終わったことをいつまでも

きのう、歯医者に行ったの。

早めに家を出たつもりが、やっぱりどこかで時間がかかって、予定より1本あとの電車に乗ったのね。
とはいっても、東京地下鉄ですよ。5分しか違わない。

それでも、予約の12時を2分ぐらい過ぎてしまったの。
駅から歩く時間の見積もりも、甘かった。

歯医者の受付で診察券を出すとき一応「遅れてしまってすみません」と言ったんだけど。
2分ぐらいなら「いいえ大丈夫ですよ」と笑ってくれると思ってたら、なんか反応が違う。

そして診療室に通され、先生登場。
先生にも「遅れちゃってすみません」と言ったら、やっぱり「ええ」ぐらいの反応。
「今日は寒くなりましたね」と言われてあたしはケープから腕を出し、袖なしの服であることをアピール。

○駅からずっと上り坂だったので、今暑いです。

先生「○から、焦って急いで歩いちゃったんでしょう」

い、いや、実はあまり焦りもせず普通に歩いてきた、とは言えなかった。

取れちゃった銀歯を作ってはめてもらうのと、定期クリーニングをしてもらった。
全部終わって先生が「よはねすさん、すみません」と言い出す。
「前回言っておかなかったんですけど、今日お会計がいつもより高いです」

えー、高いと言ってもウン万円なんかしないですよね？
働いてないけど、それぐらいは貯金あるから大丈夫です。

先生笑ってくれたけど、ウクライナ情勢のため、銀歯も材料費が高騰してるんだって。
お会計、7880円。あらほんと。ちょっとびっくりした。

会計を済ませ、次回クリーニングの予約をし。
ふう。さて、新しい歯を使って、ランチに行こう。
スパゲティの看板を見つけて入ったけど、寒いので気が変わってカレードリアにした。
お店すいてるのになかなか料理が出てこない。ドリアに焦げ目を付けてるんだろう。

もちろん本を持ち歩いてるからいいんだけど、なんとなくスマホを取り出して。
電車に乗るときいつも機内モードにしてるんだけど、それを解除してなかった。
解除したら留守電あり。11時40分か。
またどうせ証券会社だろうほっとけ、と思ったけど、ヒマなので聞いてみた。

「△歯科でございます。本日11時半のご予約ですがお見えになってないのでご連絡いたします。もしできましたら、ご返信をお願いします」

げ、げーっ！うっそでしょう？

予約、用事があって変更したときにさ、12時って言ったよね！？
変更前は確かに11時半だったけど。

と言っても、診察券に手書きで書く予約時間は電話変更する前のもの。
証拠はない。きっと、あたしが勘違いしたんだよね。手帳に書くときに。

歯医者さんたちの微妙な反応が、やっと意味がわかったわ。遅すぎるけど。

もう、ドリアが運ばれてくるまでに10回は独り言繰り返したよ。
ああ、ばかばか。だめだー。ばかだったー。

うちに帰ってきてからも、寝るまでずっと独り言言い続けた。ピアノ練習してる時以外は。

失敗から立ち直れないって、もしかして仕事なくてヒマだからかねえ。
仕事で忙しかったら、終わったことなんか考えてる暇ないもんね。
ヒマって、こういう時にはよくないや。