オーケストラ定期演奏会本番まで、1ヵ月ちょっとに迫ってきたよ。
こないだの練習直前に、トップ奏者さんからメールが入って。
プルト(譜面台のこと。転じて座席の順番の意)が発表された。
プログラム前半と後半で、席を変えるのかー。
ウホッ。前半は前から2番めだー。やる気出るぅ。
その代わり、後半は一番後ろ。指揮者も、トップさんも見えづらいから弾きにくいんだよ。
一回の演奏会で座席を交代するのはいいね。
交代しない場合、「今回の演奏会は一番後ろかー」と思ったらちょっと元気無くなると思う、あたしなら。
練習所に早めに着いたので皆さんとおしゃべり。
お隣さん、よろしくねー。
トップ奏者さんのお話
トップさんが「一番後ろでごめんねー」と話しかけてきた。
いえいえ。あたし後半プログラムはよく間違うので、後ろの人を惑わせないで済むのでありがたいです。
それにあたし座高が高いので、後ろの人は前が見えなくて迷惑掛けちゃう。
「いやーそれを言ったらT橋さん!あの人ほどじゃないから大丈夫」
と、亡くなったメンバーの陰口を言う。T橋さんも草場の陰でびっくりしているだろう。
そんな、長身男性と比べられてもさー。ま、一応慰めてもらった気持ちはありがたい。
「これまでいつもあの席はSさんだったんだよ」
ああ、そういえば彼も背が高かった。上手なんだけどでかい音でよく間違う人だった。
今年退団しちゃったんだけど、以前「一番後ろだとオケ全体が見えるのがいいですよ」って言ってたわ。
そうやってよそ見ばっかりしてるから間違うんじゃないの?と思うけど直接は言えないわな。
トレーナーさんの話
この日の指揮者は本番の人ではなくトレーナーさん。
でもあたし、本番指揮者よりこの人のほうが好きだな。核心を突いた指摘をしてくれる。
「みなさん、ここの弾き方がバラバラなんですけど。本指揮者はどう指示されましたか」
あたしとお隣さんは揃って、楽譜に「ここは音を抜かない」って注意書きをしてある。
先生に言いたいんだけど、席が遠いので大声を出さないと先生に届かない。
声を出せずにもどかしく先生を見つめていたら、気づいて目を合わせてくださった。
「ここは音を抜かないそうです」と、やっと伝えることができてほっとした。
みんな、先生の注意を楽譜に書かないんだよなー。
お隣さんはあたしと同じくらい書き込みがたくさんあるから、とてもやりやすい。
お隣さんの話
さらにこの人、練習の虫。指づかいが細かく書いてあって安心だから、彼女の楽譜を本番でも使わせてもらうことにした。
この曲(ブルックナー交響曲第9番)は、第2楽章の最後まで行ったら冒頭に戻って繰り返す。
それが、2ページもめくらないといけないから、めくる人大変なのよ。
あたしがゼムクリップを進呈した。
楽譜からちょっとはみ出るぐらいに付けてしおり代わりにして、めくるときにそこをつまむと一瞬でめくれるよ。
あー、ちなみに前半プログラムはね、お隣さんがお休みだったの。
だからまだ、どちらの楽譜を使うか相談できてない。
こっちのお隣さんはめちゃくちゃ上手い人。書き込みなんかしなくても指揮者の思いどおりに弾けちゃうだろうな。
指づかいも、いちいち書かなくても自然にできちゃう人。
逆に、あたしが細々と指づかいを書いて、見ないと弾けないのがバレるからあたしの楽譜見せるのが恥ずかしい。
でも、見ないで弾いたら失敗するもんなー。あたしの楽譜使わせてほしいなあ。
ふーちゃんの話
お隣のパートでは、珍しくふーちゃんがトップサイドだ。
ふーちゃんはあたしより17歳も年上、とこないだわかってびっくりした。
なんでも昔トップで弾いて失敗したのがトラウマになっているそうで、長年絶対にトップには座らない人だったのに。
大丈夫かな。
いや、上手なんだよ。だから大丈夫なはずだけど、断固としてトップを拒否してると聞いていた。
帰り道、ふーちゃんと一緒の電車になったので二人でおしゃべりしながら帰った。
昔、同じ駅を利用するご近所さんだったことがあるんだ。
「そちらのパートも、本番プルト決まったんですか。今回珍しくトップにいらっしゃいましたね」
と話を振ったら、「そうなのよーもう困っちゃって」
と始まり、ずうっと一人でしゃべり続けてくれる。
話が途切れないように、気を遣って頑張ってくれてるような気もする。
でも、昔噂で聞いた「トラウマ」の話はしてくれなかったな。もしかしたらほんとにひどいトラウマなのかも。
昨年入団したある女性が子供の頃、うちのお隣に住んでたのよーとか。
でもこれ、今まで誰にも話したことないの。彼女にも「ナイショよ」って言って「どうしてですかー」って言われたけど。
ほんとに、どうしてですか。
「だって恥ずかしいじゃない」
ふーちゃんの妹さんが音大を出て、おうちで個人で教えてたんだって。
その教え子さんが入団してきたので、一瞬ですぐ「サキエちゃん」とわかったそうだ。
サキエちゃん、めちゃくちゃ上手なんだよ。きっと、妹さんいい先生だったんだろうなあ。
前半プログラムはふーちゃんがトップサイド。後半はサキエちゃん。
なんにも恥ずかしいことじゃないよねえ。
「秘密にしてたけど、あーあ初めて言っちゃった」
あーあ、この話、うっかりみんなに言っちゃいそうだなー。
でも、広まったら出どころはあたし、ってバレバレだあ。
本日のオマケ
きのうのランチはちょっとぜいたくしちゃった。やきとり重。
全部すごくおいしいけど、特に焼きねぎを薄い肉で巻いてあるのが。何の肉だろう、ってせっかく巻いてある肉を剥がしてネギと別々に食べちゃったけどね。
剥がしても、ネギだけにもお肉の旨みが移っておいしいよ。肉は皮かと思ったけど違うな。胸肉かササミか、叩いて薄ーく伸ばしてあるみたい。
ランチを外で済ませたら夕飯はワンパターンになりがち。
塩サバを一度に2枚焼くのはいつも通り。大根おろしが欲しいところだけど切らしてしまって。
きょう大根が届く予定だから、切らしたけどあえて買わないで我慢した。
コメント
オオオオ、焼き鳥重、重・重・重❗️
私の昨日の昼食の焼き鳥弁当との格差ヨ
それも、“丼”ではなくて“重”
高級昼食ですね、思わず背筋が伸びますヨ
トッピサイドの若い団員が自分の妹の教え子だったら
私なんか自慢して、喋りまくりそうです
ふーちゃん、謙虚だなぁ
なんか、かたじけない。偶然とはいえ自慢めいてしまって。やきとりそういえば書き忘れた、串を抜いくれてるのもとってもありがたかったです。手が痛いから、串から抜くの大変で、歯で噛み付いてワイルドに引き抜いて食しますよ。
ねー自慢と思うだけで謙虚ですよ、あたしなら「事実を言って何が悪い」って思っちゃいます。
プルトってそういう意味なのね。
ニウムが省略された物騒なもの想像しちやった。
焼き鳥重、美味しそうだけど気になるのは晩御飯のサラダのアボカド。
わはは。プルトからそっちを連想されたのはにゃんたさんが初めてです。
アボカドも、いつもの通りダイスカットの冷凍です。店によってメキシコ産かペルー産かの違いはありますが最近はどちらも1cm角ほどで違いがなくなってきました。
スライスの冷凍アボカドも最近あるんですね。スライスならきれいに広げて並んでくれないとストレスですが、ダイスならザラッとぶちまけても気にならないのが好きです。