映像演出付きピアノリサイタル

かねてから一度拝みたいと思っていたアリス＝紗良・オットちゃんのリサイタルに行ってきた。

何を拝みたいかって。ずっと変わらない美貌や前下がりボブヘアもさることながら、そのおみ足、あんよである。

ステージ上では決して靴など履かない、素足裸足だそうで。
だいたいロングドレスだろうから、見えるかなあ。

取れた席は3階。オペラグラスまで持って行った。

ステージで調律中の写真を撮らせてもらった。
ピアノがぼんやり浮かび上がる、暗めの照明で。
後ろのスクリーンに映像を投影するから、こんなに暗いんだね。

紗良オットちゃん（と、彼女のお友達のチェリストが呼んでたのを聞いたことがある）が出て来た。
濃い青のワイドパンツスーツ、白い素足が映える。
マイクを持ってピアノ椅子に腰かけ、脚を組んだので足は拝み放題。

コロナ禍の中、このような映像付きプロジェクトを起こし、もう2年続けているけれど、そろそろ卒業するとのこと。
ショパンの24の前奏曲を順番に演奏するのだけど、合間に現代曲を7つ挟む。

映像、最初は真っ暗な中に白い点が増えてきて、銀河のようになった。
ヨーロッパの遺跡のような石造りの建造物に日光が当たり影が形を変える様は、ちょっとピタゴラスイッチを見ているような面白さがある。

でも、、暗いんだよ。
現代曲はほとんど眠ってた気がする。
ショパンに戻ったときだけ、あ、ああ。と生き返る。
そして、ショパンの最後の一音を延ばして消えないうちに次の現代曲に移る。

映像も、曲が変わるとピタリ同時に変わる。
映像と演奏、どちらを調整して合わせてるのかわからないけど、なかなか凝ってる。
最後の方、映像がすべて消えて真っ暗になった。
紗良オットちゃん、その真っ暗闇の中で現代曲を弾き始めた。

1年以上前、プラネタリウムでの生演奏を聴いたけど、ずっとこんな感じだったなあ。

ショパンのこの曲、エンディングが強烈なんだ。
もう大昔になってしまうけど、ダン・タイソンが弾くのをテレビでみたことがある。
最後の一音の左右の鍵盤を左手の指でそっと押して、右手のげんこつで目的の音を殴ってた。

紗良オットちゃんはどう弾くんだろう。興味津々。
さいごの3つの音、ふたつはガツンと衝撃的。3つめは少し名残惜し気な音色に変えた。
ほっほーう。
と感心する間もなく、最終曲。これはモーツァルトのレクイエムの一曲を、彼女自身が編曲したのだという。

言わずと知れたレクイエム、この「ラクリモーサ」を8小節書いたところでモーツァルトは絶命したそうだ。
よーく知ってるメロディだけど、編曲がすごく難解。そのメロディが聞き取れたのはほんの少し。
見事な編曲、って言うんだろうなあ。でもこれを真似して弾きたい人ってほとんどいない気がする。

すべてのプログラムを終えて、拍手で呼び戻された彼女はまたマイクを取ってたくさん喋ってくれた。
日本に住んだことはないとプログラムに書いてあったけど、完璧な日本語だ。
下手したらあたしより上手くしゃべってるよ。
お母さまがお一人で、彼女に日本語を教えたのだろうか。お母さまも偉いなあ。

こないだ会ったハワイ在住友人の娘さんは、日本に遊びに来た際何とか店員さんにオーダーできる、という程度のカタコトの日本語を話すよ。

演奏も、映像も、おみ足も、すべて堪能し尽くして満足な一夜だった。

このホールに行くと絶対撮っちゃうスカイツリーに、たぶんこの季節だけの駅前ライティング。

もひとつオマケにきのうの夕ご飯。

パスタは卵入り細麺「タヤリン」、ソースは「牛肉のバルベーラ煮込み」ってレトルト。

青梗菜を塩茹でしてごま油とすりごまで味つけした。ちょっと塩きかせすぎた。

ワイン飲んでもよかったんだけど、飲めない時用に買ってみたこれがどうしても味見したくて。

・・・どうせならぶどうジュースのほうがおいしかった・・・