失業保険を受けるためには、月に2回以上の求職活動が必要だ。
そろそろ、行かなきゃ。
きのうを逃したら、そこから当分ひどい寒気がやって来るという予報だ。
朝からうららか日射しと穏やかな陽気、自転車でひとっ走り行って来よう。
準備は、前回出してもらった求人情報を眺めてケチをつけること。
こんなのしかなかったから、もっといい情報をくれ。というのがあたしの活動ワンパターンだ。
ところが。
機械的に、ものすごくたくさんの求人票を出してくれたのだけど、非の打ち所がないほど魅力的な会社がたくさんある。
駅からは近い、時給も高い、「社員は皆優しく穏やかな人柄です」まで付いてたりする。
うわー、これはいつもの手が使えないぞー。
困った。真剣に悩んだ。
とりあえずハロワに着いて、順番待ちの間に考えた。
今回の担当者は初めてお目にかかる男性だ。
「今日はどんなご相談ですか」
来た来た。ここのハロワは少し手ごわいんだ。「ハンコくれりゃいいんだよ」とほのめかす手は通用しない。
前回、たくさんの求人を出していただいたのですが、いざ応募しようと思うと怖気づきまして。
転職したことがないので、職務経歴書をどう書いていいかわかりません。
これは本音。頭の片隅で「もし書くとしたら」とイメージすることもできなくて、考えただけで泣きたくなる。
もう、必死(笑)。おでこに汗がダラダラ流れる。
相談員さん、あたしのこと脳足りんだとわかったみたい。
「職務経歴書が必要ない求人は、清掃関係などほんの一部しかない。
最初からうまく書けなくてもしょうがないから、勉強してください」
脳足りんとバレてもいい。教えて。
「勉強って、、具体的にどういうことでしょう。本を読めばいいのですか。
何か、見本のようなものはありますでしょうか。」
「ああ、ありますよ」一瞬後ろ向いて、ホイッと冊子を手渡してくれた。
え。なんだ、ほんとに文例集あるんじゃん。
しかも何ページも何パターンもある。
試しに書いてみたら、それをハロワで添削してくれるという。
ただし、予約制で、1日2人まで。
さっき見たら来週の月曜と木曜に1日しか入ってなかったから、今予約します?
(いや、そんなすぐに書ける気がしないし)
「いえ、来週はずっと予定が詰まってまして(この時点でほんとにそう思ってた)」
では、とまた別のコピー用紙をくれる。
予約する時の電話番号が書いてあった。
ありがとうございます。書けたら、予約します。
(ん?予約を決めちゃってから書いたほうが真剣に書くんじゃないか)とチラッと頭をよぎったけど。
嫌なことはすぐ頭から消える。
ふう。これで、ハンコはもらえたけど。
ここまで、半分は職務経歴書とやらを書くつもりがあったんだけど。
ものすごく面倒になった。
このあと例によって遠くの図書館やら銀行やら酒屋やら行って、疲れ果てた。
もう、無理に失業手当もらうのやめちゃおうか。
こういうとき、昔の同僚の言葉がいつも蘇るんだよ。
「職安で失業保険?そんなみっともないこと、しないわ」
お金のためならばと、働く気もないのにハロワ通いなんて姑息な手段もいやいややってたけど。
こんなに辛いなら、あと2か月分ぐらい、捨てちゃおうか。
逃げたいだけだけどね。暮らせないわけじゃないんだもの。
コメント
あや、落ち込み気味?
そんなこと思ってはダメ。
いただけるものはいただいておく。
あまったら死ぬ時かえしゃいい。
いままでとおり、求人案内もらって検討しまーす、でいいじゃん。
きちんともらっていいお金はもらうもの。
本当に就職したくなるかもしれないし、その猶予期間のために支給されてるものって考えればいい。
「職安で失業保険?そんなみっともないこと、しないわ」なんてことば、小説や漫画で嫌なやつがいうセリフ。本当にそう思ってるんならいう必要もないし、その人じつはコソコソっともらいにいってるかもしれない(^^)
毒のある言葉って中毒性があるんだって。なんか聞き流せない。
そんなものに振り回されてはダメ。もらったお金が世間様に回ればそれだけで社会貢献(^^)
いつも以上に力のこもるコメント、ありがとうございます。
今回は本当にダメージ強かったです。「本当に就職したくなる」なんて考えられませんけどね、うーん、考え直してみます。
失業手当が最長の330日もらえる条件で運がいい、なんて喜んでた自分を裏切ることにもなりますしね。
かつての同僚の言葉は25歳の時だったから、35年も前の時代だったんですよね。ずうっと毒されてヤク中になっちゃってるかも。依存症から抜け出して、社会貢献しなくちゃですね。