チェンバロに限らない話かもしれない。
昔々、著作権なんて概念のなかった時代、自作の曲を出版する際、そのほうが売れ行きがいいからって他人の名を騙ることはよくあったみたい。
有名な「おもちゃのシンフォニー」なんて、あたしが子供のころはハイドン作曲と教えられたけど、あとで「実はモーツァルトの父作曲だったらしい」と言われ信じてたら「実は無名の神父が作った」説も現れ。
それぐらいの古い時代の楽譜は「写譜屋」が手書きで書いたり、印刷で出版してもなかなか残ってなかったり。
聞いたことのない作曲家の名前とか作品が、今でもぽろぽろ発見・発掘される。
あたしの、曲の情報源はほとんどラジオでさ。
ある時、聞き覚えのあるメロディがバロック音楽番組で流れたの。
それはストラビンスキー作曲「イタリア組曲」またはバレエ音楽「プルチネルラ」でも使われた曲。
ストラビンスキーはそのメロディを作曲家ペルゴレージの作品から引用したつもりだった。
ちゃんと、そういう楽譜が流布してたからね。
ところが近年ペルゴレージじゃなく、ドメニコ・ガロという人の作とわかった。
この曲を、チェンバロで弾いてみたい。
今の時代、クラシックの楽譜を探すならまずはIMSLP(ペトルッチ)というサイトだ。
著作権が切れてる人がほとんどだから無料でダウンロードできる。夢のような時代が来たもんだ。
五十音で検索できるので、作曲家のスペルを確認するのが面倒なあたしはこれを普段使っている。
でも、「ガロ」は出てこない。まだこのサイト工事中とのこと。
しかたない、ガロのスペルをgalloと確認、本家本元サイトから検索。
出た出た。(こちら)
てなことを経験したのち、先日そのバロック音楽の番組でチェンバロ曲がかかった。
作曲家は聞いたことがない名前だ。アントワーヌ・フォルクレ&ジャン・バティスト・フォルクレ。
やけに長い名前だよね。
アントワーヌがお父さん。ヴィオールという、その時代の弦楽器のための曲をたくさん作った。
その息子ジャン・バティストも音楽家になったけど、ヴィオールの流行が下火になったようで、お父さんの曲をたくさんチェンバロ用に編曲した、ということになっている。
ほんとは息子が作曲したのだけど、有名なお父さんの名を使ったほうが売れると思った説もあるよ。
おかげで、せっかくかっこいい曲なのに曲名紹介がひどくめんどくさくなったじゃないか。
こないだの日曜に聞いてきた奏楽堂のチェンバロコンサートでもこの曲が取り上げられて、すっかりうれしくなった。
あら。有名なグスタフ・レオンハルトの録音ではこの曲をお父さんの名前しか書いてないや。
原曲、お父さんのヴィオール版はこちら。
あたしは、断然チェンバロソロ版が好き。でも原曲のほうが当時の本物の雰囲気がある気はするね。(本物を聞いたことがある人は現在生きていないので何とでも言えるw)
さて。チェンバロといえばバロック時代。現代まで楽譜が残るほど有名になった曲は少ない。
現在はあたしの大好きな作曲家ラモーの曲集があるので夢中になってるけど。
これを最後まで習ってしまったら、次にやりたい曲を自分で探さなきゃいけないみたい。
で、今、主にラジオで探してるわけだけどさ。
早速「フォルクレ」で五十音検索したらやはり出てこなかった。
メインページでカタカナで入力したら、フォルクレお父さんのヴィオール小品だけがヒットした。
これをクリックしたら1曲しか入ってないんだけど。
裏の小見出しに「アレンジメント&トランスクリプション」があるので、それをクリック。
バンザイでございます。息子ジャン・バティストちゃんのチェンバロバージョンが出て参りました。
調子が出て来たのでもっと遊んでみた。のを紹介したいけど、そろそろみんなウンザリかな。
続きを書くのはまた今度にします。
コメント
あははは。カタカナが多い。
PCで見てるんだけどひとつ前の再生したまま次流したら合奏になっちゃったよ
ははは。すいませーん。アルファベット読めないし書けないので、オールカタカナになってしまいました。
YouTubeもちゃんと再生していただき、ありがとうございます。貼りすぎたら良くないんですね。
自分では気づかないこと、いろいろありますね。