日曜の話がまだ続くよ。
井川さんたちとのあと、練習3曲めはシューベルトピアノトリオ。
ピアノのN田さんは口から生まれたような人で、とにかく早口でべらぼうな量をしゃべる。半分ぐらいしか聞き取れない。
何か言うと即座に、大量に返ってくるので、たとえ彼女に悪気がないとしても怖く感じることがあるよ。
今回も、三人集まるなりマシンガントークで「第2主題はグッと弱くソフトな音質で」などと言われたけど、その第二主題って何小節あたり?
いつも彼女は「第一主題、第二主題、転調してこうなるでしょ」というけど、こっちは楽譜のどこのこと言ってるのかさっぱりわからん。
「その箇所に来たら教えて」と言って演奏を始めたが。
ちゃんと、わかるのよ。彼女が言ってたのはココだな!って。
ピアノの音色がグッと変わるのが聞き取れるから、それに合わせてこっちもグッと落としてささやくように弾く。
そういえばここ、以前彼女が「ないしょばなし」って言ってた。
あとね、彼女は音の高さを色でイメージするんだって。
音程を聞き取ると、その色が見えると。
そういう人、時々いるよね。
なんだか楽しそうでうらやましくなるけど、汚い和音はドドメ色になるってN田さんは言う。
色のイメージ、なんかわかる気はする。
昔うちにあったオモチャの鉄琴、ドが赤、レが黄色、ミが緑、ファが橙・・・って塗ってあって。
でもあたしは残念ながら、音を聞いて色が目に浮かぶってことは、ない。
鍵盤に色をつけるのって、「ドレミの歌」の歌詞の影響が入ってるんじゃないかねえ、ってのがあたしの説。
ドはドーナツのド、だから例外だけど。子どもが喜ぶ基本の色は赤と決まってるから、ドは赤。
レはレモン色、ミはミドリ色、ファはよくわからないけどファンタオレンジ?ソはそらいろ、ラはムラサキ、シはシロ。
あ、順番が逆だった。そういうイメージがあるから、あたしはドレミの歌を聞くとそのたびにオレンジ色や紫色が浮かぶんである。
色が浮かぶこと、N田さんは自分が変わり者だとちょっぴり恥ずかし気に言うけど、その割りに何カ所も色で音楽の希望を表現する。
でも、言いたいことはわかりやすいよ。ここでわたしはコーラルピンクが見えるとか、一瞬灰色になる、とか。
あたしもアニーさんも、「上手い」とはいえない。シロートの中で、中ぐらいだなあ。
口調が厳しい、そして音大卒のN田さんとの組み合わせが決まって、アニーさんはどんなにこき下ろされるかと本当に怯えていた。
あたしは「できないことはできないんだから、ごめんなさいと言うだけよ」と、開き直ってた。
でもね、N田さん、あたしたちの音程が悪いとか、指が回らないとか、そんな技術的な事は決して、絶対に口にしないの。
彼女の希望は、「ここで鈴虫が鳴く」とか音色のイメージ、「一瞬びっくりしたあと胸騒ぎ」とか「アクセントは膨らますだけ」とか。
音楽で表現したいことを、こんなに言語化できる能力もすごいなあと思う。
そして、そういう練習の楽しみ方もあるんだなあって思ったよ。
と、褒めておいて落とすけど。
ピアノの譜めくりの大変さはよくわかってるよ。
これについても、N田さんしゃべり出したら止まらない。
どのピアノが楽譜を4ページ並べられるとか、滑って落ちやすいとか。
譜めくりを以前頼んだとき、ちゃんと付箋を貼って「ココでめくって」と事前に言ったのに見落とされて・・・って話、ほんとに目を吊り上げて言うんだけどさ。
それ、確か2年ぐらい前の話。もう、直接聞いただけでも3回めかもしれない。
何回言っても言い足りないほど、未だに怒ってるんだろうね。
たぶん、大勢の人に同じこと愚痴ってるんじゃないか?
そういうところが、恐れられるんだよ。
・・・・なーんて、まさか本人に言えないよ。でも、「その話は3回め」ぐらい言ったほうが彼女のためかな。
メイも、譜めくりは絶対に人に頼まないって言ってた。彼女のトラブルは、あたしは聞いたことがないけどね。
自力だけでやるために、メイのピアノの楽譜は上にも横にもたくさんのピラピラの楽譜を貼り付けて、大変なことになってる。
少なくとも、善意で譜めくりを引き受けてくれた人に、たとえ一瞬でも怒りの感情が湧くなんて、あたしにはできない。
いや、N田さんも「あのときは彼女に悪い経験をさせて、却って悪いことをした」とも言ってたよ。
そういう人ではあるけど、でも今回初めて組んでみて、人の欠点は全く指摘しないことが新たな発見だった。
この分なら、またこの曲の続きをあと半年続けるのだけど、苦行を恐れなくてもいいかもよ、ってアニーさんに言いたい。
本日のオマケ

七草がゆならぬ四草がゆ。大根かぶレタス小松菜。あっ、キャベツも入れればよかった!(それでいいのか?)
こんにゃくと豆腐の使いかけに悩んで、ツナもいれて味噌汁にしちゃった。味噌汁二杯分できたんだけど、お代わりして完食したら満腹になりすぎて苦しかった。
七草がゆって、確か胃を休めるためのものじゃなかったっけ。


コメント
人の欠点を指摘しないなんて、出来た人だわ〜
私もそうありたいけどサ、難しいでござる
色の音ね、なんか分かるなぁ
同じ色でも、くっきりビビットか、ちょいパステル調か
昔、ピアノの先生がそんな事を言ってた
尖った音とまるい音、なんて表現もしてたなぁ
あ〜、なんか急に小学生の頃の事、思いだすよ
教室に通う時のカバンがボロボロで恥ずかしく嫌だった事
先生のエナメルのバッグ
大人になったら、絶対に素敵なバッグを買おうと強く思ってたよ
もうね、そんなに強く思う事が無いのがチョイ淋しいヨン
えーー。うなゆきさんこそ、絶対に人の欠点なんか指摘しないでしょ。もちろん仕事上のミスは除くけど。
あたしはこのブログで、悪口いい放題ね。直接指摘するならまだしも、陰口が一番人間としてダメなやつ。
音の色、わかりますか。うらやましいです。そしてピアノ習ったことあるざんすか!初耳。
あたしは逆に、みんながオルガン教室のお揃いのバッグだったのに自分だけピカピカピンクのバッグがとてもイヤだったな。今考えたら、なんてバカなあたしと思います。
そして、物欲がなくなってしまった現在が淋しいの、すごく同感します。
いい食器とか花瓶とか欲しいような気がするけど、あと20年かそこらで家ごと全部廃棄処分になる、なんて考えちゃってね。