発表会、押しつぶされそうになったけど

きのうは室内楽、半年に一度の発表会だったの。

猛暑の中、昼休憩に外に絶対出たくない。コンビニで急いでおにぎりを二つ買って会場に行った。
リハーサルの時間ぎりぎりになったので、控室にも寄らずホールに直行。
ドボルザーク五重奏がミスタッチの嵐でボロボロ。井川さんから「大丈夫ですか」なんて言われちゃった。
続いてシューベルト三重奏でも、同じくボロボロ。
家でも合奏練習でも、ここまでひどかったことはない。

終わって茫然としてたら、トマトさんが迎えにきた。
すぐ続いて練習室で、弦楽合奏のリハだった、しまった。

一番最後の音程が汚くて、悲しい気持ち。
さっきのボロボロ気分を引きずってたみたい。
でも信頼できるお仲間が、「悲しくなる必要なんてない、音楽が前に進んでいい感じですよ」と言ってくれた。
「では、つくり笑いでやってみます」とところどころニヤニヤしながら弾いてみたら、その音程がかんぺき！ああよかった。

ほんとは続いて、譜めくりの練習の予定だったのだけど、なんと直前に一人コロナ感染してしまい、曲ごと取りやめ。
大好きなブラームスだったのでちょっぴり残念、ちょっぴりホッとした。
でも演奏メンバーはさぞかし残念だろうね。

で、本番。

さっきのブラームス五重奏が突然出られなくなったので、我らドボルザークチームがプログラム1番になった！
きのう会場に行ってから気づいたのでドッキリして、トマトさんに「知ってた？」と聞いたら「繰り上げ当選！」なんて万歳してたよ。

5人ぞろぞろとステージに出て、楽譜を置いて。
お辞儀したら、まだアナウンスが演奏者名を読み上げてる途中だった。ぎゃー。
間違ったのはあたし一人、恥ずかしい。
アナウンスが終わって、今度は全員揃ってお辞儀。

冒頭はピアノなし。数小節は弦だけなので、トマトさんの合図で始まるの。
ところが、まだビオラの山Pが構える準備ができてないのに始めちゃったものだから、山P弓を振ってトマトさんに「やめやめ」と合図する。
録音係がびっくりしたって、打ち上げの時言ってたわ。

でも、やり直しのあとは快調で。
指のもつれも、譜めくり失敗もなく。
ただ一か所、いつも1小節抜かしてしまうところがやっぱりわからなくなって、飛ばしてしまった。
しかし皆さんそれに慣れてくれてるので、なんとかピアノに合わせてくれて大事故にはならずに済んだ。

弾きながら、「そういえばこの部分、中村紘子がCMで楽しそうに弾いてたんだ」と突然思い出して、その気分になって楽しく弾けたよ。

お辞儀したら、まっすぐあたしを見て拍手してくれてるおじさん（知らない人）が見えて、うれしかった。

弦楽合奏は、いつも音程がひどい所は成功したのだけど、最後の最後はオクターブがずれてしまって。
思わず「あー」としかめ面をしたけど、アニーさんはニッコリあたしを見て微笑んでる。
「これぐらいなら大丈夫よ」という意味かと思ったけど、あとで聞いたら「合ってるように聞こえた」んだって。
おかしいな。いつもあたしが「これぐらいならいいでしょ」と思っても彼女がいちばん厳しくダメ出ししてたのに。

休憩を挟んで、シューベルトの三重奏もうまくいったよ。
メイが直前まで「どうしてもうまく弾けない」と言ってた箇所も、本番では噓のようにちゃんと響いて。
あたしも、いつもは余裕なく突き進んでしまうところ、ちゃんと歌うように弾けた。

今まで、自分が「本番に強い」と思ったことはないんだけど。
これは、「リハーサルでたくさん失敗したら本番は成功する」という有名な格言の通りになった、ってことだな。

休憩時間のこと、ステージ裏のこと、楽屋と打ち上げのこと、今書かないと忘れそうなことがたくさんあるけど、読むのも大変だろう、あたしも疲れた。
写真も一枚も撮ってないので、本日はオマケもなしで、失礼するよ。