追われないとやらない

会社員生活も終盤のころ、あたしは自分の音楽好きを疑い始めていた。

ラジオですてきな曲が流れるとすぐに五線ノートにメモするのが、中学生の頃からの趣味だったのに。
だんだんラジオも聞き流すようになり、聞き飽きた曲や現代音楽などが流れるとスイッチを切ってしまう。

だから、若い演奏家の名前も覚えない。知ってるのは中学生のころ活躍していた、現在では超巨匠になってる人だけ。
新しく練習したい曲も特に見つからないし、市民オケで楽器を片づけたら次の練習まで蓋も開けないとか。

それは、仕事と生活に時間と体力を使ってしまって、余力がなにも残らなかったからだと思う。

退職したら思い切り練習するぞ、と思っていたけど、参加する音楽団体も三つほど増やしたのでいやも応もなく練習の必要に迫られた。
もちろん憧れて好きで範囲を広げたわけで、それは幸せなんだけど。

まだ何か足りないな。
そうだ、合奏じゃなくてソロ曲も好きなんだった。

あ、チェンバロのレッスンはソロ曲しかやってないや。
じゃあ、足りないのはピアノソロだ。

ネットで「発表会に向いている曲」というサイトをたまたま見つけて
もう、このサイトを見てるだけでヨダレが垂れそうなんだけど

どうも、あたしの好みは「ダイナミック系」みたいだ。
よはねす・ブラームス様は同名のよしみもあって、元々大好き。
その「バラード」、たまんないねえ。

プロコフィエフのバレエ曲ロミオとジュリエットからの10の小品、というピアノ曲も載ってる。 有名なのは「モンタギュー家とキャピュレット家」、CMで使われたんだっけ。

ブラームス様の楽譜は元々持ってた。
在職中に、老後の楽しみ用に楽譜を少しずつプリントした蓄えの中に「ロメジュリ」もあった。
そのうち、これなら弾けるかな、弾きたいというのは3曲しかなかったけど。

弾いてみたらぜーんぜん弾けないけど、楽しい。
自分で満足するほど弾けるようになるだろうか。

ピアノ教室では「上級」って言われて、お高いレッスン料を母が払ってくれたんだけど。
このブラームスもプロコフィエフも「中級」だってよ。
これぐらい、練習したらすぐに弾けるようになるはず。

ところが、すごーくゆっくりにしか弾けない。悲しい。練習、できない。
いつも、どの曲も、この段階であきらめちゃうんだよな。

親友はピアノの名手なんだけど「ひと前で弾いたらうまくなります」って言ってたよ。
やっぱり、合奏とかレッスンで、仲間や先生に聞いてもらう機会がないとうまくなれないのかも。
独学で弾けるようになる人、心底すごいと思う。
あたしより何倍も、音楽が好きなんだろうねえ。

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コメント

  1. にゃんた より:

    音楽の好きさ加減なんて性格もあるから比べられるもんじゃないんじゃないの。
    ヨハネスさんは普通に音楽のお馬鹿さん

    ロミジュリだー。
    聞いたことあると思ったらソフトバンクのCMだったのね。

    • よはねす よはねす より:

      性格かあ。確かに、練習努力を続けられるかどうかって性格もありますね。そうですね、自分を基準にして「普通」と思うことにします。あたしより弾けるひとはすごい。弾けない、聞かない人は「普通」よりは音楽が好きじゃない人。
      好きな曲がCMやスケート競技に使われると、いつも残念に思うのです。「この曲ステキなのよ」って知ってること自慢できなくなっちゃうから。