若見えについて

おおよその日本人女性は、若く見えたいと思っているだろう。
あたしの長年の推しであるいしだあゆみ氏は「早く60歳になりたかった」と述べたことがあって、変わり者だと思ったよ。

あたしも大多数のうちの一人だ。しかもその願望の強さも、人後に落ちない。

だってね。あたしは可愛いか美しいかといえば、どちらでもない「かわいそう系」と自分で名付けた分類に入れているんだ。
ごくたまに、何かの加減で鏡を見たとき「きれいかも」と思う一瞬があって、クラスメイトに言ったら思い切り「ええっっ」と派手に驚かれた。しゅん。。

で、あたしの外見をホメるとしたら「若く見える」ことしかなくってね。
実際は、「わかい」というより「バカい」というか、ものを知らず幼く見えるというのが本当のところ。
でも、若く見えることがあたしにとって最大の価値があることだ。って刷り込まれちゃったの。

オーケストラには26歳で入団したんだけど、「高校生かと思った」と言われた。
ま、これは極端な例だけど。
30歳ごろ、後から入団してきた高校生男子たちからは「大学生かと思った」と言われた、ごめん自慢して。
かわいそうにね、まわりにホンモノの女子大生いなくて見たことなかったんだよ、きっと。

そんなあたしも、そりゃウン十年も経てば人並みに苦労もしたし、使い込んだ皮膚だって経年劣化するわさ。

現在、同じオーケストラに続けて通っているわけだけど、「もう今年でカンレキになったのー」なんて言うとだいたい皆さん驚いてくれる。
でもいっしょに34年もいるんだから、自分の年齢を合わせて考えりゃだいたいわかるはず。
もし若く見えるとしたらね、みんな目が悪くなって、見えてないから、昔に記憶したあたしの顔を脳裏に浮かべながらしゃべってるんだよ。

で、やっぱりね、最近新しく知り合いになった人からは「若い」と言われることはほぼなくなった。
こないだ楽器経験を聞かれて「26歳でオーケストラに入って」と言ったら
「今幾つだか知らないからそれじゃ(経験年数が)わからない」と言われ。
はにかみつつ「ちょうど60歳です」ってズバリ言ったけど皆さん無言だったわ。
へへ。何期待してるんだろ、あたし。

イヤな人から「若いですね」と言われたときは「あなたは若いほうが価値があると思ってるんですね」と言い返したことがある。
そのときはうまく返せたと思ったけど、こうして今書くとあたしもかなりイヤなやつだ。
いいの、この人にしかそんなこと言ったことないから。

まだまだ、若見えには未練があるよ。
でもね。
いくら外見が若く見えたとしても、「本当」には若くないの。
がんばっても、実際の皮膚は60年使ってるの。
傾いた太陽を呼び戻すことなんて、できないの。

だから、目標を変えた。
「実際より若い年齢に見える」から「かわいいおばあちゃん」になることへ。
脳が縮んできて思い通りにならず、怒りっぽくなってしまうのを恐れている。
そうじゃなくて、脳足りんでもご機嫌でいれば、少々の失敗もかわいいと許せるんじゃないか。
そういう老人になりたい。

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コメント

  1. にゃんた より:

    あ、おんなじ、おんなじ。
    ぼくも久しぶりに同級生なんかに会うとよく言われる。若いって。
    「うん、だって相変わらずバカだから」
    って答えてて、本当にそう思ってる。
    で、そんな自分が嫌いじゃない(^^

    • よはねす より:

      そうね。ほんとは苦労もしてるのに若いと言われるのは、決して嫌うべきことじゃないです。素直に喜びましょー。
      あたしは利口になったわけでもないのに、最近どうも外見が真実の年齢を超えてきたようです。初めて会う人に年齢言っても喜ぶこと言ってもらえない。でもおべっか言われるよりいいかと。いいの、負け惜しみでも。自分で自分のこと、もう嫌いじゃなくなったから。