チェンバロレッスンは、今一番お金をかけている趣味だよ。
その次がオケ、室内楽は微々たる額しかかからない。
なぜか。ずばり、人件費。指導料。
チェンバロレッスンは1対1、オケは数十人で1~3人ぐらいの指導者を雇う。室内楽には指導者はいらない。
費用と楽しさは比例しないのがチェンバロについては残念。コスパだけでいうと最下位。
ブログでもあまり語ってないので、今日はチェンバロの話にしようかな。
普通のクラシックは、初心者なら楽譜の通りに弾けてればマルがもらえる。
でもバロック音楽は、楽譜の通りに弾かなくてもいいんだよ。
その時代、今のように楽譜上の約束事がまだ完成されてなかったの。
楽譜の通り弾いてみて、不自然と感じたら♯や♭の臨時記号を付けちゃっていい。
あたしは、まだ「不自然」と感じることができない。
先生から「ここはこうだから♯を付けたほうが自然」と説明される。
へえっ、と弾いてみたら、なるほど、ほんとだ。♯付けなきゃおかしい。
「よはねすさんはこの曲を優しく弾くけど、これは踊りの曲ですね。農民が踊ってるイメージで」
と、お手本を弾いてくださると、まったく違う曲のように生き生きとする。
15世紀のダンスが目の前に現れた気がしたよ。
へえーっ。こんな曲だったんですねえほんとは。
あたしは、古い教会で賛美歌を歌ってるような荘厳なイメージで弾いてた。
「よはねすさんのお人柄が出て優しく弾かれてますが、もっと激しい感じで」
思わずブフフッと吹き出し、懸命にこらえる。先生、笑わせないでください。
こんな素敵なお手本を、楽譜を見る前に知っていたら効率よく学べそうな気がする。
こんな15世紀の曲なんて、YouTubeにありますかねえ。
「ないですね」
楽譜を見ただけで、どうやってこのイメージをつかむのでしょう。
「付点のリズムがあるので、ターンタタン、ターンタタンとはずむように」
あー、そっかー。
先生が「ちょっといいですか」とあたしをどかせ、手本を弾いてくださると、音楽があまりにも鮮やかに変わるので毎回目を見開く。
楽譜の通りに、弾ければいいってもんじゃない、全然。
これは、高いレッスン料を払う価値があるだろう。人生まで鮮やかに、モノクロからカラーに変わったほど違うよ。
あまりに印象が強烈だったから、思い出してYouTubeを探ってみたら、この曲があった。
ちなみに、イギリスのウィリアム・バード作曲「ラ・ヴォルタ」っていうんだ。
いきなりダンスシーンがついてる動画があった。
ん?あたしには、農民じゃなくて貴族に見えるけど。
15世紀には農民も、踊る時にはこんなドレス着たんだろうか。いやー、まさかね。
でも、音楽は確かにあたしがのたのた弾いたのより、はるかに激しかった。
ダンスなしでチェンバロだけの動画もたくさんあったわ。
今度からYouTubeで予習しよう。
この練習曲集は、そろそろ終わりに近づいた。
次のテキストを用意するように言われた。ドキドキ。次は何が弾けるんだろう。
「バッハの『小プレリュートと小フーガ』を買ってください」
うわーバッハかあ。
ちょっとねー、バッハさんには苦手意識があるんだ。
それは、先生に最初に体験レッスンしていただいた時にも言ったことがある。
そしたらね、先生もバッハは苦手なほうなんだって。
先生もあたしも、好きな作曲家が同じ(フランス人)だったからうれしかったんだ。
でも、やっぱバッハは基本だよね。
アカデミックに習いたい、というあたしの希望を伝えたら先生の方針と合ってたようで、先生うなずいてたもの。
避けて通るわけにはいかないな。
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コメント
ふーん。楽譜って誰が弾いても同じような曲が再現できるようにするためにあると思っていたのだけど、それは素人のあかさたななのね。
自分なりの解釈を入れねければならないのね。
でも、YouTubeとかで予習とかしちゃうとそこに先入観が入ってしまうものでもないの?
まず、正しい解釈といううのがあってそこから膨らませて行くものなのかしらね。
ダメね。素人が言葉紡いでも上っ面なことしか言えないや。
なんかでも、すごーい(^^)
頑張って。
ぐふふ。にゃんたさんもあたしも、同じあかさたなです。
同じく、楽譜の通りに弾けばいいと思ってましたから。
楽譜が完成していない時期は、楽譜で表わしきれないことが一層多かったってことかな。
人と違う解釈をして、すごーいと言わせるのはプロ中のプロ。あたしみたいなドがつく素人はお手本をいっぱい聴いて、「ああこんな演奏がしたい」と目標を定めるんです。
流行の歌にはついて行けないあたしですが、去年「うっせえわ」は評判を聞いて聴いてみましたよ。あの解釈ね、楽譜見ただけじゃ面白く聴かせるの無理よ。adoちゃんすごい才能。椎名林檎っぽいけど。それをビリーバンバンの菅原進さんが違う解釈してるの今日知ったけど、そちらも面白かったですよ。