嫌いだった学校の同窓会に出た

交流、交際

その学校がなぜ嫌いだったかというと、我々生徒学生を幼稚園児のように扱うから。
「ポケットから手を出して歩きましょう」なんてつまんない標語看板を校庭に立てたり。

付属中学高校から上がってきた人たちなんて「軍隊みたい」と言ってたよ。
貧血を起こして机に突っ伏してたクラスメイトに先生が誤解してチョークを投げつけたら、ちょうどその子が起き上がって見事おでこに命中、なんて事件もあったな。

そしてあたしは、希望していなかった学校だったのでクラスメイトにも反感を持っていた。
中学から上がってきた人たちはお金持ちお嬢様で華やかだけどまぶしすぎて。
東京近郊から通ってくる人はみな語尾上げがひどくて、ダサく見えた。
そういうあたしは、語尾上げだけは気にするけどクラスで一番ダサかったかもしれない。

運よく、あたしの席の周りは気の合う人が数人いて。
2年間ずっと変わらず仲良くしてもらった。

気まぐれに、10年以上前にクラス会に出席してみたけど、表面だけのお付き合いで特に面白くもなく。
それ以来時々開催されるけど、いつもハガキの「欠席」にマルつけて送るだけだったの。

今年はメールでお知らせをもらったけど、なぜか行ってみようと思ったんだよね。
仕事も辞めて、好きな事だけして幸せに暮らしていると、体は忙しくても心の余裕が出てきたのかなあ。

あ、そうだ。開催場所がうちの近所で、行ってみたいと思ってた店だったのがとても大きかったんだ。
どんな顔して出ようか。あまり口を開かず、静かに微笑んで帰って来よう、なんて思ってた。

貸し切りフロアに入ったら、早めに来ていた幹事グループが一斉に「よはねすだぁ!」と大歓迎してくれたの。
その人たちは、付属から来た眩しいグループ。
その中の一人は、1週間前に同好会の食事会で会ったばかりの元主将。「久しぶり」なんて意味ありげな挨拶するから、あたしも思わず破顔一笑。

テンションが上がって、奥のテーブルに集まってるグループに顔を出したらそこでも大歓迎してくれたよ。
卒業以来初めての人もいたし、じっと顔を見ないと誰だったか思い出せない人も。
でもあたしには「変わってないね」と言ってくれたり「話し方があの時のまま」とか、懐かしがってくれて。

もちろん半分はお世辞だろうと思うけれど、それを差し引いてもとてもうれしかったんだ。
元主将のところに戻って「先週、一番変わったと言われて実は結構こたえてたんだ」と打ち明けたら。
「それは、素敵になったって意味だよ」なーんて言ってもらって、すっかり真に受ける。

せっかく会ったんだから、テンション上げて楽しく過ごすのがマナー。
でも、そんな作ったテンションではなく自然に、思った以上に楽しめたよ。

一人ずつの近況報告は、みんな語る語る。親の介護、孫の話、仕事や趣味の話。
病気や老眼の話がほとんど出ないのがすごいなあ。まあ出席した人は健康な人だけだろうけど。

あたしの順番が近づいてくると、食べ物に手をつける余裕がなくなってくる。
頭のなかで「あれとこれをこういう順番で喋ろう」なんて練りながらスプーンを持つけれど、本気で手が震える。

横のほうにいた幹事の元主将が「ここらでトイレに行きたい人もいるだろうし、休みを入れよう」と小声でいうのが聞こえた。
ほんとにこの人、気配りをしっかりしてくれるのだけど、全く気負わずさり気ないのがすごい。
「Tちゃん光り輝いてるよね」とつぶやいたら、仲良したちが教えてくれた。
職場でも最初に昇進して、全部「女性初」でトントンと昇りつめたんだって。

次はあたし、というところで休憩にされて、緊張から脱落。
おかげでトイレに行って、落ち着いたところで再開。
でも、話すつもりだった肝心のところを抜かして、オチがない話で終わってしまった。
みんなが5分以上のところ、あたしは2分ぐらいだったかな。
ほとんどの人が「来年もまた来たいです」で締めくくるのだけど、あたしはそれは言わなかった。

毎回出たいほどの実りがあるとは思えなかったけれど、でも、ひととき楽しく過ごせたんだから、あたしとしては上出来だ。

このあとは元主将がみなを引き連れて上野見物に繰り出したのだけど、あたしはオケ練があるので店の前でお別れ。すぐに家に戻って楽器を担いで、このランチが夜ごはん兼用になってしまった。

よって、今日はオマケなしでごめん。

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コメント

  1. にゃんた より:

    あら。おめでとうございます。
    楽しめてよかったね。
    実は来月の3日が中学の同窓会。
    ずーっといいてないけど、さてどうなりますことやら。

    • よはねす よはねす より:

      いわゆるマウント取りのように、人を見下す人がいない集団ってありがたい。むしろあたしが見下す側でした、とブログ書き終わってから気づかされました。
      にゃんたさんの学校も、いい人だけしかいませんように。

  2. うなゆき より:

    黒船のコンポタ、美味しいの?
    二度行ったけど、印象薄いなぁ
    なんか、万人受けの優しい味、ってイメージです

    よはねす先生、見下す側ですか〜
    つまり、勝ち組でんな。
    だからこその余裕で、同窓会を楽しめたのかな。

    • よはねす よはねす より:

      うなゆきさんのように、高級店の味を知らないだけですよー。そして名物と言われたハヤシライスの美味しさが、あたしのバカ舌では感じることができませんでした、ここだけの話。

      で、ですね、見下してたのは通っていた2年間のこと。勝ってたのではなく、まともに通学服も揃わなかったボンビーの逆恨みだったような、または反抗期に家族の代わりに学校に反抗してたのかもしれません。
      今となれば、素直に級友たちの優秀さを認めざるを得ないです。そうそう、芝公園のマンションを衝動買いしたって友も一人いましたよ。ご夫婦で見学のつもりで行ったら即決したって。かなうわけがないです。