ウィーン音楽史第二回と、ザッハトルテ

音楽

奥田佳道先生の講演、2回目に行ってきたよ。
雨だけど、ここは行きやすい。100円で乗せてくれる地域バスが、家のすぐ近くから出ているから。
せっかくレインシューズを履いたのに、ほとんど雨降ってない。100円損した。

先生は、歴史の勉強みたいに年号を覚える必要なんてないと前回から何度もおっしゃるけど、やっぱり音楽史を語るにはどうしても必要だ。
シューベルトが死んだ1828年は、ベートーベン没年の直後だったとか。
ベートーベンの墓に並べて埋葬して欲しいと遺言した話は有名だよね。

ウイーン楽友協会(毎年ニューイヤーコンサートをやる会場)へ行く橋を描いた絵がある。

まだ馬車がいる時代、山高帽とステッキの男性とかパニエでスカートを膨らませた女性なんかが書き込まれてるけど、その川は今はない。
ブラームスの葬儀が1897年4月3日に行われ、その次の日から川の埋め立て工事が始まり、暗渠になったんだって。

ブラームスはこのエリザベート橋を毎日渡って楽友協会に通っていたので、中央墓地まで行くブラームスに工事を見せないようにしたという。
ちょっといい話じゃない?

フィガロの結婚を初演したブルク劇場を壊すとき、当時二十歳ほどだったクリムトが指名されて、劇場内部を克明に描いたのが1888年。

その劇場では、決まった座席を持つ客がいて(今でもN響などで同じ制度があると思う)、自分の姿を絵に描き込んでこれという人が大勢いたとか。

でも、ウイーン国立歌劇場を建築中の写真があって、それは1865年なの。
写真の技術がとっくにあるのに、なんでわざわざクリムトに絵を描かせたんだ?
講演が終わってから、奥田先生に聞こうか迷ったのだけど。
話の筋と違うよなーと思いとどまってしまった。
今になって、後悔してるよ。

前回もそうだったけど、講演が終わると先生に話しかけにいく女性が一人、二人。

質問じゃなくて「~のオペラを見てきました」とか、単なるおしゃべりね。

先生は毎週日曜朝8時5分から、音楽解説番組を担当されている。
あたしはその時間、ブログを書くようになってからほぼ聞かなくなってしまったが。
「らじるらじる」アプリを使って、後日聞くことはよくある。

今度の日曜はバーバーのバイオリン協奏曲を取り上げるんだってよ。
まだ今月あと3回、講演があるのね。
その次に、やってほしい曲があったら受け付けてくれるって。
ま、先生も5年以上もやってて、ネタを考えるのも大変なんだろう。でも、もし取り上げてくれたらちょっとうれしいよね。

先週も先生は聴衆に向かって「わたしと一緒にウイーンへ行きませんか」なんて呼びかけてたよ。
普通に、旅行代理店でも「奥田先生と行く○日間」なんてツアーを何回もやってるそうだけど、それとは別に。

先生のファンならば、飛びつくかな。
あたしだって最前列に臆面も無く座る程度にはファンかもしれない。
でも逆に、四六時中先生と一緒なんておこがましい。
音楽は好きだけど、先生が喜んでくださるような反応できないし。

きのうも先生は録音をかけてくださった。
「南国のばら」を弦楽五重奏で演奏していて、「ファーストバイオリンがウイーンっ子よりもウイーンらしい」んだって。
それほど大げさではなかった。
音程が上に飛び上がるところでちょこっとポルタメントをかけるとか、ほんの一瞬の間を開けて急に音を小さくするとか。
あたしは「ああ、ここね」とニヤッとしたけど他の聴衆は聞き取れたかな。

先生は「これがわからない人とは友達でいたくないですね」とまでおっしゃったから、全員「わかった」って顔をしたんだろうな。

あとは、ザッハトルテの話をしっかりしてくれたな。

ホテル「ザッハ」のパティシエが考えた?アンズで酸味をつけてチョコレートでコーティングし、日持ちするように作られたケーキ。
どこかで「ザッハトルテください」と言ったら「我々は持っていない。But、インペリアルトルテなら持っている」と言われたとか。
「ザッハが先か、インペリアルが先か」という、日本でもよくあるような論争があちらでもあるそうで。

ところで、昔のザッハトルテに添えられたクリームには砂糖が入っていなかった。
最近は観光客におもねって、クリームに砂糖が入るようになってしまった。
先生が給仕係に「砂糖の入らないクリームを」と頼むと「お客さん、わかってまんな」という顔をしてくれるが「お年はいくつですか」と聞かれるようだよ。

あたしも、このケーキに付けるクリームはぜひ無糖がほしい。
昔、会社の近くのイタリアンでパスタランチを週に一度か二度ほど食べに行っててさ。
いろんな小さいケーキを必ず付けてくれるんだけど、そこのチョコレートケーキが出てくると最高にうれしかったよ。
アンズは使ってないからザッハトルテじゃないけど、チョコが濃厚でクリームも付けてくれるの。
もちろん、無糖!ケーキが甘いのだもの、クリームまで甘かったらくどい。

あるときからクリームを付けなくなって、すっごく寂しかったなあ。

本日のオマケ

寒くなったから、煮込み料理が作れるようになった。

でも、冷蔵庫にあるのは夏野菜。青ナス、パプリカ、甘長とうがらし、セロリ。これをトマトジュースで煮込んで、ラタトゥイユっぽいもの。

青ナスは1個でも大きい。切れ端をラタトゥイユもどきに使って、太いところはなすピザにした。

ぎっちり詰め込んだのに、焼いたら縮まってスカスカになっちゃったね。

残りもののゴボウサラダも食べたらもうお腹いっぱい。ラタトゥイユは鍋のまま味見して、やっぱりトマト味が足りない。このあとジュースを足して軽く混ぜたら、煮直さなくてもいい感じになった。

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コメント

  1. うなゆき より:

    ザッハトルテを最初に食べたの、いつだったか。
    ケーキなのに大きなお皿で、クリーム添えられてて…
    存在を知らなかったので、ビックリしたけど、澄まし顔で食べたのよ
    フォークも家のと違って、少し大きくてさ。

    ウイーンらしい弾き方か〜
    イヤイヤ、こう言う部分の弾き方が、って前もって教えて欲しいヨン、と何も関係無いオバチャンは思ってます