたんだと思う。

50年前、会社の人事の人がうちに来てね。
「これで、すべての縁が切れたことになります」って言って帰ったんだよ。
子どもながらに「そんなものなの!?」って思ったな。

このお墓に来ると、いつも素晴らしいお天気なんだ。
楽しいピクニック気分になるから気に入ってるよ。
最初はね、おじいちゃん、なんでこんな遠いところにお墓買ったのと思ったけど。
息子のお墓を買わなきゃならなかったおじいちゃんもかわいそうだなと、毎回思う。
でも、おじいちゃん、ナイスです。ここで、よかったです。ありがとう。

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コメント

  1. にゃんた より:

    いいお天気のもと、ゆっくりお父さんに報告できたんだね。

    あ、そういや僕親父の墓行ってないや。
    どうも行くの苦手なんだよね。
    場所もしっかり覚えてない。
    お袋がいる間にちゃんと聞いとかなきゃ

    • よはねす より:

      あたしも、大人になって初めて一人で行ったときお墓の場所がわからなかったです!ぜひ場所だけは覚えてくださいね。
      あたしはその時、心の中で「お父さん、どこ」と聞いたら数字が浮かんだんです。
      本当に、その数字の区画にありました。

  2. AMATSUN より:

    素晴らしいお話です。
    文脈もなんかエッセイストみたいです。
    良かった日ですね。

    • よはねす より:

      えー、ありがとうございます。完全に内輪ウケの話だなと思いながら書いておりましたのでうれしいです。良い日になりました。