先生にグチって、慰め励ましてもらった

先日の室内楽の練習時に、ピアノがヘタにしか弾けない部分があちこちあって。
とっても上手に弾ける仲良しさんから、解決方法をいろいろアドバイスしてもらった。
もちろん、「チェンバロに比べてピアノは鍵盤が重たいから弾きにくいよね」とか、フォローもたくさんしてくれたけど、かえって申し訳なさが増したよ。

チェンバロのレッスンに行くとね、まず椅子に座るより前に先生が「最近は、どうですか」と世間話から始めてくれるのね。
思わず「室内楽でけちょんけちょんな目に遭って、ズタボロなんですぅ。はー」と盛大にため息をついてしまったの。

先生は「わかるわかる」と、ご自分の話をしてくださった。
チェンバロは昔の楽器だから、小さな合唱に少人数の弦楽器やオルガンが付くような昔の曲の合奏に呼ばれるわけ。
「チェンバロが聞こえない」と怒られるとか、オルガンが上手な人の横で弾くとチェンバロがヘタなのがバレバレで、とか。

えー、有名音大でチェンバロを学ばれたプロでさえ、そんなことってあるの。
逆にプロだと上手くて当たり前だものね、あたしよりもっと辛いだろうな。

楽しむために音楽しに行ってるのにコテンパンにやられて帰ってくるって、何やってんだろうと思っちゃうんですよ。
と言ったら
「そうですよ、プロじゃないんですから、これからたくさん学んで上手になるという楽しみがあるじゃないですか」
と励ましてもらった。

先生って、生徒からお金をもらってるわけだけど、グチを聞いてあげるのも仕事のうちかに入るかもしれない。
それが、生徒のやる気につながったら立派な教育だ。

その、ピアノが上手な仲良しさんはまた別の室内楽の会にも入ってて。
そちらには大手音楽教室の講師のバイオリニストがいる。
あたしも会ったことあるけど、若いのに敬語を全く使わない人で、あたしの友人(あたしの3つぐらい上)に「これこれ、して。」と命令調で話すそうだ。
友人のグチをあたしも聞いてあげたわけだけど。
「ヤ○ハの講師なんてそこらじゅうゴロゴロしてるじゃない、たいして上手くもないくせに」と大変ご立腹。
「報酬もヤ○ハに行っちゃうから一部しか入らないでしょう、ダンナさまがしっかり稼いでくれる人が遊びでやってるのよ」と決めつける。

チェンバロ先生もほとんど同じことを言うんだ。
「その音楽会の仕事に行ったらバリトン歌手が小学校の同級生で、男の子だからもっと真剣に勉強して留学までして。女の子だったら稼ぎのいいダンナさまがいて、ほんの足し程度の仕事しかできない人がほとんど」

話は変わって、先生が前日に行ったコンサートのことになった。
アマチュア合唱団のお知り合いから誘われて、そんなこと滅多にないそうだけど行ってきたんだって。
バッハではないけど宗教曲で、ソプラノやテノールの独唱に弦楽四重奏とオルガンも入ってて、本当に素晴らしかったんだって。
そのソリストたちが、皆さん有名な音楽家に師事しどこそこへ留学、と立派な経歴で。

へーーえ。合唱団の人たち、さぞかしたくさん会費払って音楽会を開いたんでしょうねえ。
つい、下世話なことばかり口走ってしまう。
「そうなんですよ、こんなに安いチケットでこんな素晴らしい音楽家を呼んじゃうなんて」
でも、あたしだったらその曲じゃあ上手でも眠くなっちゃいそうです。
「わたしも眠かったです」
あはは。と笑い飛ばして、やっとレッスンに入る気になった。あたしがね。
15分ぐらいしおしゃべりしてたけど、全然無駄な時間ではなかった。
どよよ~んとした気分のまま弾いたって、楽しくないしね。

ふと、夜中に目覚めてしまってね。
思い出して、検索してみたら先生の行かれたコンサートがわかったの。
驚いたー。その素晴らしい弦楽の人たち、よーく知ってる。
その一人はあたしたちアマチュア合奏の指導も熱心で、オケ仲間も室内楽仲間もお世話になってる人がいっぱい。
あたしも今年、夜の10時まで直接指導してもらったのでその弦楽四重奏のレクチャーコンサートに行ったんだよ。

チェンバロ先生に、それ言いたいなあ。
でも、今年のレッスンはこれが最後。次に会うのは、来年だ!

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コメント

  1. にゃんた より:

    良い話で終わって良かった(^^)
    楽しむために音楽してるんだもんね。
    でも、また先生とのお話がはかどっちやったら練習のお時間がー(^^;

    • よはねす より:

      あー、ごめんなさいね先生だけじゃなくブログ読者皆様にまで長い長いグチ垂れてしまって。
      今回はね、課題が2曲とも仕上げの段階になってたから練習のお時間短めでも大丈夫だったんです。
      次回はグチ垂れずに、しっかり見ていただかなきゃ。