コンマスの気遣い

音楽

忘れてた、明日「も」本番だった。
市民オケの曲が弾けなくて、この楽天家のあたしが青くなるほどオケのことで頭がいっぱいだった。

そんなタイミングで、平日室内楽のお友達石田さんからメールが入ったの。
「12月になっちゃいましたね、もう1年が終わりますね」

ん?きのうブログでそんな話を書いたけど、それって話題が無い間柄で仕方なく交わす挨拶じゃないか。

なんだと思ったら、続いて「練習できていますか、2楽章のここが云々(中略)、当日終わるまでお互い怪我や病気に気をつけましょう」だって。

ああーっ。明日、こっちの室内楽も発表会本番だったのか。
そういえば先週会ったとき、みんな服装の相談してたけど。もう、明日かあ。

おかげで、思い出した。そのオーボエ四重奏をちょこっと練習してみたら、やっぱり未完成だ。
しばらく、その練習を楽しくやったよ。

オケは、もう諦めた。

うん、トータルの練習時間は少ないけどね、いくら練習したって弾けっこないって確信するほど難しいの。
プロは全員、これを完璧に弾けるんだなあ。信じられない。

で、あたしは完全に自信喪失して。
あたしなんかがこのパートにいていいんだろうか。
もっと目立たない(つまり練習がそこまで必要でない)、低音パートに移りたい。

ちょうど先日の練習時に、パートリーダーから確認されたの。
「次回のパートですけど、もちろんこのままでいいですよね」
とニコニコされる。あたしも同じくニコニコしながら「いえ、もうここは無理。次は異動します」と言ったらびっくりされて。
「異動、したいの?」はい、したいです。
リーダーさん、返事もしないで席に戻っちゃった。

ほんとを言えばね。
パート異動だけじゃなくて、オケ活動やめてもいいような気がしてるの。
室内楽をあちこち手を広げたら、それだけで充実してる。それとチェンバロがあったら、もうオケに振り向ける余力が残らないんだ。

でもきっと、辞めちゃったら寂しくなるに決まってる。
音楽もいいし、仲間もいい。
辞めるのはもうちょっと後で考えよう。

なーんて、悶々と考えてたきのう午後2時半。

オケのコンマスから、突然メールが入った。
彼、お勤めがあるのに。昼休みでもないのに。
メールは、全役員向けで、「パートの皆様に共有ください」としてある。

「演奏会まで残り数日となりました」で始まる全文を紹介したいぐらい。
「連日の指揮者からの厳しい指導に心身ともに疲弊されている方もいらっしゃるかと」と心配されて。

完璧は目指さず、音が外れたりしても「そんなこともあるよね」という心持ちで、楽しんで演奏できればと思う、私も出来る範囲で頑張るので本番当日、楽しんで演奏いたしましょう

ああ。本番に、オケに不安を持っているのはあたしだけじゃないんだなあ。
みんなが気持ちの切り替えができるように心を配る。あたしも、どんなにホッとしたことか。

前のコンマスも、そういう人だった。
今のコンマスも、演奏だけじゃなく心のメンテナンスまで請け負ってくれる、素晴らしい人だなあ。

N響の元コンマスのマロさんも、この役割をしっかりされていたみたいね。

ある外国人の指揮者が、指導が熱烈で、管楽器を目一杯吹かせるのでみんな「窒息してしまう」とマロに相談したんだと。
マロは指揮者をゴハンに誘って「マエストロ、この曲お好きですか」と水を向けたら。
指揮者が、どんなにその曲を愛しているか、意気込みと情熱を聞くだけで食事が終わってしまった。
マロは管楽器のみんなに、「悪い。窒息して死んでくれ」と言ったそうだ。
あの情熱を封じることなんか、できないって。

N響の管楽器さんたち、きっと死に物狂いで演奏したんだろうねえ。
あの、信頼するマロがそう言うんだもの。

我々は、プロじゃない。

死に物狂いで練習したとしても、指揮者を満足させることはできない。
だから、我がコンマスは我々の目的を考えてくれた。
あたしたち、指揮者が満足してくれたらそりゃうれしいけど、目的はそこじゃないよね。
自分たちが楽しみたいから、下手でも毎週集まって練習してるんじゃん。

このコンマスが、ほんとうは団長までやる資質がある人だと思う。
でも、ここに書けないほどいろんな、コンマス以外の仕事をたくさんやってくれてる。
その上団長なんて可哀想すぎて頼めないよ。

いつまでたっても、団長不在。このままじゃ済まないのだけど、引き受けてくれる人が誰もいない。

本日のオマケ

ロゼワインを開けました~。

ひよこ豆スープは前日の残り。厚揚げを、ワインにどう合わせようか。鶏肉の代わりに使えるな、と最近発見してエリンギとガリバタ炒めにしてみたよ。

イタリアンパセリが、1パック税込み73円で売ってたので飛びついて、早速添えた。

厚揚げといえばガドガドっていう料理があったな、と思い出してガドガドソースもどきも作った。ピーナツバターのところ練りゴマを使って、しょうゆにガラスープ素と酢とにんにくを混ぜた。

しかし厚揚げはガリバタ炒めに使っちゃった。(完全に忘れてた)

しょうがなくて、ガドガドソースはブロッコリーに掛けたよ。

にほんブログ村 シニア日記ブログ 女性シニアへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 一人暮らしへ

コメント

  1. うなゆき より:

    お豆のほっくりしたスープに師走を感じます
    小説「もの食う人々」だったと思うけど
    亡命するかどうか悩んでる人が、美味しいスープを食べた間だけ悩みを忘れた、ってのがあったと思うけど、その場面のスープにピッタリです

    リーダーになる人って、ホント器が大きいよね
    もうね、諦めてるけどさ、でもやっぱり、チョットでも近づきたいでござる