発表会と、三年半ぶりのウチアゲ

ビールとジュースで乾杯 音楽

はーっ、はーっ、は~
びゅりふぉーさ~んでー
と、頭から背中から湯気が止まらない日曜だったね。

きのうは、半年に一度の室内楽発表会だった。

ドボルザークピアノ五重奏は、すごくすてきな曲。
でも、あたしにはかなり難しくて、1年以上前からずっと練習してきた。
持ち時間が15分なので、今回の発表は第一楽章だけだよ。

半年前の発表会では、「大事故」といっていいことが起きたので、かなり怖かったんだ。

あの轍だけは踏みたくない。
とにかく冷静に、冷静に。

あんまり感情込められなかったし、最後どんどん速くなって駆け上がるところも抑えた。
おかげで、休んでるところの長さも間違えなかったし。
(練習時ではなぜか毎回間違う癖がついてた)

そりゃ、大量の和音をバンバン流すところはミスタッチしたけど、キメの和音だけは全部バッチリ。
最後にバン!と全員で和音を鳴らしたとき、は~ってため息とともにニッコリしてしまった。

なんとか、大失敗もなく、終わった終わったー。

リハーサルの時、譜めくりしてくれたピアニストさんから助言をもらったよ。
最弱音で分散和音を弾く時、タッチが弱すぎて出ない音がいくつもあったのね。
「ソフトペダルを踏んでしっかり弾いたほうが、怖くなく弱い音が出せますよ」って。

あたしねえ、ソフトペダル今まで使ったことなかったんだ。
「もし、踏む余裕があったら踏みます」って感謝してその助言を受け取った。

そしたら、本番でけっこう冷静にソフトペダルも踏めたの。

音楽の話はこれぐらいでいいや。
今回の発表会はね、なんと三年半ぶりのウチアゲがあったんだよ!

いつもは原則全員参加だけど、今回は希望者のみ。
ところが逆に、いつも絶対こない人たち(若夫婦)が来てくれたよ。

こっそり教えてくれた人がいた、今回幹事さんが欠席だから来たんだって。
あらま。
幹事さん、決して悪い人じゃないんだけどね。
なんか、方針が合わないって人も、そりゃー集団の中に一人や二人はいて当たりまえ。

その若夫婦はバイオリンとピアノ。どちらも上手なだけに、一緒に組む人がいつも同じ上手な人たちとガッチリ固定しちゃってて。
打ち上げにも来ないから、あたしと話したことがなかったんだ。

かんぱーい!をやってから、早速そっちのテーブルに割り込んで挨拶した。
でも食べ物が配られたのですぐ自分のテーブルに戻ってしまった。ああ、自分の食い意地が恨めしい。

テーブル、なんとなく二つに分かれちゃってさ。
あたしのほうはおじいちゃんが集まっちゃった。
音楽の真面目な話はできるけど、なんか技術の話になっちゃって、心が動くような話にならない。

呑み放題タイムが終わって、おじいちゃんたちがぽろぽろと抜けて帰り出す。
あっちのテーブルにいたママさん(末っ子が中学生)が、こっちに来てくれた。
さっきは話が盛り上がらなかったクラリネットおじさん(だってあたしのちょい苦手なベートーベンフリークなんだ)が、同じくベートーベン大好きママさんと話が盛り上がる。
ベートーベンの四重奏の深ーい話ができてクラさんも急に生き生きとしてきたし、ママさんも意外すぎて「スゴイですね」と苦笑いしてる。

自分たちがこれからやりたい曲の話になって、やっとあたしの心も動き出した。
ママさん、ベートーベン初期や中期の作品が大好き。
「後期は別ものですよね」にみんなうなずく。
次は、順番から行ったら「セリオーソ」なんだけど、あれはちょっと山が高すぎる。
1年ぐらい後回しにして、他の曲をやるんだって。

ちょうど「セリオーソ」にグッと来ていたところだから、そんな話もついていけて楽しかった。

そういえば、あたしのドボルザークが終わった直後にこのママさんがいてね。
「よはねすさん、ピアノが本職なんですね」なんてちょっとほめてくれたんだ。
その時は「いえいえ。でもありがとうございます」とやり過ごした。

でね、この席で「ちょっとテンポがゆっくりだった」って感想をもらった。
一生懸命みんなの音を聴きながら、ピアノだけ先に走らないように気を付けてたからね。
むしろ、そういう人は置いてって、いいテンポで進んじゃっていいんだそうだ。
弦が難しくて弾けないんだったら、音4つのところ3つだけ弾いたっていい。

ママさん、歳は少し若いけど、かなり弾けるし経験もあるんだ。
あたしがこの会に入ったとき初めて組んだ人。
その時一緒に組んだもう一人の女性もいつの間にか話に加わって。
緊張しまくってたのに、この二人が最初から自然に溶け込ませてくれた、いつでもホッとできる人たち。

なのに、あれ以来ほとんど組むチャンスがなかったなあ。

いい音楽を、いい仲間と組んでできたら。「死んでもいい」ってほど幸せを味わえるよ。
あの、メンバー固定の若夫婦も、それで辞められないんだろうなあ。

最後に「やっぱり打ちあげは必要ですね」って言う人がいて、全員が賛同した。
いいところを噛み締め味わい直し、悪いところは水(酒?)にさっぱり流し。

お酒が飲めなくても飲み会の雰囲気は好き、って人よくいるよね。
あの若夫婦もノンアルでめちゃくちゃ盛り上がってたし。
人間嫌いなのかと思ってたら、違ったよ。

あたしも、友達なんていらないって常に言ってるけど。
気持ちが通じる人がいてこそ、音楽も感動できるんだなって思ったよ。

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コメント

  1. うなゆき より:

    セリオーソ 
    他のYouTubeを見ると又全然違う感じでびっくり‼️

    気持ちの通じ合う音楽仲間と楽しいビール
    人生のご褒美ですね
    何だかTVの“人生の楽園”みたいで羨ましいですヨ

    • よはねす よはねす より:

      うーむ。演奏の違いを楽しめるなんて、うなゆきさん音楽鑑賞の真髄を心得てらっしゃる。あたしも、そこまでの域に達したい。
      人生の楽園という番組があるのですね。テレビ朝日ホームページを見たら、ほっこり系みたいですね。すてきな比喩、ありがとうございます。