杖ついて出かけちゃった

音楽
小山台会館大ホール

骨折が治るまで、できるだけ歩かないほうがいいそうだけど。
ちょっと迷って、やっぱり行っちゃった。チェロ発表会。

駅から近いみたいだし。
とはいえ、初めて行くホール。地図の読めないあたしは無駄に遠回りする危険がたっぷり。

乗換案内についてた地図じゃ全くわからない。
ホールのホームページにあった地図と全く形が違う。
グーグルマップでも同じ。目印になるはずのコンビニや銀行、交番がないのね。

結局、ホールのサイトの文章と写真による道案内が一番わかりやすかった。
ただ、青信号がチカチカしてるとすぐ絶望。絶対渡れないから次の信号が変わるまで待つので、公称徒歩3分のところ5分以上はかかったな。いいや、歩数は変わらないから。

さて、建物には着いた。エレベータはあるけど、ホールは何階だろう。そこらじゅう見回しても掲示も表示もない。
ここからじゃわかりにくいけど、もし1階だったらどっちだろう。
事務室のカウンターから中の男性に声をかけた。ホールは何階ですか。
「そこに書いてありませんでしたか」
探したけど見当たらなかったんですっ。思わず怒りを含んだ声になっちゃったよ。
帰りにも見まわしたけど、やっぱりわからないぞ。杖ついて、もっと歩き回れっていうのかい。

・・・おお、取り乱してしまった。すまない。
なんとかたどり着き、ずらりと並んだチラシを好きなだけ取る。特にプログラムは作ってなくて、曲名と人名入りのチラシ片面だけ。
並べられた椅子には、小さいメモのようなアンケート用紙10枚ぐらいに使い捨て鉛筆をセットしたものが置いてある。
感想、賛辞など書いてくれと。なるほどね。演奏者に直接配れるように考えたのね。

トップはボッケリーニのチェロ協奏曲、ピアノ伴奏。
口をひん曲げたりして、すっごく難しそうだ。顔を見てるだけで面白い。
第三楽章になって、うわっと思った。ここだけ、よーく知ってる。

次、フランクのソナタ。ってチラシには書いてある。
どんな曲かなと思ったら、有名なバイオリンソナタだ。あれを、チェロ用に編曲したものがあるんだね。
と、目の前に座ってたお客が楽譜を広げながら聴いてる。のぞき見したら、それはたぶんビオラ用に編曲したもの。ハ音記号が見えた。
すごーい。と思ったら、三曲めはその人がステージに乗ったので二度びっくり。
ビオラじゃなくてチェリストさんだった。
今ネットで確認したら、この曲のチェロ用編曲は何種類かあるけど、みんなハ音記号で書かれてたよ。
つまり、通常のチェロよりだいぶ音域が高いのね。

四曲めは4台のチェロによる合奏。
途中、うん?と首をかしげたくなった。案の定、曲の途中で止まってしまったよ。
でも、お客はみんな温かい。あたしも含め、みんなフフッと和やかな笑い声。だって、顔見知りの人が出てるんだもんね。

次、五曲めが、あたしの室内楽仲間。月例練習日なのにそれを休んでこちらに参加してる。
で、伴奏ピアニストの名が妙に聞き覚えがある。
うわっ。こないだ、別のお仲間の出演するオケのコンサートでシューマンの協奏曲を弾いたソリストさんだ!
いろんなところでつながるなあ。
お仲間は、最初は緊張していたけれど、曲が進むにつれどんどん冴える。かっこいい、すばらしい。

次、時々お世話になってる理事長さん。
ベートーベンのチェロソナタといえば3番しか知らないけど、これは2番。
でもお客さんはよく知ってるみたいでね、曲に合わせて首が動いちゃってる。

ガマンしてたけど、この曲が終わったところでトイレへ立つ。
さっきの、日曜室内楽のお仲間と目が合ったので「こんにちは」と言ったのだけど、あたしと気づかず行ってしまった。
ちゃんと挨拶したほうがよかったかなあ。すごくいい人だからなあ。

ちょうど、ここで休憩時間だったみたい。
杖をついて戻ってきたら、そろそろ休憩が終わりそう。開けっぱなしの扉を気にしてる人がいたので、閉めようとストッパーを探したんだけど仕組みがわからん。
今度は理事長さんと目が合った。こんにちは。
「空気入れ替えてるの」
あ、わざと開けてるんですね。
「あれ、杖ついてたっけ」
ああ、たまたまです。小指ぶつけまして。
照れ笑いしたら、彼も「フフッ」と笑ってくれた。

休憩から戻ってきたらお客が増えてて、最前列しか空席がなかったよ。
次のプログラムはチェロ三台の合奏。
何度かあたしも合奏したことがある52歳と、92歳が出演。もう一人は見たことない人。
52歳、普段はまあまあ上手い程度かと思ってたらすごく上手い。発表会だから相当練習したのか、普段が力抜いてるのか。
あたしより入会は後なのに、この発表会の幹事まで務めるようになって。お勤めも一流企業の部長さんなんだよ。

お見事な演奏が終わって拍手したら、92歳がニコニコしてまっすぐあたしのところまで来てくれた。
あらー、理事長に続いてこの有名人からも覚えめでたくて、嬉しいわあ。
去年の年末にご自宅で4回練習に伺って、演奏会本番でご一緒したっきり。
そのとき、もう人の名前が覚えられなくてとおっしゃってた。でも、顔はしっかり覚えてくれてるのね。
「もう歩くのが大変でねえ」
いえいえ、お元気そうでよかったです。
「うん、元気は元気ですよ」
もっとさ、演奏をほめたり、ご無沙汰のお詫びとか、なんか言ったらよかったのに。
いつも、すべてが終わったあとで「あーすればよかったこーすればよかった」と思い悩む。

あと1曲、ドビュッシーのチェロソナタ、これまた難解で技巧的にも難しそうな曲。
数年前に1年ぐらい一緒の会にいたけど、もう来なくなっちゃった人。
げげー、と下品な感嘆詞しか出ないけど、こんなにお上手だったの。
あたしみたいな幼稚園のような演奏に付き合うの嫌になっちゃったのかなあ。

まだまだ聞きたいけど、最後まで聞いたら19時になっちゃうと言ってた。
明るいうちに帰りたいので、ここらで失礼。

来るときは東急目黒線だったのに、改札を入って気づいたら都営線だった。
武蔵小山駅は初めて降りたので、気づかなかったよ。
武蔵小杉とか武蔵中原とか、似た駅名がたくさんあるから区別できなくて困る。
思ったより近くてよかったけど、電車賃が東急と都営とじゃ片道50円ぐらい違うのねー。失敗。

本日のオマケ

きのうの夕ご飯はごぼうのラグーパスタ。ドライトマト、にんにく、玉ねぎ、赤唐辛子、ローリエやとアンチョビと塩とオイルで蒸し焼き1時間というレシピ。

最後に混ぜるオリーブを刻んだり、サラダ盛ったりパスタ茹でたりで40分ぐらい経ったので、そこでパスタと和えて問題なし。

昼は作る時間なくてね、柿ピー小袋1つだけで出かけたの。さぞかし体重減っただろうと思ったのに、逆に少しだけど増えてたのでびっくりよ。なんでだろう?

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コメント

  1. にゃんた より:

    活動的ですこと。
    またぶつけたりしないよう気をつけて。
    92歳の方かぁ。
    すごいねえ。
    ぼくもいつまでも遊んでいたいなぁ。
    武蔵…小金井ならよく知ってた。

    • よはねす よはねす より:

      今日は武蔵…境に行ってきましたよん。
      ほんとは杖なくても歩けてしまうんですが、杖持ったらいかにもヨタヨタしないと世間様をあざむくような気がして、ソロソロと歩いてますよ。むしろ家の中のほうが人目が無い分、油断するかもね。気をつけます。

      年寄りなのにみんなから愛されている92歳がほんとにすごいと思います。どこも老害じゃない年寄りになれるなら、あたしも長生きしたいな。

  2. うなゆき より:

    おお、チェロコンサート行ったんや。
    私も行けば良かったヨ
    偏見だけど、チェロって失敗しても
    なんか優しい音色しか出さない素晴らしい楽器のイメージです
    会場の温かい雰囲気も伝わってきます
    ア〜、チェロを習いたくなったヨン
    なんですぐ辞めたんだろう

    • よはねす よはねす より:

      はい、たまたま行けることになったので、行っちゃいました。
      前半しかいなかったけど、かなり聴きごたえのあるものばかりでしたよー。

      優しい音色か。あたしが表現すると、情けない音って言っちゃう自分が情けなくなります。

      チェロなら、今から習っても3年ぐらいでかなり楽しめるようになると思いますよ。ソロ曲は大変だけど、四重奏や三重奏なら簡単な伴奏担当の曲がたくさんあります。やっちゃえやっちゃえ。