ミニチェンバロがうちに来てからというもの。
急ぎで練習しなきゃいけない曲たちをほっぽらかして、ついついチェンバロにばかりかまけてしまう。
きのうは楽しい楽しいチェンバロレッスンの日。
先週、「おさらい会」用の曲を決めてくるように言われたのだけど決まらない。
やりたい曲はたくさんある。
ロワイエの「めまい」は割と最近知った曲で、まるでロックみたいに派手ハデ。
チェンバロでもロックできるんだぜ、って感じでしょ。
ラモーのキクロペス(一つ目巨人)、王太子妃、タンブーラン、未開人・・・・
みんなハデ。イコール、難しい。そして、長い。
迷って決められないまま全部の楽譜を持って行ったら、先生が決めてくださった。
あたしが中学生の時から大好きだった、ラモーのガヴォット(と変奏)。
3年前、最初にこの教室の門を叩いて「お試しレッスン」をしてもらったとき、「何でもいいから弾いてみて」と言われてこれを弾いたんだ。
思い出すたび、恥ずかしくなる。チェンバロの「チ」の字も知らなかった。
習ってないからしょうがないけどさ。
主題のあと、変奏が6つ続くの。
教室のチェンバロは鍵盤が1段しかないけど、弦はたくさん張ってあって。
あたしはまだ仕組みがよくわかってないけど、二つのレバーのオンオフ切り替えで地味で小さい音からジャリジャリの派手な音まで、4種類ぐらいから選べる。
変奏が進むたびにレバーを切り替えて、どんどん派手になっていくので思わず「おおっ」と感嘆の声を上げてしまったよ。
かっこいー。派手は美徳だ。
二段鍵盤だと、二倍の8段階まで付けられるそうだ。
その代わり、弦の数が増えるから調律の手間が大変になるよ。
それで、先生が思い出されたのかな。
もうレッスン時間があと5分しかないというのに、急に調律の説明を始められた。
純正調、平均律、その他。しか知らなかった。
スマホアプリだと、ピアノと同じ平均律になっちゃう。
でも、課金すればバロックのいろいろな調が出せるアプリがあるんだってさ。
といっても300円ぐらい、たいした額ではないそうだ。
そして、アプリなど使わず、耳でチューニングできるようになりたい。
先生があたしに覚えさせたいのは「ヴァロッティ」という調律法。聞いたこともないぞ。
面白い。ラが基準音なのは世の常識と一緒。
ラの音をスマホで取ったら、それをチェンバロで響かせながらドを取る。1秒間に、うねりが3回か4回。
うねりが0回だと純正調だよ。3回だか4回だか2回だか、あたしは全然聞き取れない。でも、先生もそこまで聞き取れてないとおっしゃってた。
ドを合わせたら次に・・・と、12音全部の順番と、うねりの幅が広かったり狭かったり、決まってる。
ピアノでいう黒鍵は全部、うねりが無い純正調なの。へーー!!
最初、先生のスマホで基準音を取ったとき、教室のチェンバロとけっこう狂いがあってね。
おかしいと思ったら、あたしの前の生徒さんにもさっき調律を教えたところだったんだって。
その生徒さんの持っている楽器は440ヘルツ固定だそうなので、その音を出していたみたい。
へー。その人とはおさらい会で会えるだろうから、その時に楽器の話もしてみたいなー。
調律法の本はもちろんたくさんあるそうだけど、薄い本を紹介してくださった。
そんな本、そんじょそこらに売ってない。
目白まで買いに行かなきゃー。
おさらい会では、この曲と同じ調の、他の曲も組み合わせてほしいらしい。
あたしがフランス物ばかり好きなので、偏るからドイツものも入れたいとか。できたら、ラモーやバッハより古い時代の曲。
バッハの平均律はやりましたよね、と聞かれ。あ、1巻しかやってないです、と答える。
平均律曲集は第2巻まであるんだけど、そこまで行き着かないうちにピアノはリタイアしちゃった。
バッハは個人的につまんなくて少々辛かったから、解放されたと思っていたけど。
やっぱりバッハは基本だよなー。避けられないものなんだ。
先生は、もしかしたらバッハがお得意なのかもしれない。
しかしあたしが少し抵抗があることを感じ取ってくださったのだと思う。
以前、教本に入っていたスウェーリンクの「涙のパヴァーヌ」にしましょう、と言ってくださった。
あたしも、スウェーリンクって言おうかなーとそのとき考えてたんだ。
スウェーリンクって、名前しか聞いたことないんだ。ドイツ人じゃなさそうだと思ったから、口に出せなかった。
今調べたらオランダ人だったよ。
1562年生まれ、へーあたしのちょうど400歳年上なんだ。
本当は、組曲から何曲か入れてほしかったと言われた。
組曲というと、アルマンドとかクーラントとか、舞曲集ですよね?
と、持ってた楽譜をひっくり返したらラモーのガヴォットが入ってる同じ曲集に、アルマンドがあったんだ。
やった形跡はないけど、別の本でたしか前の先生から習ったことがある。
いい曲だ。
もう1曲は、これに決まり。
ああわくわくする。
3曲、練習をすぐ始めたい。
それと、調律法の薄い本も買いに行かなきゃ。
ああ、忙しい。いつ行けるんだろう。
本日のオマケ

レッスンの後は、料理の時間も気力も体力もない。
うどんといっしょにラム肉を茹でて、うどんに付いてた柚子つゆをぶっかけてズッキーニを散らした。
右上のは、スーパーで買った鶏レバーの甘辛煮をパックのまま。甘すぎるんだよ。洗い流せばよかった。商品名シールは「鶏のレバー焼」って書いてあったな。焼いた上にみたらしタレを掛けたのか。あたしは団子にだってこんなタレは掛けたくないなあ。
こないだの満月には米粉で団子を作りたかったけど、やっぱり。案の定。五十代の頃は作ったこともあったけど、もう死ぬまで作れないのかもしれない。



コメント
派手は美徳に激しく同意でござる
でも、この曲は危険!
志し高く、人々の為に尽くして努力したのに
人々に裏切られ、深い虚無感に陥ってると
悪魔が囁くのよ…
こっちに、転れ とね。
あの唐突な終わり
悪魔のニヤリとした笑いを現してるわ〜
キャ〜 危ない 危ない
はは~出ましたね、うなゆき節。そう言われれば悪魔の高笑いに聞こえて来ちゃいました。もしくは、悪魔が振り返って舌を出してるような。
このエンディングは楽譜と違うんです。最後の一音を出さないで立ち上がっちゃう。なんなんでしょうね。それこそ、悪魔と契約して最後の一音だけは悪魔に取り上げられたとか!