ピアノトリオを最前列で聴いた

音楽
代々木上原「ムジカーサ」2025/9/24

大切な食事会の前夜、またしてもかぶせ物の銀歯がボロッと取れちゃったんだ。
その前日に付け直してもらったばかりなのに。

2回とも、ジェットウォッシャーを当てた瞬間に取れた。
この部分には、水流を「弱」にしないといけないな。

幸い、その歯(奥から2番目)がなくても食べるのに支障はなかった。
うっかり、その取れた銀歯を持って行くのを忘れちゃった。
いったん家に戻って銀歯取って歯医者に向かったら、また予約時間を5分過ぎてしまった。
もーいや。遅刻客のブラックリストに、もう載ってるかもしれないな。

汗だくで着いたのに、先生から「ノースリーブで寒くないですか」と心配されちゃったよ。
先生、前々日からひどい風邪をお召しになっててかわいそう。
もう10年以上お世話になってるけど、先生が風邪ひいてるの見たの初めて。
こういうお仕事ってぜったい風邪もひけないだろうな、ってよく考えてたよ。
ご家族が引いたのを移されてしまったという。仕方ないよねー、コロナの時なんてほぼ家族全滅だったもんね。

あたしは、このあと夜の予定もあるので「カーディガンを一応持ってきている」を先生を安心させ。
珍しくネックレスなどしてたので、「これからお出かけですか、時間大丈夫ですか」とも気遣ってくれた。
優しい先生、大好きだ。
治療費はたったの190円。再診料だけしか取られなかったよ。

で、それから向かったのはコンサート。

こないだの合宿に来て下さったプロのチェリストさんが、ピアノトリオの演奏会に出演されたんだ。
時間には余裕があるから、どこかカフェに入って、さっき買ったドーナツをこっそり食べてから行こうという計画。
でも、なかなか空席がないなあ。それに、ランチの豚肉がボリュームあって、全くお腹が空いてないよ。

と、ウロウロしてたらなんとなくお腹がぐるぐるしてきた。

だんだん下りてくる。トイレ!
ハンバーガー屋か何かのトイレに駆け込もうと思ったら使用中。待てない。
駅ビルの案内板を見たら、なんとトイレが設置されていない!
青くなってきたところに、駅員さんが通りがかったのですかさず捕まえて。
実際よりも多少の演技を加えて、切羽詰まっていることを表情で伝えたら親切に教えてくれた。
改札で駅員に言えば、通してくれるって。あ、ありがとうございます!!
入場券を手渡してくれて、改札から入る。駆け込みセーフ。あーー、すっきり気持ちいいー。

すごくホッとしたけど、もうコンサートの時間が迫ってきてるよ。

駅から2分というのに、ホールの説明だと北口からタクシーに乗れなんて書いてあるの。
冗談でしょ?でも、わかりにくい。
こっちかな?と坂を上ってもう一度説明を読んだら、「坂をいったん下ってからまた上る」だって。
じゃ、反対方向だーと歩きだしたら目の前に知った顔が。
N井さん!と声を掛けたら彼女も「地獄で仏」みたいな顔をしてる。
ご夫婦で来て、ずいぶんウロウロ探してしまったそうだ。
すっかりあたしのことを信じ切ってるけど、あたしを信じちゃいけないよ・・・

でも、奇跡的に合ってた。
ほんとに2分で着いた会場前には、合宿で会った人が大勢たむろしてる。
え、岸部さんからも「こんにちは」なんて声を掛けられちゃった。あ。こんにちは。岸部さんは合宿には参加してないよ。
すぐに合宿幹事さんを見つけ、岸部さんから逃げた。

帰りの新幹線で、この幹事さんから電話が入ったんだ。

合宿施設では有料で譜面台を貸してくれたのだけど「会場で譜面台を返してない人がいる、心当たりはないか」という留守電だった。
向かいに座ってた仲間O原さんが「あ」と言う。「わたし、借りたけどそのまま置いて来ちゃった」
で、幹事さんに苦労してショートメッセージを送ったけど返事はなく(幹事さんは仕事がたくさんあって余裕ないのだ)。
譜面台、大丈夫でしたかと一応聞いてみたら。なぜか、返却しないのはよはねすさんだろうという話になっていたんだって。
なるほどー。そういう人物って認識されてたのか。
O原さんのほうが、あたしたち仲間の中では一番要注意人物なのに。

そうこうしてたらホールが開場された。

岸部さんと席が並ばないように、N井夫妻にぴったりっくっついた入ったよ。
N井さんが「最前列でも大丈夫ですか」と。ダンナ様はいつも最前列が好きなんだって。
うん、いいよ、とくっついて行ったらその小さいホールは床がフローリング。
ステージにピアノと、その前に二脚の椅子があり。
その真ん前の客席に座ったら、まるで一緒に四重奏しているぐらいの至近距離だった。

1曲めはハイドンの「ジプシー風」。
ほんの1年半前に偶然知った曲で、大好きになった。
N井さんのダンナ様もこれが大好きなんだって。

チェロのエンドピンを、フローリングの細い溝に直接当ててる。
床に傷が付くから刺すのは禁止、とほとんどの公民館では言われるけど、さすが音楽ホール。
そのチェロの振動が、もろ。直接あたしたちの足にビンビン響いてくるの。最高。
公民館で四重奏してても、この感触は味わえない。

それだけでも感動なのに、この音楽ときたら。
今まで自分でも演奏したし、動画もいろいろ見たのに、こんなエキサイティングな演奏は初めて。
まるで全然別の曲みたいだ。

今度の11月に、N井邸で音楽をしに行くんだよ。
そのとき、この曲もやってみる?って聞いたけどN井さん笑って「無理」と言う。
そうねえ、こーんな演奏聞いちゃったら、そう思うのも無理ないねえ。
考えたらチェロさんがいないから、そうでなくてもできないわ。

次はクララシューマン作曲のピアノトリオ。
女性作曲家だけを取り上げる演奏会では、よく扱うみたいね。でもあたしは聞いたことが一度もない。
それほど有名じゃないってことは、それなりの曲だろうと思ってた。
印象に残るようなメロディがないんだよね、なかなか派手なのにもったいない。

15分間の休憩になった。

目の前に、我々室内楽協会の理事長さんが来て「こんにちは」と挨拶された。
びっくりして思わず立ち上がって挨拶を返し。
また座ろうと振り返ったら、そこにも知った顔がご夫婦で来てた。
そのイケメンご主人はバイオリンがすごく上手でね、理事長やO原さんとも一緒に何度か遊んだことがあるんだよ。
奥様もすごい美人で、チェロがすっごく上手。お似合いのご夫婦。でも、奥さんとは一度も一緒に組んだことはないんだ。
「○子夫人ですか」とポロッと口から出てしまって、驚かせてしまった。
イケメン君が「あそこで何度か一緒にやった」と弁解している。
よはねすと申します、いつかご一緒できたらいいですね、と言ったら「ああ、あの会のメールリストでお名前は」とニッコリしてくださった。

休憩後の曲は、メンデルスゾーンのピアノトリオ第1番。

2番もあるけど、断然1番が有名で人気がある。略して「メントリ」。
これもまた、感動の嵐だったよ。
思わず胸の前で手を組んで味わったら、バイオリニストさんが微笑みながらチラッとこちらを見て、目が合ってしまったー。
ああ、申し訳ない。本番中に、意識を逸らさせてしまった。
あとはひたすら、奏者さまたちを直視しないように気をつけて。

バイオリンは普通に、ビブラートを使うのだけど、チェロは最初から最後までほとんどノンビブラートなんだよね。

合宿では、このチェロさんがレッスンしながら一緒に弾いてくださるというコーナーがあったの。
あたしもちょっと参加してみたかったけど、空いてる時間がなくてね。
N井さんは、それを聴講だけしたんだって。
それで感動して、その場でこの演奏会のチケットをもらったと言ってた。
もらった?と、引っかかるのが顔に出たんだろう、N井さん「もちろんお金払って」と付け足した。
ホント、あたしって思ってることわかりやすく顔に出るらしい。

あ、言いたかったのはね、そのレッスンではビブラートについて特に少なめとか控えめがいいとかの言及は全くなかったそうだ、ってこと。
ビブラート無しで、あんなに歌わせることができるんだなあ。

カーテンコールで戻ってきたら、ピアニストさんがマイクを取って。
「こんなに大勢のお客様がいらっしゃるとは思ってなくて。
3曲ともとても難しく、これに集中して練習していたのでアンコールは無しです」

ああ、十分です。
こんなに最初から最後まで感動する演奏会はなかなかないよ。
N井さんたちにもお礼を言ったよ。
なかなか、最前列って勇気がないと座れないけど、最前列ってこんなにいいんだねえ。
おかげで最高の演奏会を味わえた。

ものすごく、濃密な一日だった。

本日のオマケ

ゆうべの夕飯。きのうもまあいろいろあってさー。

あえて、とっ散らかってるけど片づけずにリアル食卓を撮ったよ。

れんこんのキムチ炒め。ごま油でれんこんだけ塩胡椒して火を通し、ラム肉を追加しキムチと醤油少しで味付け。

緑がないけど、そんなこと言ってられる余裕はなかった。

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コメント

  1. うなゆき より:

    最近は駅のトイレはどこも改札内しか無いよね
    私もかつて、トイレの為だけに入場した事があるよ。
    音楽仲間が増えて楽しそう!
    最前列、座るのに勇気が要るなぁ
    でも、いつか座ってみたいなぁ

    • よはねす よはねす より:

      改札内なのは仕方ないけど、直結ビルの商業施設にトイレがないとは本当にびっくりしてしまいましたよ。

      仲間、とまではいかないけど、知り合いはほんとに増えました。ときどき、ブログの中で使ってる名前で呼びそうになっちゃうこともあるんですよ。マズイ。

      最前列はホールの響きがないからイヤ、って人が多いようですが、あたしは楽器のナマの音が好き。奏者にとってはプレッシャーだろうし、こっちもね、もしも居眠りしちゃったら恥ずかしいから避けてましたが。
      眠くならない自信があるときは、座ってみようと思います。おすすめですよ!