退職して5カ月というキリの悪い時期ではあるが、ちょっとだけ落ち着いてきたので本日のネタとしてみる。
元々、働くのは嫌いではない。誰かが喜ぶのだから。
誰か、とは会社だったりするけど。
人付き合いの少ないあたしには、上司や同僚の言葉は貴重な宝だった。
その言葉が役立つのも、会社の中がほとんどだけどね。
たまに、いや、時々、あたしも仕事で失敗した。
上司が「パンチャーさんだって人間だよな?間違ってデータを打ち込むことがあるからチェックしなければいけないんだ」と教えてくれた。
データを見落とす現場部長たちに「人間だから必ず見落としはあるんです、こうこうすればPCが見落とさずチェックしてくれなす」と言って、やり方を覚えてもらうようになったのはここ数年だけど。
20代のころ「あたし仕事向いてない」と言ったら、よその部署の30代の人が「仕事が向いてるヤツなんかいねーよ」と言ってくれたことがある。
その人、はた目からは楽しそうに見えたけどね。
少なくとも、忙しそうな姿を見たことがない。
恐る恐る、そんな意味のことを直接言ったら「プランナーが忙しくて仕事になるかよ」という返事だった。
へー。いい仕事だな、なんて思ったのはあたしが無知すぎたからだ。
いい企画を考えつかなかったら、また考えても社内や社外で通らなかったら地獄だよね。
そのプランナーさんが社内を健康サンダル(イボイボ付きのね)で歩いていたら、社長からすれ違いざまに怒られたそうだ。
社長に向かって「うるせー」と口答えして、その噂から間もなく退社しちゃって。
よく思い出す。その後どうしたのかは知らないけど、いまだに気になっている。
仕事というか、お勤めは確かに向いていなかったようだ。
あたしは先輩に刃向かう気概もなく、刃向かう後輩からは尻尾巻いて逃げて、何とか生き延びた。
みんながみんな、仕事が向いてるから働いてるわけじゃないんだ。
食ってくために働いてたって、恥ずかしいことじゃない。
ただただ、あたしが働いてて辛かったことは一つだけ。
残業も休日出勤もないのに、プライベートの時間が足りな過ぎた。
仕事の時間を全部読書と楽器練習に使えたら、どんなにか幸せだろ。
食ってくぐらいのお金は、なんとか貯まった。
ハイパーインフレでも起きなければ、100歳ぐらいまでなら食べ物に困ることはないだろう。
そりゃ、できたらピカピカの広ーいリビングにグランドピアノ置くような暮らしが理想だけどさ。
もう、学歴もないただの事務員がそこまで望んでもねえ。
身分不相応、自分で自分の価値ぐらいわかってるよ。
で、リタイア生活に踏み切ったわけだ。
これが、案外と時間がない!まだまだ時間が足りない。
楽器は常に練習不足、読みたい本のリストは増える一方。
料理する意欲と食欲が落ちてきたおかげで、このところやっと一息ついたかな。
そうすると、今度はお金の欲が出てきた。
本に書いてあるような投資で成功をしたら、夜中に楽器を弾いても迷惑をかけないような家に住めるかもしれない。
グランドピアノに買い替えられたら、夢が叶ったってもんだ。ただしどうせ弾きこなせないけど(;^_^A
向上心は、いつでも必要だと思ってきた。
しかし、リタイアできる身の上になったんだから、そろそろないものねだりをやめた方がいいんじゃない?
平日の昼間に、図書館へ通う道をぷらぷらと歩く時は、意識して「ああ、幸せ」って思うようにしている。
ここで幸せを感じられないようじゃ、なんのため「向いてない」仕事を続けてきたんだかわからない。
あとは、今まで健康のために制限していたお酒の頻度を上げたよ。
休前日に限定していたのを、毎日でも欲しくなったら飲む。ふう、おいしいっ!って声が出ることもよくある。
ただし、飲んだあと眠くなるほどの量を飲むのはやめた。
おいしい、って感じられたら、そこまでで満足すること。
グランドピアノなんて、それはあたしには望みすぎ。
リタイア者の幸せって、努力が不要な、日常のささやかなことをしんみりと味わえることじゃないかなあ。
コメント
なんで今
まぁ今が幸せって確認しないと、自分のやってきたことに不安になっちゃうことはあるね。
欲しいものは今あまりないけど、お金はいくらあってもいい、というか足りないって思うことがあったら嫌だなぁ、と思う。
投資はゲーム。多分負けない。
うん、ネタが尽きたからこのタイミングなんですよ。
で、今、幸せかなあってぼんやり考えちゃった。
負けない自信があるゲームなら楽しいでしょうねえ。あたしは、実は負ける気がしてきました。ゲームは、仕事より向いてない。