錦糸町で室内楽を楽しんだあとその足で、オケ練へ向かった。
今度の練習所は土足禁止、スリッパ持参が必須なところ。
K村さんへのお礼のお菓子とスリッパを一緒にトートバッグに詰めるのは気が引けたし、お菓子がつぶれるのも怖かったが仕方ない。
前回は、うちの中でスリッパが見つからない不思議があった。
今回はね、休憩時間にトイレに行こうとしたら、あたしの履いてきたスニーカーがどうしても見つからなかったんだよ。
一間(いっけん)ぐらいの幅しかない、縦長の靴箱に80人分の靴がぎっしり並ぶ。
どうしても見つからなくて、とうとう時間切れでトイレに行けなかったよ。
もしかして、最上段に1足だけ置いてあるアレがあたしのかなあ。
手が届かないから、あたしのかどうか手に取って確かめられない。
近くの男性に取ってもらおうと思ったのだけど、近くにいる男子はみんなおチビちゃんたちで。
あたしと、身長は3センチか5センチぐらいしか違わない。
もし彼らも手が届かなかったら、めちゃくちゃ可哀想じゃん!?
頼めなかったよー。
この日のうちのパートでは介護その他でお休みの人が多く。
席を埋めるためにあたしは前から2列めに移動しなくてはならなかった。
ひ、ひえ~。一番後ろだからいいや、と思って全く練習してなかった。でも今更どうしようもない。
隣は、元王子。仲良しだ(と思ってる)から、今更練習サボってるのがバレてもまあしょうがないと思えた。
もう本番まで1か月を切っている。本番で使う楽譜は、お休みの人のものを使う予定。
でも大丈夫。あたしのお隣さんは前もって休むとわかっていたので、本番用楽譜をあたしに預けてくれていた。
彼の書き込みはとても美しいので、見やすい。そして、目立つ。
隣のパートの会計係さんがやはり前から2列めで、しきりにこちらを見ている。
と思ったら、あたしの弾き方についてご注意を受けてしまった。
なかなか音が出せない難しい奏法のところ、無理に全弓使うと違う音が出てしまうから出しやすい箇所を使う方が良いと。
ま、あたしだけでなく、3列目の人にも視線を送って同じ事を言ってたのはあたしをがっかりさせないための噛む麩ラージだろうか。
その後も、ずーっと視線が刺さり続けてちょっぴりチクチクしたな。
こっちの、楽譜を見てたんだよね?いや、違うよな。
次の休憩で、お隣パートで一番背の高い男子にお願いをした。
靴が見つからないので、あの一番上にあるのを取って見せてくれと。
快く靴箱へ向かって取ってくれたが、明らかにそれは男性用の靴だった。ガクッ。
いやいや。
指揮者からは「あと1か月ですよ。全然ボクの棒を見る余裕がないし、このままでは間に合いません」と叱られるし。
そして帰り道が怖い。
あ、靴はね、帰るときには普通に見つかったんだ。やだなあもう。そんなもんよね、と心の中で自分を慰める。
急いで、無事にトイレも済ませ帰るのだが。
前回、駅への方向を間違って大変だったので、今回は来るときに振り返り振り返り確かめながら歩いた。
それに、もう一人スマホを頼りに歩いてるチェロの女子がいたので一緒に歩いてもらい、事なきを得た。
チェロ女子はそこからタクシーで帰るという。
この駅、普段と全く違う路線なので不便な団員が多いんだ。
あたしは一人でホームに上がり、本を読みながら電車を待つ。
遠くの方に、さっきの背高男子が立ってるのも見えたが。
電車が滑り込んできたら、彼がこっちへ来て「お疲れさまです」なんて挨拶してくれる。
うれしい。元王子とか、普段よく話す人でも、電車でずっと喋るのは避けることがほとんどなんだよ。
背高男子は、体が大きい割りにおとなしい。毎回たぶん一言も口を開かず帰ってると思う。
さすがに、コミュニケーションを取りたくなったのかな。
あたしも、「先ほどはお使いだてしまして」と謝って、まあまあおしゃべりできた。
本日のオマケ

この日の夕食。ヴィドフランスのカレーパンとカフェオレ。
昼にビリヤニを腹一杯食べたので、夕飯は抜いてもいい覚悟だったが。
錦糸町の用事からまっすぐ来たので、時間調整。
そろそろ時間だ、と立ち上がったら元王子もトレーを棚に置いてる。珍しい、彼はいつも練習後家に帰ってから夕飯にしていると言ってたが。
あたしはまだ荷物をまとめてなかったので「後から行きます」と声をかけ、王子を見送った。

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