サントリーホール オープンハウスに行ってきた

おでかけ

きのうは、あたしのライフワークともいえる無料コンサートを楽しんできた。
サントリーホールで音楽イベント各種が催される。

一日遊ぶと体力消耗が不安だから、自転車はやめて電車で行ったよ。
よかった。よく遊んでくたくたになった。

昼はバビーズニューヨークで食べようか。でもいつも混んでて入れないんだよな。
うちで遅めの朝ごはんを食べて行ったら出遅れて、最初のイベントに入りきれなかった。

年齢制限がないので、幼児連れ家族がこの時とばかりホールにぎっしり、満席。
立ち見ですら入りきらず、2階席へ上がって入口から立ち見したよ。
どうしても我慢できない子供を抱えて仕方なく退席する親もあちこちにいるので、だんだん空いてきた。

「指揮してみよう」コーナーは4年ぶりだそうだ。
「自分が子供だと思う人で、指揮してみたい人!」と指揮者が呼びかけたらめちゃめちゃ元気のいい子供たちがうじゃうじゃと手を挙げる。
驚いたことに、大人で指揮してみたい人募集にもうじゃうじゃと手が挙がった。

「男の子だから次は誰か女の子。女性だから次どなたか男性」と呼びかけ、計4人。
うーん、なんか懐かしいというか変な抵抗を感じてしまった。
あまりにもジェンダーレス、ジェンダーフリーの呼びかけばかり聞いている昨今。
こうした呼びかけも、そのうち批判されるようになるんだろうか。

ちゃんと指揮棒を渡して、ロッシーニ「ウィリアム・テル」序曲の一部を振ってもらう。
「ひらがなの”し”を書くように」と客席全員に指導があったのでにわか指揮者もそのように振るが、曲の最後の止め方なんて教わってない。
でも、4人ともちゃんとそれっぽく終わらせたので客席から大きなどよめきが起きた。
4人めの男性なんて、まるで習ったことがあるんじゃないかというぐらい堂々とした指揮ぶり。
強弱つけて、弱いところでは膝を曲げ背中を落として、これも客席から大いにウケた。
オケのメンバーも顔を見合わせて団員同士でニコニコうなずきながらしゃべってたよ。

ずっと立ち見で疲れた。お腹は空いてないけどバビーズでケーキでも食べて休もうかしらん。
と、店に入ったら「ドリンクのみのご利用はできません」と貼り紙がある。
「ケーキとドリンクでも入れますか」と聞いたら、そもそも空席がありません!と強めに言われてしまった。
はいはい。いつもそうだもんねイベント時は。わかってますったら。
地下のスタバは、店内は空いてるのにレジが大行列で嫌気がさした。
スタバ外に大きなソファがあって空いてるので、腰かけて本を読むことができた。

そろそろ次のイベント「ステージにあがろう」が始まる時間だ。
とホールに戻ったら、ぎょっとするほど長い行列がホールロビーを蛇行している。
「最後尾はこちら」の札をやっとみつけて並んだけど、猛烈な密度。
ステージはあまり興味なくて、目的はパイプオルガンを間近に見ること。
これが、なかなかたどり着けない。
のろのろの行列がやっと進んでホールに入ったけど、オルガンは2階席から行けるんだって。
混雑しすぎてて1階席から出るのも難しい。ホールの係さんに頼んで誘導してもらった。

オルガンは見るだけではなく、ちゃんとレクチャーしてくれるのがとてもうれしい。
これもまた大変な密度でレクチャーが聞こえなかったので、一通り終わってから退場せず講師(オルガニスト?)の前まで進んで二度目のレクチャーを聞いた。
質問コーナーでは、みんななかなか突っ込んだ質問をしてる。
ピッチは幾つで、どうしてるんですかだって。
オルガニストさんちょっぴり頼りなかったかな、ピッチまでは普段意識してないんだろう。
「たぶん440だと思います」だって。「もちろんピアノのように変えることはできないので、オケと合わせるときはオケが変えます」と。
あたしもオルガン付き交響曲は2回やったけど、オルガンに合わせて調弦なんかしなかったよ。
そこのオルガンはサントリーよりずっと古いけど、それでも442㎑だと思うなあ。

つぎ、イベントの休憩時間はホールの座席で過ごし、続く木管アンサンブルコンサートを楽しんだ。
こういうとき、絶対に楽器紹介があるね。
1本ずつ楽器を示して「これは何という楽器でしょー」というと子供たちが「クラリネットー」と合唱する。
ファゴットの番が来たときイジワルして「バスーン!!」と叫んでやりたくなったけどいい大人なので我慢した。
ちなみにファゴットはドイツとイタリア語、バスーンは英語。フランスではバッソンとかいう。
あたしが子供のころはファゴットとバスーンが半々だった気がするけど、今は基本はファゴットって言うね。

中学で英語forgetを習ったあとにファゴットという楽器を図鑑で知ったので、アクセントが「ファ」なのか「ゴ」なのかわからなくなって、長年の疑問だった。
ちなみにファゴットは「ファ」がアクセントです。
あのとぼけた音が大好きでさ、テレビ漫画の平和なシーンのバックミュージックでよく使われてて、あの楽器やってみたい!と思ってたよ。
高校の図書館で「ファゴットの吹き方」みたいな本があって読んだけど吹奏楽部にはこの楽器がなくて。
あったとしても、アクセントがわからないので「ファゴットありますか」って聞けない。
そうか、「バスーンありますか」って聞けばいいんだと思ったけど聞く前に楽器がないとわかってしまった。

おっと脱線。
つぎは小ホールで、一番楽しみにしていた弦楽四重奏とオペラアリア(独唱)。
遅れてはならない。木管アンサンブルを途中で抜け出したのに、行列は小ホールどころか屋外に並んでた。
うん、ロビーの中で並ばせるのは危険だよ。これ正解。
小ホールは椅子なし、全員立ち見。演者が全く見えない!どこで聞いても同じだ。
さっきの木管はオケのメンバーだったけど、この弦楽四重奏は芸大4年生だそうだ。
もう、もう、すばらしい。さすが芸大。
ハイドンなんて嫌い、退屈と思ってたけどこの75番ていい曲かも。こんど自分でもやろうかしらん。
と思ったけど、上手い人がやればいい曲に聞こえるのはよくあること。
それから2曲めはドボルザーク「アメリカ」。これは大好きで、一度やったことがある。
でも自分の音とはまっっったく違う、うっとりする音色で。
ほんとは、こんな曲だったのか・・・とがっくりするような。

次、オペラアリア。大好きな歌ばかりで楽しい。
特にプッチーニ「ラ・ボエーム(ボヘミアンのこと)」のムゼッタのアリア「わたしが街を歩くと」がうれしい。
ちょっとヤンキーがかったムゼッタちゃんが「わたしが街を歩けばオトコがみんな振り向くの」と、はすっぱに甲高く歌う。
でもムゼッタちゃん、実はとても情の深い、いい子なんだよ。主役じゃないってところがまた、あたしの好み。
感動したところで次もプッチーニ、オペラ「ジャン二・スキッキ」の「わたしのお父さん」。
歌詞に「ポンテ・ヴェッキオ」って出てくるんでね、あたしはポンテヴェキオで結婚指輪を買う話かと思い込んでたのよ。
なのに歌手が説明してくれたのは「お父さんが結婚を許してくれないのなら、ポンテヴェキオ(実在の橋の名前)から川へ身を投げるわ」と歌うんだって。
今調べた。デパートによくある「ポンテ・ヴェッキオ」というジュエリー店は日本のブランドだそうです。
恥ずかすぃー(*ノωノ)
いや、それでも歌声があまりにもすばらしくて、ついにあたしの涙腺が崩壊した。
マスクがあってよかった。鼻が真っ赤になってたはず。
歌って、ずるい。歌詞があるから感動するけど、もし音楽だけだったらどうなの。価値ないんじゃない?
って、昔から思ってた。でも、歌詞がまったくわからなくても、こんなに感動するものなんだねー。

でも、この後の歌は我慢して聴かずに退場。なぜなら、午前中に聴き逃したオーケストラのプログラムがもう一度最後にあるから。
今度は最初から聴きたい。
幸い、まだ行列はできてなくてすぐ座席を確保できた。
せっかくだから、今まで一度も座ったことのないS席を!うれしいなあ、S席からの眺めってこういうのかー。
聴き逃したところを聞いたら帰ろうかと思ってたんだけどね、S席のまわりって誰も中途退席しないのよ。
子供連れは、出やすいように出口近くにいるのかもしれない。
ついつい、また「指揮してみよう」まで全部、最後まで聴いてしまった。

細かいこといっぱい書きたいんだけどね、もう長くなるからこの辺にしとくか。
いやー、それにしても指揮コーナーって異常に盛り上がるなあ。
実は、イベントがらみのコンサートは趣味じゃないんだ。「この楽器なんですか」とか、お付き合いは疲れる。
しかし無料で泣くほど楽しめたのだから、文句はいえまい。

にほんブログ村 シニア日記ブログ 女性シニアへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 一人暮らしへ

コメント

  1. にゃんた より:

    これはまた1日が楽しそうで
    パイプオルガン、宇宙戦艦ヤマトの白色彗星のテーマをやってほしい。
    でそれ聴きながら、「対ショック、対閃光防御」って言いながら頭からゴーグルを落としてかけるの。
    あ、その前にメガネ外しとかなきゃ

    • よはねす より:

      あー!白色彗星、生で聞いたことありますよサントリーホールでした。ヤマトの曲だったんですか!
      ラジオでも同じオルガニストが弾いてるのを一度聴きました。宇宙が好き、とラジオのインタビューで言ってました。
      よかったあ、にゃんたさんが食いついてくれるオルガンの話があって。
      でもごめんなさい「対閃光~」ってかっこいいセリフは存じ上げませんで。メガネかけてると対閃光が裸眼の人より一瞬遅れてしまうのですね。あたしもメガネ派なので、また白色彗星聴くときは気を付けます。