パイプのけむりとランチタイムコンサート

きのうのおでかけは、月に一度の丸の内ランチタイムコンサートだった。

例のごとく、遠くの図書館にも行かねばならなかった。コンサートの前に済ませよう。
自転車がちょうどいい季節だけど、ちょっとでもアクシデントがあるとコンサートに間に合わない危険がある。
大事をとって。いやもしかして自転車漕ぐのが面倒だからか、電車を使った。

先月のコンサートは遅刻してしまってとても残念だったので、ちょっと力が入り過ぎた。
1時間も予定より早く図書館に着いてしまい。
時間調整のため図書館内を徘徊したら懐かしい本を見つけた。
團伊玖磨「パイプのけむり」シリーズが、途中からだけど20巻ぐらいある。

かなり長い間アサヒグラフという写真誌に連載されていた。
新入社員の頃毎朝、銀行に会社の現金を下ろしに行ってたの。
銀行ロビーのソファで数十分待つのだけど、その間いつもこの雑誌のエッセイを読んでいた。

そのうち仕事で現金を扱わなくなって、アサヒグラフも廃刊され。
単行本を少しずつ図書館で借りては読んでいたけど、あるとき書棚から一斉になくなって。
古くなったから書庫に行ったのかと思えば、どうやらまとめて盗難に遭ったらしい。
もう一生読めないのかと、かなり落胆したんだあの時は。

なぜか、もうこの世から消えてしまったと思い込んで検索もあきらめていたけど。
名著は残るんだな。
また新しい楽しみが見つかった。少しずつ読もう。

だが、だが、あたしのことだからね。
返すだけのつもりだったので図書カードを持ってなかった。
借りるのはまた次の機会。

コンサート会場にかなり早めに向かったつもりが、あたしのことだから(2回目)ジャストの時間だった。

この日のコンサートはバイオリンにピアノ伴奏。
バイオリンさん、またしても美しい若い女性、と思ったけどよく見たら結婚指輪してたわ。
ついでにネックレスも石が1個ついたチェーンで。
珍しいんだよ、バイオリニストは楽器が傷つくのが怖いと言ってあまり指輪やネックレスしない人が多いんだ。

バイオリニストさんマイク持って
「そろそろ秋になり皆さまもコートなど冬に向かう装いで」
ごめんなさい。あたしだけ半袖ポロシャツで、ムードぶち壊してます。

秋にちなんだしっとりとした曲をたっぷり聞かせてくれた。
あたしも最前列だけど、最前列の人ってみんなあたしのようなちょっと冴えないくすんだ人ばっかりなんだよねえ。
身なりに気を遣わない、どうでもいいようなくすんだファッション。
ちょっと、反省した。
せっかく丸の内のオフィスビル、通る人は生き生きとしたビジネスマンばかりなのに。

隣のおじさんも最前列なのに、2曲めからほとんど寝てばっかりだった。
シャンソン「枯葉」のジャズアレンジとか、クラシックじゃない曲はみんなのウケがよくない。
やはり正統派クラシックを、あたしと同様皆さんも期待しているようだ。
企画者のお兄さん、このへんうまく奏者に伝えてくれるといいなあ。

このコンサートは、河合楽器提供のピアノが設置されている。
毎回、コンサートの後で希望者は試弾していいとアナウンスされる。
これまでは、ピアノの周りでがやがや写真撮影したり、そうでなければサッと駆け寄って弾き始める人がいるんだけど。
初めてピアノがヒマそうにしていたので、「お借りします」と断って触れてみた。

でも、あの駅ピアノと違って、ちょっとだけ人が周りにいる。
あの時ほど入り込めず、2曲ほどの出だしを弾いて終わりにした。
司会のお兄さんが寄ってきて「写真撮りましょうか」なんて言ってくれて驚いたけど、ありがたく辞退。
グランドピアノだけど、ほんの少し音が狂ってたな。そろそろ調律お願いします。

このビルの向かいに、大きな広場があるの。
パラソルつきテーブルと椅子が固定されて、自由に飲食もできる。
ちょうど昼時で満席、でも手を洗いに行って戻ったらそろそろ1時、みんなオフィスに戻る時間。
ゆうゆうと弁当を広げた。
きのう炊いた栗ご飯のオニギリを無印良品バスケットに、味噌煮込みをジャーポットに入れて。

外でのお弁当は気持ちいいなーと思ったが、温かい弁当食べても寒くなってきた。
七分袖の薄いカーディガンでは寒さがしのげない。
ピクニックできる期間って、思ったより短いんだなー。

帰りは、今まで歩いたことのない道をカンを頼りに歩いてみた。
ひどい方向音痴は自覚しているので、目に入る限りの看板など情報を探しつつ。
脳が刺激されて、とっても楽しい。
が、ここで思い出した。クール便が2時-4時の間に来るんだった。
遊んでいる場合じゃない。

なんとか急いで知ってる道に入り家に着き、弁当箱を出したりしてたらもう2時。
ジャストにピンポーン!とインターフォンが鳴り。
間に合ったー、と胸をなでおろした。

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コメント

  1. にゃんた より:

    パイプのけむり、懐かしいね。団いくまだっけ。時々深夜特急と間違える。
    最寄りの図書館が盗難にあったら、もう一生読めないのかと、かなり落胆する感性はなんかすごいな^^;
    結構一途な方なのね^^

    • よはねす より:

      パイプ~ご存じでしたか。それだけでもうれしい。團伊玖磨の音楽はラジオ体操と行進曲ぐらいしか好きじゃないけど、エッセイは大ファンなんです。
      深夜特急が、、わからないぞお。そういう小説でしょうかね??