室内楽発表会の本番に行ってきたよ。
いろいろなことがいっぺんに起きたから、頭の中の整理がつかず、とりあえずフリーズして放心状態だ。
思い出せるところから、なんとか書いてみる。
あたしの出番は2曲。
メイがピアノ担当のバッハ協奏曲は、やっぱり初見のときとそれほど変わらず上手くなれなかった。もちろんあたしが、ね。
長い長い第一楽章は、午前中のリハーサルの時は井川さんもアニーさんも「落ちた」と言ってた。
そういえばなんだか二人の音がよく聞こえないなーとは感じたけど、まさか「落ちてた」とは気づかなかった。
本番では誰も落ちず、しっかり弾けたが。
最終楽章の最後の方で、あたしがメロディを弾いてる部分で1拍ぐらい早く出ちゃった。
「なんかおかしい」とは思ったけど上手く戻れず。
こういうとき伴奏系の方が合わせてくれる場合もあるけど、音楽的にそれが難しい箇所で。
10小節ぐらいかな、間違ったまま進んでからやっと1拍伸ばして、みんなと合流できたー。
ひえー。
舞台袖に引っ込んでから「ごめんねー!」とみんなに謝った声、客席にまで聞こえてないといいんだけど。
でも、仲間はだーれも慰めてくれたりしない。そんな小さいこと気にしてるどころじゃない、とにかく半年間ありがとう!って、みんなうれしそうだったの。
クラリネット五重奏も、リハーサルでは一度崩壊しそうになった。いや、崩壊した。
でもみんな落ち着いてる。
もし本番でこうなったら、練習番号9番からやり直しましょう、とニッコリしながら打ち合わせ完了。
途中で岸辺さんが「すいませんもう一度調弦させて」と言ったのが、いいきっかけ。
ずっと言いたかったことが言えた。
「本番の2曲前になったら、楽屋でみんなで調弦しましょう、ルールブックにそう書いてありましたから」
そしたらメイも援護射撃、「ステージに上がったら調弦はしないでください」と念押し。
岸辺さんは「そうですか、わたしはいつもそうやってたんですが」と、いつものようにヘラヘラ笑いしてる。
彼、調弦にひどく時間をかける人なのよ。
時間かけたあげく、合ってないのに「これでよし」みたいに満足して弾き始めるのがまた何ともいえずみんなのストレス。
それを、本番ステージに上がって、演奏前にやるのだけは許せない。あたしも、メイも。
それをやると時間が押して、終演時間が延びてしまうし、お客様だって迷惑でしょ。
本番で、またいつもの癖で調弦を始めるんじゃないかと少し心配だったんだけど、さすがに大丈夫だった。
肝心の演奏も、大丈夫。たくさんある難所、ほぼクリア。
バイオリンのメロディに合わせ、あたしとメイがピッチカートで合いの手を入れるのもきっちりハマった!
彼が感情あふれるあまり音が延びたところも、みんなで合わせることができたし。
特訓練習の甲斐があったよー。今までで一番上手く行ったんじゃない?
ああ、そういえばバイオリンさん、「僕は本番に弱いから」と何度も言ってたのだ。「本番が一番良かった」って、言ってあげればよかったなー。
出演する仲間は、全員で何かしらの係を担当する。
今回あたしとメイは二人で受け付け当番になったよ。
開演の20分前から、プログラムを手渡しながらお客を入れる。
ちょっと前までは、一人ひとり体温を測ったり手の消毒をしたり、とても大変だった。
だんだん、連絡先を書いて貰うだけになり。
今回はそれらが何も無くなってて、通常に戻って、楽になった。
観客として来たおじいさんがひとり、あたしたちの顔を見比べながらおっしゃるには
「美しい女性が選ばれてここにいるんでしょ」とニコニコされる。
思わず「そうなんですーよくお分かりで」と大喜びしたら
「もうこれで目的が果たせたから、これで帰ろうかな」だって。
いえいえ、それは困りますっ。お互い、小芝居を楽しんでしまった。
女性とは思えない方がスカートのようなものを穿いてマニキュアしてたり、落語独演会のチラシを持ってきて「ここですか」と聞かれたり、まあ面白いこともあるよ。
メイと私語してて気づくのが遅れたけど、合宿で仲良くなったN井さんもご夫婦で来て、「こんにちはー」と声を掛けてくれた。
思わず飛び上がって喜んで、メイに紹介したらね、メイとN井さんも合宿で一度一緒に演奏したんだって。
あ、なーんだーそうだったの!
打ち上げの後、電車の中でスマホ取り出したら、N井さんからのメールが入ってたよ。
クラリネット五重奏は「バイオリンとのハモりが素敵」と言ってくれたのは素直にうれしい。
しかしバッハはほめるの苦しかったろうなー。「真摯に曲と向き合うお姿と演奏素敵」だって。ありがたく、そして申し訳ない。
でもね、あの気持ちよかった「バイオリンとのハモり」がまざまざ蘇って、おかげで一日の最後がとても幸せだったよ。
えっと、食べ物は写真なくてごめん。
朝、生クリームとナッツを食べて現地でおにぎり買って。
打ち上げは中華食べ放題飲み放題。
クラリネット五重奏で大活躍したお医者さまのバイオリンさんは、なんと打ち上げを途中で抜けて、病院に戻ってお仕事するんだって!
もちろんウーロン茶で乾杯。
昼間から、彼ちょっと変だなと思ったの。
コート着て、右腕でずっと脇腹を押さえてる感じ。
「寒いんです」とは言ってたけど、メイは「きっと具合良くないんだと思う」と。
打ち上げで、あたしの真向かいに彼が座ってくれたので、わかった。
塩分制限してるから、食べられるものが少ないんだって。
腎臓ですか、と聞いたら「腎臓と心臓も」とのこと。
ザーサイ炒めが出てきて、「こういうのはほぼダメ」と。
いっしょに混ざってるネギだけなら大丈夫か?
あたし、毒味してあげる!とネギを頬張ったら、大丈夫そう。
こういうのって、ザーサイの塩気で食べられるようにネギには調味料控えてあるはず。
ネギ大丈夫ですよ、と言ったら先生、ご自分の取り皿にザーサイがたくさん入れてる。
もしかして、目もお悪いのかも。
取り上げてザーサイを大皿に戻して、ネギを選り分けて取り皿を返してあげたよ。
うん、なんかあたしも満足感。
珍しく順不同な書き方になった。まだまだ書きたいことがあるけど、また明日だな。
コメント
うん、伝わってるよ〜
なんだかんだあり、発表会は大成功なのね!
落ちたり、迷子になったりしても、事前打合せ道理 ちゃんと再集合して、ハモる事も出来るて
やっぱ、仲間と頑張るって素敵
よはねすセンセ、青春だなぁ
ありがとう!そうよね、これ、大成功って言ってもいいんだよね。仲間がいなかったらあり得ない幸せ。
あたしには一生青春なんて来ないんだと思ってましたが、そっか、これが青春ってやつかー!ずいぶん遅いけど、あたしにも青春があってよかったあああ。
うん。嬉しかったの伝わる。
よかったね(^^)
へへ。まだ録音聞いてないので、今が最高にハイかもしれません!今のうち、幸福感を味わってからゆっくり録音聞こうっと。わー、聞けるのいつになるんだろう・・・